こんにちは、ドクダミ淑子です。
私は仕事で色々な企業を訪問しています。
従業員数5人くらいのところから、数万人規模のところまで。
業種も様々で、「ああ、昔ヤンチャしていたんだろうな(っていうか今もヤンチャしてそうだな)」というオラついた方々がいる会社から、礼儀正しくてこちらが恐縮しちゃうような会社まで。
その中でも、これを書いている日は理系の人たちが調査・研究活動に尽力しているような、研究施設に行ってきました。
異世界に住む、理系の人たち
私はそういうところに行くと、いつも「異世界」を感じます。
だだっ広い敷地に、デデーンと大きな研究棟がいくつも建っていて、敷地内を車で移動するほど広くて、そこを自転車で移動したりしている人もいる。
作業服を着て、IDカードを首から下げた人たちが、速くもなく遅くもない落ち着いた足取りで歩いている。
皆、右側通行(もしくは左側通行)を守り、ドタバタ走る人なんていない。
昼休みには食堂で昼食を取り、昼休みの合間に運動したりして、また仕事に戻る。
そしてだいたい定時になったら仕事を終え、バスや自動車に乗って帰宅する。
担当者の名刺には「技術士」「技師」「博士」みたいな肩書もついていて、皆さん落ち着いて、礼儀正しい。
筋道を立てデータをもとに話せば、大体の話は通じる人ばかりで、「いつまでに何をする」と決めると、必ずそれを守ってくれる。
「期日を守る」とかって当たり前と言ったら当たり前なんだけれども、私が普段勤めている会社もそのへんが出来ない人も多いし、取引先にも「ごめーん、忘れてたわ」みたいな感じの人も結構多かったりするから、そのギャップに少しうろたえることがある。
今日も別のクライアントに「お支払いがまだなんですけれども・・・(って言うのも2回目だが)」っていう電話をかけて、「あれ?そうでしたっけ?」みたいなやりとりをした。
そういう、しっかりした人達が、自分の専門分野の知見を活かしながらしっかりとした仕事をしているのを見ると、こういうことの積み重ねが日本の科学や技術の発展につながっているのだろうな・・・と思う。
しっかりした人達のこれまでの人生を想像してしまう
・・・んだけれども、そういう研究所で仕事をしているおじさんたちと会話をしていると、この人達は今までどういう人生を歩んできて、普段はどういう生活をしているんだろう?なんてことを考えてしまうことがある。
たぶん、理系の大学(国公立が多い気がする)を出て、大学院まで行って、そのままこの会社に就職して、その会社の着実かつ正確な仕事の進め方を学び、そのまま20年以上働いているのだろう。
大学時代に付き合っている人がいればその人と結婚し、付き合っている人がいなければ職場の事務員さんや、上司が紹介してくれた人と結婚したり、そういうのをスルーしていたら気づけば独身貴族と呼ばれるような感じになっていくのだろう。
最近だったら、同僚に薦められてマッチングアプリとか使っているかもしれない。
とにかく、普段ドタバタと生きている私と違う世界の住人なんだろうな、という気持ちになるのだ。
安定感の源とは
こういう安定感がすさまじい人達と接していると、なぜ日本全体がこのクオリティ、仕事をじっくり着実に正確にとやっていかないのだろうか?と思うことがある。
皆が皆、この仕事の進め方でやっていけばいいのでは?なんて思うけれども、きっとそれは無理なのだ。
彼らには、豊富な知識があり、技術力があり、それらを組み合わせることが「他社との差別化」になっている。
だから、我々のように、少々雑でもスピード感が勝負!みたいな世界で生きているのではないのだ。
むしろスピード感を持ってやったとしても、それが正確ではなかったら意味がない。
要するに、住む世界が違うのだ。
「あの世界」に入れたら安泰なんだろうな
私はうっかり者なので、そういう世界に住むことはできないんだけれども、特に理系で、研究を極めたいみたいな気持ちがある人は新卒でするっと入ってしまったらきっと幸せになれるんだろうなと思う。
そのためには、大学での研究内容や学んできたことが重要になってくるんだろうけれども。
Twitterなんかでは「JTC」とか言って年功序列・ミスなく着実にみたいな会社が小馬鹿にされたりもしているのを見かけるけど、そういう体質でも生き残っていけるってことは、何かしらの強みがあるからなんだよなぁ・・・と思う。
それは、その会社の「優れた点」が見えていないからかもしれないし、末端にいるとそれどころではないって感じなのかもしれないけど。
そんなことを、駅から1時間に2本くらいずつ出ている施設への直行バスに乗りながら、考えている。
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