ドクダミ自由帳

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ジョブホッパーについて人材業界から思うこと

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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

「ジョブホッパー」てご存じでしょうか?

 

「ジョブをホップする人」ですね。

・・・もう少しわかりやすく言うと、仕事をまるで飛び跳ねるのようにポンポンと変える人のことを言います。

 

今回は、そんなジョブホッパーについてのお話を。

 

 

ジョブホッパーは嫌われがち

「いやぁ・・・ちょっと転職歴が多い人でさぁ・・・」

 

お客様に効果を聞くと、こんな回答が出てくる時があります。

 

「だってさぁ、大卒で、28歳でウチが4社目だよ?ちょっと多すぎない?」

「確かに多いですね、大体2年くらいで転職している感じですね」

「そういう子はさぁ、うちに入ってもすぐ辞めちゃうんじゃないの?だから採用できないよ」

「そうですねぇ・・・」

 

中途採用のお手伝いをしていると、こんなシーンに遭遇することがあります。

中には、30~40代で職歴が書ききれないほどになっていることも。

 

2~3年で職場を変える、ジョブホッパーは、それだけで敬遠されてしまうこともあるのです。

 

 

ジョブホッパーはどうやって生まれるのか?

とはいえ、今は終身雇用でもなんでもない世の中。

転職は別に特別なものではありません。

 

「転職が特別なものではない」からこそ、ジョブホッパーが誕生してしまうのです。

 

以前にも書きましたが、20代・いわゆる第二新卒と言われる世代の転職は、結構簡単にできます。

「若さ」という武器を企業側も求めていることが多いからです。 

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でもそこで、「簡単に転職できてしまった」というところから、ジョブホッパーが始まるケースが多いのではないかと思うのです。

思った以上に簡単に転職できた会社で、仕事おや待遇などの不満があれば、次も簡単に転職できるだろうと思って辞めてしまう。

 

その繰り返しをしていると、実はどんどんそういう人を求める会社の数は少なくなります。

 

最初の段階では、「若ければOK、新卒で入った会社をすぐ辞めてもOK」でしたが、そのうち、「30歳までならOK」「転職歴が○回までならOK」「このスキルがあればOK」とハードルがどんどん上がってきます。

本人は気づかないうちに、「25歳→27歳」「転職歴1回→2回」と年齢と職歴が増え、それに対して「OK」を出す会社が減り、「NG」を出す会社が増えてきます。

 

そして、「OK」を出す会社のブラック企業である割合はどんどん上がってきます。

「どうせ社員は使い捨てだから、どんな人でも入社してもらおう」と考えている企業しか残らなくなってくるのです。

そして、そういう会社で長く働くことは難しいです。

そうなると、更に転職歴に+1回が追加され、書類審査で通る会社も面接で通る会社もどんどん減ってきます。

 

そうやって、ジョブホッパーはジョブホッピングを続けざるを得ない状況に追い込まれるのです。

 

 

ジョブホッパーでも良い人はいる?

とはいえ、昔の私は「転職歴が多い人でも、その人の人柄を見てください!」と熱く語っていました。

今でも、書類で落とすのではなく、面接で判断してほしいなぁと思っています。

 

でも、なかなか難しいということも、わかってきてしまいました。

 

「ドクダミさんがアドバイスしてくれたし、その人も『心を入れ替えて頑張ります!』って言っていたから採用したよ」と言う人もいましたが、1年以内に「辞めた」と報告が来る・・・ということが何度もありました。

「入社したときには良い感じだったのに、ちょっとつまずくとそこからガタガタっと崩れてしまって、そのまま退職したよ」ということが多いのです、私の経験上だけど。

 

なんだろう?

「辞めグセ」って言うのが本当にあるのかな?と思ってしまうのです。

 

 

一定期間働くことには、意味があると思う

「とりあえず3年は働く」って、古い考え方だと言われるかもしれません。

社会を知らなかった学生が就活して入社した企業、つまり新卒入社した企業が失敗だと感じることはあるかもしれない。

だけど、2社目に入るところは、その言い訳も通用しないし、その会社をまた短期間で辞めるか辞めないかって、結構その後の人生を左右する、重要なポイントになります(新卒で入る会社も大事だけどね)。

 

最近読んだ本*1でも、こんな文章がありました。

 

雇用してから2年くらいの時期は、雇用側からしたら育成が進んで「やっと稼げる人材に育ったかな」という期間です。そのため、2年以下で辞められたら、投資分を回収できず、企業側は人材採用部門が赤字になります。 

ジョブホッパーの大半は、自分の価値を過大評価して、転職を繰り返した結果、短い勤続年数で複数の企業を転々とするようになってしまった、という印象を受けます。

 

転職回数は気にされないといわれる外資系でも、短期間での離職を繰り返すということは低評価になるのです。

そりゃそうだよね、スキルが身についていないで転職しているってことだもの。

 

ジョブホッパーとみなされることは、マイナスの要素でしかありません。

特に、一般的な転職サービスを使って転職しようとする時は。

 

だから、くれぐれも、「ノリと勢い」「なんか良さそうなイメージ」「○○さんがオススメしていたから」みたいな安易な理由で、転職をしないでほしいなぁ・・・と、人材業界のはしくれで転職を支援しながら、思うのです。

 

 

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*1:『人生100年時代の稼ぎ方』勝間和代、久保明彦、和田裕美