こんにちは、ドクダミ淑子です。
今年の年末年始は、義実家でここぞとばかりに読書に励んでいました。
・・・といっても、私はそのメンバーの中で新参者(子どもを除く)の嫁ですからね。
余り仰々しい本を読んでいると、変な奴だと思われるでしょうから*1、ライトな小説を選んでいます。
今回はミステリーが1冊と、あとこちら。
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ちなみに、ミステリーについての話はこちら。
どんな内容なの?
公式サイトによると、こんな内容です。
私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれ ど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても 心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。
主人公2人(彩子とダイアナ)が交互に語りながら、物語が進んでいくスタイル。
その中で2人がすれ違いながらも、人生が重なったり、対極に行ったり・・・としながら、小学3年生から大学4年生まで進んでいく。
「どう読むか」が別れる小説だな
読んでいて、私は「38歳子持ち目線」で読んでいるなぁと、ひしひしと感じる小説だった。
- 小学生の時の、激しくない「いじめ」「からかい」をどう受け止めるか
- 子ども時代に「家庭環境による差」をどう受け止めるか
- 高校・大学になるとハッキリ見えてくる「格差」をどう捉えるか
- その中で、自分の人生をどう切り開いていくか
- そういう子供たちを、大人はどうやって見守るか
色々な読み方があって、多分15年前の私だったら、私立大学に入った時のあの「差」みたいなのに敏感に反応していただろうなと思った。
附属校のボンボンがいて、必死で勉強して入ってきた地方の子がいて、自己推薦やスポーツ推薦で入ってきた子がいて、オートロック付きのマンションに住む子と他人の家に居候する子がいる、ごった煮みたいな環境の中で、自分と違う育ちの子に溶け込む人と、似たような環境で育ってきた人で固まる人と・・・っていう部分。
この小説の中には、母子家庭の子と専業主婦のお母さんがいる子とがいる。
その辺を読みながら、自分が中学時代に髪の毛を金色に染めた子と仲良くしていたことを思い出した。
彼女が家に来た時、珍しく父が「水っていうのは器によって形が簡単に変わるんだ」と言って、暗に「あの子と付き合うな」って言ったのを思い出したりもした。
・・・けれども、どちらかというと、「親として」子どもにどう接するか?の方を考えることが多かった。
たとえば、彩子のお母さんは「広い世界を見て欲しい」と言いながらも、娘をお嬢様が通う私立中学校に入れる。
彩子はその中でもがきながら、広い世界を見ようと思って交換留学に行ってみるけれども、結局それは学校の延長線上だったりする。
そして大学に入って変わってしまった彼女を見て、親は心配する。
ああ・・・これ、きっとあるわ・・・と思った。
結局のところ、親が言う「広い世界」とは「安全で、快適で、美しい世界」であって、「危険で、不快で、汚い世界」ではないのだ。
そりゃそうなんだけど・・・そしたら「広い世界」って何なんだろう?
そういうことを考えながら、読んでいた。
この話でも、そういうことを考えていたな。
色々と考えさせられるテーマはあるものの、とはいえこの小説の中に「悪い人」っていうのはほとんどいない(少しいる)。
色々な人が、色々な思惑で生きているんだな・・・ということを、しんみりと考えながらも、「あああ、どうなっちゃうの~?」と思いながらサクサク読める小説なので、明るく楽しい読書体験をしたい人は、オススメです。
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*1:「変な奴だと思われる」と書いているけれども、もちろん既に変な奴だと思われているとは思っている。