こんにちは、ドクダミ淑子です。
少し前から、中野信子さんの本をちょこちょこと買っているのですが、今回はこんなのを買ってみました。
『努力不要論』
初版は2014年、5年前になるんですね。
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どんな内容なの?
公式サイトから紹介文を抜粋してみます。
- あなたが今している努力は、本当にあなたがしたいことなのか?
- 周りに流されてやってしまっているだけなのではないか?
- 身近な誰かに洗脳されてしまっているのではないか?
- 社会そのものに洗脳されているのではないか?
努力信仰は脳科学的にも歴史的にも、日本人にとってもっとも馴染みやすい幻想とのこと。
時折一歩引いて、上記のように問いなおす習慣のない人は、何十年もの時間が、他者のための無駄な努力に費やされ、自分のためにあるはずだった膨大な時間が搾取されていたのだということに、取り返しがつかなくなってから気づくことになると警鐘を鳴らします。近年、問題になっている「ブラック企業」が努力信仰が招いている象徴的な例であることは容易に想像がつきますが、それ以外にも努力信仰が招いた弊害として「少子化問題」についても吟味していきます。
社会がモヤモヤしていることを、脳科学で解説していく中野さんの本は好きなんだけど、その中で「努力」にフォーカスを当てた内容です。
無駄な努力ばかりしていない?
この本のはじめは、「ムダな努力」の話です。
例として出てきたのが、アラフォー婚活女子の自分磨きという「努力」は、結婚相手を見つけるという目的に合致していないのでムダだとバッサリします。
ここでは書きませんが、じゃあ婚活女子が本来すべきことっていうのがものすごく合理的で、そういうところが中野さんの好きなところなんだなと再確認しました。
そう、私も戦略なき努力は無駄だと思う派です。
家事とかも、頑張っているとか時間をかけているとかで「努力」しているという人多いけど、真の努力は、スムーズな家事を構築することだと思います。
真の努力とは
では、真の努力とはどのようなものを言うのでしょうか?
この本ではこのように定義します。
- 目的の設定
- 戦略の立案
- 実行
この3段階のプロセスを経て、ゴールが見えるルートをひたすら走るもの。
私はこれにもすごく納得しました。
もしかして、「こんなんじゃ努力をした気がしない」なんて思っている人もいるかもしれません。
でも、それは危険信号なのです。
「努力中毒」という危険
ここでは「努力中毒」という言い方をしていますが、努力信仰の危険性が沢山書かれています。
「自分はこれだけ正しいことをしたんだから、許される」と自分を甘やかす
「仕事をこれだけ頑張ったんだから、ちょっとくらいお酒を飲んで暴れてもいい」みたいに、自分の努力を正当化して逸脱行為に走る傾向もあるという例がありました。
勤勉・誠実な人ほど、人と自分を比べて不条理を感じてしまう
「自分はこれだけ努力しているのに、ちょっとイケメンだからって売上成績が良くてずるい」とかですね。
努力したけれども東大に入れなかった優等生の「東大コンプレックス」とかもこれの一種でしょう。
努力家・叩き上げほど他人を潰しがち
これもわかる。
たたき上げ・営業一筋何十年の人の方が、新人営業マンに冷たかったり「君にはもっと苦しんでもらわなきゃな」とか言っちゃったり、女性管理職の方が女性を潰しにかかったりね。
「自信のなさや不満感を自分で上手に処理できていない」と指摘していますが、まさにその通り。
「努力」している自分に酔わないように
この本を読んで思い浮かんだのが、私が今通っているジムの話です。
私はできるだけ、「努力した=痩せた」と自分の中で結びつけないこと、ここに努力をしています。
「努力した=苦しんだ=痩せた」って認識になると、「苦しみたくない=努力したくない=痩せなくてもいい」ってなるからです。
あとは、「努力したんだから、ちょっとぐらい食べてもいい」ともなりそう。
RIZAPなんていい例で、努力して辛い思いをしてめっちゃくちゃ痩せても、もうその努力がしたくないって思ったら「リバウンドしてもいいや」ってなるのではないでしょうか?
努力っていうのは、「こんなに頑張ったんだから」「これだけ頑張らないと」と人の心を縛るもの。
だから私は、努力しないでジムに通えるようにするし、やりたくないって気分の時には難易度を落としたクラスに変えたり、それでもやる気が出ない時には休む。
そんな風にして「楽しい」と思いながら、月の半分以上通っています。
まだ痩せてないけど。
他人と比べず、正しい努力をしよう
日本人は色々な観点から、努力に酔いやすく、出る杭を打ちたくなる人種のようです。
それは脳科学的にも説明できる。
だからこそ、私たちはそういう日本人ならではの思考パターンを理解し、それを踏まえた上で正しい努力をしたほうがいいと思うのです。
この本の中では、「子連れや妊婦さんに厳しい世間」や「格差を叫び人々を誘導する人」についても意見が書かれていて、それもまた興味深く読んだので、いつかまた別の日に紹介したいと思います。
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