ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

【本感想】ナイルパーチの女子会 昼ドラ鑑賞みたいな読書体験

こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

今回は、こちらの本の感想を。

 


 

 

どんな内容なの?

公式サイトによると、こんなあらすじです。

 

丸の内の大手商社に勤めるやり手のキャリアウーマン・志村栄利子(30歳)。実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。決して焦らない「おひょう」独特の価値観と切り口で記される文章に、栄利子は癒されるのだ。その「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らしているが、実は家族を捨て出て行った母親と、実家で傲慢なほど「自分からは何もしない」でいる父親について深い屈託を抱えていた。
偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子はある日カフェで出会う。同性の友達がいないという共通のコンプレックスもあって、二人は急速に親しくなってゆく。ブロガーと愛読者……そこから理想の友人関係が始まるように互いに思えたが、翔子が数日間ブログの更新をしなかったことが原因で、二人の関係は思わぬ方向へ進んでゆく……。

 

ざっくり言うと、「ヤバい女」と「ヤバい女に狙われた実は闇を抱える女」の物語って感じです。

 

 

昼ドラ鑑賞的な、ネットウォッチャー的な読書

私の中では、読書っていうのは2パターンあって。

1つは、学びの為に読んだり、深い考察をしながら読んだりする、頭を使う読書。

そしてもう1つは、頭を使わない感じで、昼ドラ鑑賞をしたりマンガ読んだり「うわぁこんなヤベー奴がいるのねグフフ」みたいなネットウォッチャーみたいな感覚で楽しむ読書。

 

今回の本は後者的な感じで読みました。

とにかく「え?そう来る?」みたいな感じになるんですよね、ヤバい女の方が。

 

小説の良いところって、ドラマや映画などの映像ではそこまで表現できないであろう、「心の声」みたいなのがふんだんに表現できるところだなぁと改めて思った。

・・・というくらい、とにかく発言の裏に隠れた「心の声」がヤバい。

そのヤバさが面白くて、ガーっと読んでしまいました。

 

 

「~なら、~でなければいけない」は、しんどい

ですので、特に深い感想とかはなくて、「面白くてガーっと読めました」って感じで終わったんだけれども、1つ思ったのが「~でなければいけない」っていうのに縛られると、人生しんどくなるんだろうな、ということ。

 

「女子なら(男子なら)、同性の友達はいなければいけない」

「友達なら、何でも話さなければいけない」

「親友なら、全てにおいて理解し合わなければいけない」

「独身女性なら、美しく着飾らないといけない」

「母親なら、周りから”いいママ”だと思われなければいけない」

 

そうやって、「~でなければいけない」を全てクリアすると、完璧な人間像が出てくるんだけれども、でも完璧でいようとすればするほど、「そうではない部分」っていうのが浮き彫りになって、「なぜこの1点だけはどうしようもならないのだ」となってしまう・・・

片方は、その「女友達がいなければいけない」をずっと気にしていて、どうにか解決したいと思っていて、もう片方はそういう事にとらわれない自分を演出していたのに「女友達ができるかもしれない」と思った瞬間にふと引っ張られてしまった。

 

それがこの小説の悲劇のきっかけなのだ。

 

「女友達がいない」なんて、正直どうでもよくない?

いなければいないで、一人で過ごせばいいし、いなくても生きていける。

むしろ女友達に依存しまくっている女なんて、30近くなってライフステージがそれぞれ変わってきて、なかなか会えなくなってくるとわりと危機に陥るぞ?

 

私の友人の中で「既婚者は私の敵で独身は私の味方、彼氏が出来ても遊べなくなるから嫌」みたいな拗らせ方をした人が1人いるんだけれども、まぁ大変よ?

その子の前で色気づいた話は出来ないし、かといって彼氏できていたことを隠していたら裏切られたと騒ぎ出すし、距離を置こうとしても逃さないし・・・仲良くしていると自動的に独身シングル生活が続くみたいな感じになる。

面白い子だし情に熱いから、普通に付き合う分には楽しいんだけれども、私は既婚子持ちなのでもう遊んでもらえない(し、それもまぁ仕方がないなと思う)。

 

 

他人は思い通りにならないのよ

話は少しそれるけれども、他人なんて自分の思う通りのシナリオ通りに動くことなんて100%ないんだから、仮にそうしようと思った瞬間に「相手を完全に支配しなければ」ってなっちゃうのよね。

この小説はすごく極端な例だけれども、たとえば「0歳の子供が言う事を聞かない」みたいに怒り狂う人ってちらほらいて、そういうのって「物事は自分の思い通りになる」と心のどこかで思っているのだろうなと思う。

 

・・・ということを最近すごく思っている。

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話は戻って、「女友達がいないなんて、普通じゃない」っていう声なんて気にしなければいいのになと思う。

でも、「気にしない」と思えば思うほど、気になるって言うのが人間なんだろうな。

 

かといって「女友達が多い人が普通か」というとそうじゃなかったりするし、とんでもないキャラが出て来たりもした。

そこがなかなか面白い。

 

我々は、社会で生きる上で何に縛られているのだろうか?なんてことを考えながら、「えええっ!?そう来たかぁー!」の波状攻撃を受ける、わりと刺激的な読書体験でした。

 

 

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