こんにちは、ドクダミ淑子です。
最近、こちらの本を読みました。
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どんな内容なの?
公式サイトによると、こんな内容です。
美人じゃない。立派な仕事じゃない。ちゃんとした結婚じゃない。居場所があるわけじゃない。メンタルが強いわけじゃない。普通じゃない。でも、それでいい。本書は、「人と違う」ことが生きづらさの理由にならない社会の実現を祈って、ブロガー・作家のはあちゅうが書き下ろした、とらわれずに生きるための幸福論です。普通ってなんだろう、幸せってなんだろう。あなたがそんなことを考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
著者を知らずに読むと「良い事を言っている」のかもしれない
私は、はあちゅうさんのあんな事やこんな事を色々と読んで聞いて、色々と書いているので、「あなたがそれ言っちゃう?」「こう書いているけど、実際出来てませんよね?」とツッコミを入れながら読んでしまいたくなるのですが、もしかしたら、著者の今までのあれやこれやを全く知らずに読んだら、「良い事を言っている」「元気になる!」と思うのかもしれません。
私は"活躍"というのは、小さなコミュニティで感謝を集めることの積み重ねでいいんじゃないかと思います。
<中略>そして、小さな信頼をためるというのは、目の前の仕事や相手を大切にすることから始まります。*1
こんな感じで、「世間一般には良いとされていること」に対して、「そうじゃなくてもいいと思う」と書いているのがこの本です。
「誰からも認められる仕事」「社交的であること」「誰もが羨む理想の人」「素敵な自分」「大それたことをする人」・・・こういったことに対して、「一般的にはこうかもしれないけど、私はそうじゃなくて、こういう考えを持っている」と綴られています。
他人サゲが、やっぱり気になる
・・・と思ったのですが、でもやっぱり気になることはありました。
それは「他人に色々と求めがち」「他人の悪い例を出しがち」というところ。
例えば、家事代行さんや宅配便の方やタクシー運転手さんに対して、「私が求めていないことをやってくるのはプロではない」みたいなことで1話使ったり*2、自分自身の誹謗中傷には敏感なインスタグラマーが恋愛リアリティーショーの感想をボコボコに書いているのを見て「人は他人のことに対しては無神経になれるのだ」と気づいたとか*3、
自分がオススメの商品についてつぶやいた時に「ステマですか?」と疑う人については「誰かの言葉や行動に常に裏があるのではないかと疑う人、人は利益がないと動かないと思いこんでいる人、何かにつけ損得で考える人、常に誰かに騙されているのではないかと疑いながら人生を送っている人……。」と突然長文でディスり始めるところ*4や、他の話は2~4ページくらいなのに、「アンチコメントを見ないほうがいい理由」は突然7ページになるところとかに、「ああ、やっぱり、はあちゅうさんらしさが溢れる本だな」と思った。
書いていることが身についていないのはなぜなのか?
そんな中、読んでいるうちに気になってきたことがあります。
「ここに書かれている事、今は実行できていなくない?」ということです。
先ほどの「アンチコメントを見ない」についても、見ていないなら裁判なんて起こしているわけありません(自分が見ていないのに代理人が勝手に見つけて裁判しているなら別だが、それはそれで問題)。
私は、見たら影響されてしまうから「見ない」を徹底しています。
SNSを見るときの私のルールは「心の栄養になるものを見て、毒になるものは摂取しない」。*5
メンタルを守るためには、批判はもちろん、ちやほやしてくれる声にも一線を画して、他人の声でいちいち一喜一憂しないことです。*6
「ぼんやりした日々」とか、「何をやっても満たされない」とか書いちゃっていますが、本ではそんな未来の自分なんて想像できないくらい、キラキラなコメントを書いています。
でも、好きなことをお金に換えて、自由に働ける環境を手に入れた私は、今、最高に幸せです。少なくとも、会社員時代のようにふとしたスキマ時間に、「私は本当は何をしたいんだろう?」とモヤモヤすることは今はありません。*7
今よりもいい未来にいるのが、もっともっと、と求め続ける自分なら、たとえ環境がよくなっていても今と同じ、不満だらけの日常にいることに変わりはないのです。
そこから一歩踏み出して、どうなりたいかを具体的にイメージすることから、人生って理想の方向に動き出すんだと思います。*8
ここに書かれていることを、今の彼女が実践できていないようにしか見えないのはなぜか?
・・・その答えは、全く違う一冊を読んでいる時に、浮かんできました。
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図書館でフラフラする子どもを見ながらパッと手に取ったシリーズです。
機会があればまとめたいのですが、この本に書かれている仕事術って、著者自身が考えて考えて、色々な方法を試して、試行錯誤しながらやってきた結果が書かれているんですよね。
だから、細かい道具や進め方は変わるかもしれないけれども、根幹の考え方は変わらない。
・・・というのが、はあちゅうさんの著書にはないのだな、と思った。
彼女の場合、「自分はこうやってきて、自分のスタイルはこれです!」で書いているのではなく、「今の自分はこうだけれども、今思う理想はこんな感じ~」を書いているように見えるのです。
「理想」だから、状況が変われば変わるし、いざ思い描いていた理想のスタイルをやってみても「思っていたのと違う」って感じてしまうかもしれない。
あれこれ書いていますが、つまり、定まっていないのです。
「どうなりたいかを具体的にイメージ」が、出来ていない。
イメージ出来ているのかもしれないけれども、それを実践したり、本当の意味で「身に着ける」ができていない。
・・・そんなことを、感じました。
とらわれながら生きている人の幸福論
きっと、はあちゅうさんのことをあまりよく知らないで、内向的で、コミュニケーションが苦手で、でも「キラキラしながら」「人生を輝かせて」「活躍したい」と思っている、10代後半~20代くらいの子には、とても心に残る本になると思います。
ただ、心を輝かせながら読んだら、現在のはあちゅうさんに触れることはオススメできません。
いまだにスクールカーストだの陰キャだの言っていて、「とらわれながら生きている人の幸福論じゃないか?」と思ってしまうだろうから。
余談ですが、普段収納スペースの関係上、読んだ本はすぐにメルカリで手放してしまうのですが、こちらの本は手元に残しておこうと思います。
今のはあちゅうさんに、伝えたい言葉が沢山あるから。
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