こんにちは、ドクダミ淑子です。
私の行動範囲には「ブックポスト」みたいなものがあります。
読まなくなった本を入れて、誰もが自由に持っていけるようにしている本棚。
一昔前のベストセラー、高齢者が好きそうなジャンル、図書館がリサイクル書籍として放流したりしたものもある。
私は、基本は新刊で買ってメルカリで売る派なのですが、メルカリでずっと売れない本はここに持って行ったりもしています。
結構繁盛しているようで「あ、いいな。今度借りていこうかな」と思ったら次の日にはなかったりもする。
なので、「読んでみたい!」とピンと来たらすぐに手に取らないといけない。
そんな、一期一会空間なのです。
・・・ということで今回は、その本棚からお借りしたこちらの本の感想をお送りします。
どんな内容なの?
公式サイトによると、こんな内容です。
妊娠・出産・育児の“どうしよう”をとことん考えてみました
「子ども欲しいけど、実際どうなの?」。人気コラムニストが育児体験者の話を聞いて考える「出産・育児」のリアル。母親の本音炸裂!
目次はこんな感じ(抜粋)。
第一章 私、子ども、欲しいかもしれない
- 私、子ども、欲しいかもしれない
- 子どものいない友人たちに話を聞いてみた
- 実際のところ仕事復帰と保育園問題はどんな感じなのだろう
- 出産後もすぐ働きたいけど、子育てサービスってどこまで使えるの!?
- 会社復帰したら、仕事が暇すぎて死ぬ
- 子ども産んだあと、夫との関係ってどうなる?
- 子どもと親の人生は別なんだと、友達に教えてもらった
第二章 私、妊娠したけど、どうしよう
第三章 色々な人の話を聞いて、子どもを産むことをもっと考えたい
- 子どもを持たない人生について知りたい
「専業主婦」について知りたい - 同性愛の人はどんなふうに子育てをしているのか知りたい
第四章 私、子ども産んだけどどうしよう
第二章と第四章は犬山さんの体験談、その他は他の人へのインタビューをしながら考えていくというような構成になっている。
子どもを産むことについて悩みながら、それを考えつくす前に子どもが出来てしまって、子どもを産む未来が確定しながらも、まだ考えていく。
そして子どもが生まれた後も、まだ考えることを止めない。
まぁまぁ「面倒くさい人間」なんだろうけれども、私はその面倒くささが好きだと思った。
アレとの比較をしますと
私がこういう、妊娠・出産エッセイを読むときは、どうしてもコレと比べてしまう。
犬山さんも、どちらかというと、「なぜ妊娠とはこんなにつらいのか」みたいなことを語るタイプの妊婦ではあった。
フリーランスで、大きな仕事を妊娠・出産を理由に降りたりしていて、悔しい思いをしたこともあったと書かれていました。
あと、印象に残っているのは「スウィートマミー」の話。
マタニティウェアを見ていると、「スウィートマミー」というブランドに辿り着き、それがフリルやレースが多いガーリーなブランドで、それを見ていると妊婦というだけで十把一絡げにされたような気持ちになる・・・みたいな文章があった。*1
そんな感じで、「妊婦としての自分」と「自分らしい自分」と・・・みたいな間で揺れる様子は、はあちゅうさんと似たようなものを感じた。
でも、それでいて私がこの本は割と楽しく読めたのは、そんな中でも「私!私!世界で一番大変なの私!」みたいな感じにならずに、「大変だけれども、このことを他の人に聞いてみよう」と思うようなポジティブさと、その中でも子どもや夫への愛情を感じる描写が沢山あったからだと思う。
逆を言うと、本当に『子供がずっと~』の方は、そういう描写がほとんどなかったのだ。
迷っている人も、選択を肯定してほしい人も
最後に。
これは、「ブックポスト」みたいなところから借りてきたと書いたけれども、借りてきた時から紙が1枚挟まっていた。
迷っている人も、選択を肯定してほしい人も、読んでよかったと思えると思います。
ブックポストって、こういうところが良いな、と思った。
誰かが読んで、その読んだ気持ちをシェアしたい、こういう悩みを持っている人に読んで欲しい・・・そういう気持ちも一緒に届けられる。
私はなぜこの本を手に取ったか、よくわからないけれども、「子どもを育てること」に改めて向き合っている自分にとって、このカードの言葉はささった。
子どもを持たない選択をした人も、子どもを持つ選択をした人も、迷っている人も、自分の選択が正しいのか不安な人も・・・「子どもを持つ」という問題と直面している人だれもに、寄り添ってくれる1冊だと思いました。
こちらもどうぞ
*1:スウィートマミーは、「マタニティウェア=ダサくても仕方ない」みたいなののアンチテーゼとして、もともとガーリー服が好きな方が妊婦になっても可愛い服を着たい、みたいなコンセプトだったと記憶している。なので犬山さんの「妊婦になったらガーリーな服を着ろ」は完全な思い込みであることをここに記しておく。