ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

「それ」と「お気持ち」とは別問題


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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

某月某日、私は田舎の道の駅的なところの飲食店で、かき揚げそば(温)を食べていました。

夏でもホットコーヒーな私は、夏でも温かい蕎麦です。

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・・・いや、蕎麦は冷たいのを頼むこともあるな、それは気分で変わる。

 

そこはフードコートよりも少しだけ敷居が上がった雰囲気で、平日の昼はあまりお客さんがおらず、ちらほらと社員食堂代わりに利用しているサラリーマンとおぼしき人達がいました。

私もその一人。

 

そこで、話をしている男性2人組の声が聞こえてきました。

 

 

海外帰り、実家暮らし

よく喋っている方の男性は、40代くらいでしょうか?

中肉中背を超えて、少々贅肉が多めな身体に色褪せたカーキのTシャツをまとって、髪の毛は癖毛を生かしたナチュラル・・・というかボサボサな感じ。

 

話の端々をまとめていくと、どうやらオーストラリアに5年くらいいて、帰ってきたばかりのようです。

 

帰ってきてから(行く前から?)日本のスーパー銭湯のサウナにはまったようで、時間があればスーパー銭湯に行っている、と。

 

どこのサウナがいいと言うサウナ談義を繰り広げた後に、オーストラリアから帰ってきて実家暮らしをしていて、お母さんが自分の洗濯物を洗おうとしてくれるのがウザい、もう子供じゃないんだから、みたいな話になっていきました。

相槌を打っていたもう一人の男性が、少しずつ静かになってきたのは、気のせいでしょうか・・・

 

 

まさかの展開に

やがて、そんな愚痴話を遮るように、もう一人の男性が話を切り出しました。

 

「わかるよ、その気持ちも。でも、お前、お母さんからお金貸してもらってるんだろ?」

 

ええええー!?

しかも、起業のため、とかの名目で借りているらしい。

海外に行って何かを仕入れてきて、日本で売る、みたいな商売をしたいとか何とか・・・

そうなってくると、話は違ってくるよね。

お母さんからしたら、まだ親からの金銭的援助が必要な子供扱いになるし、洗濯だってやってあげたくなっちゃうかもしれないし、色々と生活態度に口出したくなるだろうし、サウナに入り浸って1日中整えていたら「仕事しろ」って言いたくなるだろうし・・・

 

「俺は、兄さんみたいに海外に行ったり、そこで暮らしたりなんて出来ないよ?それはすごいよ。でも、今は母さんにお金を借りているんだ?どうにかして早く返した方がいいと思うよ」

そうか、この男性2人は兄弟か。

お母さんからお金を借りているのは、お兄さんで、弟さんは堅実な仕事をしている感じ。

兄さんはいつまでも夢を見てお母さんにパラサイトしながらフラフラ夢を追いかけていて、弟さんはそんな状況をどうにかさせたがっている。

 

 

お金を借りる側の理屈

ダメ兄貴は、弟さんが一生懸命言葉を選びながら話しているのを聞きながら、だんだん顔が真っ赤になってきました。

 

「お前は、俺の気持ちなんてちっともわかってくれない。俺が、何年もコロナで帰れなくて、どんな思いをしてたか!」

 

お気持ち、出たーーー!!!

 

「それとこれとは別だろ?だからってお金を借りているくせに仕事が進んでいないのは問題だよ」

「このコロナ禍で!仕入れに行けない状態なんだから!しょうがないじゃん!じゃあどうすればいいんだよ!」

 

・・・その輸入業で起業するのをやめればいいのでは?

 

と、私は思いましたし、きっと弟さんも思ったでしょう。

 

しかし、兄貴の方はとにかく「俺は苦労してきた」「俺は頑張っている」「だから、俺をいたわってくれるのもお金を貸してくれるのも家族なら当たり前」とヒートアップしながらまくし立てていました。

 

なんだろう、話が全然噛み合っていない。

 

兄からすれば、自分が海外で1人苦労したのをねぎらってほしい、が強くて、大人になってから親に金銭的に援助してもらったり実家に住み続けているのは、「大変な目に遭ったんだから当然」くらいの感覚で。

弟からすれば、大変だったのはわかるけど、だからと言って良い年した大人が当たり前のようにお金を借りるのはおかしい、なんだよな。

私も弟さんと同意見で、心のなかで頭を縦にブンブンさせながら髪の毛を振り回しました。

 

 

与えられて当然?

ここで私は次のアポがあるので店を出たのだけれども、店を出るまで兄弟の会話は平行線のままでした。

与えられて当然だと思っている人と、与えられることは当然ではないと思う人・・・この辺って色々なシーンで見られるなぁ、と思いました。

 

あのお兄さんの方は、私よりも年上っぽかったけど、一体何歳なのだろう?

それまでどんな人生を歩んできて、5年も海外生活をして、無一文で帰ってきたんだろう?

「もしかしたらすごい事情があったのかもしれない」とも思うんだけど、あんなにムキになって、「俺は大変だったんだ!」と言われると、逆に何か後ろめたいことでもあったんじゃないか・・・とか思ってしまう。

 

 

「それ」と「お気持ち」とは別問題

何かあると、「私の気持ち」の問題に持っていこうとする人は、色々なところにいます。

「それは確かに正しいかもしれないけど、私の気持ちはそれを認められない」みたいな。

 

だいたいそういう時って、「それとこれとは別じゃない?」ってことが多いと思う。

今回の、お兄さんの言い分しかり。

 

だから、「お気持ち」で理論を超越して力技でエイヤッとねじ伏せようとする勢は、本当に困る。

 

 

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「それとこれとは別ですよね?」

頭の中でお兄さんと会話をしてみたけど、きっとヒートアップした彼には、何も伝わらないんだろうなぁ・・・と思ったのでした。

 

 

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