こんにちは、ドクダミ淑子です。
新卒1年目の時のことを、ふと思い出しました。
私は2008年に新卒で営業として入社しました。
「企画営業」というキラキラ風の職種なんですけれども、なんのことない、飛び込みテレアポ三昧のただのブラック企業の営業です。
ただ、私の1つ上の代、2007年入社の先輩方が、1年以内に半分になってしまったという事件があり、1年後に入社した私は、「辞められたら困るから、とりあえずアシスタントとして先輩のサポートから入ってもらおう」となったんですね。
だから、最初の9ヶ月は時々テレアポや飛び込みはしましたが、主に先輩のお手伝いをしていました。
そのお手伝いというのが・・・めちゃくちゃつまらなかったんですね。
- 写真を1枚、いつもと同じアングルで撮ってくる
- 会社所在地に行き、その会社が存在しているかどうかを確認してくる
- 契約書を回収しに行く
もちろん、「この仕事がきっと大きい仕事に繋がっているはずだ」とか思ってやっていたんですが、でも、もともとやる「営業」の仕事とは全然違ったからギャップを感じていました。
むしろ、「飛び込みでもテレアポでもいい、そっちの方が仕事につながる!」とか思っていたんですね。
そんな鼻息荒い私は、ある日留年して5年生に進学した友人に、電話で愚痴ったのです。
「もっとちゃんと仕事がしたい!」みたいな内容だったと思います。
そうしたら、友人はこう言ったのです。
「そういう風に、仕事をしたいと思っている人がいるということは素晴らしい事だよ。それだけで会社の財産だと思うし、淑子を燻ぶらせているのは勿体ないと思う。」
「仕事がしたい」と思えるのは素晴らしい
実際は、2年目以降本格的に一人で営業し始めたら、だいぶヤバい人間だということが露呈し、自分で「会社の財産」になれたと思えたのはそこからずいぶん先のことなのですが。
それでも、友人の「仕事がしたいと思う気持ちがあるだけで素晴らしい」は、私を前向きな気持ちにさせてくれました。
・・・ということを、男女差別反対を掲げつつ、男性の育休推進と家事育児の完全折半が出来ていない世の中を投げているアカウントを眺めていて、思い出しました。
「子どもがいても育児を理由にキャリアを諦めることなく、育休前と同じ水準で仕事がしたい」って思っているってことなんでしょ?
素晴らしいことじゃないか。
うん、その気持ちがあるってだけで、素晴らしい。
私なんて新卒の時は鼻息荒く「仕事したい!」って言っていたけれども、いざ本格的に働いてみたら10年くらいで「もう結構です」「ペースダウンしよう」って思って実際にペースダウンして、妊娠する前は「もう惰性で仕事してますわ、惰性でやっても数字は入るけどな、ガハハ」って感じになっていたもんな。
そして今や、「育休から戻れる気がしない」とか言っちゃってる。
仕事と家庭の両立=「よくばり」、の件
さてさて、そんなことを考えている時に、ネットでは広島県のハローワークが「働く女性応援よくばりハンドブック」を配布し、その内容・・・というか「よくばり」という言葉が色々な人の心に引っ掛かり、その結果炎上していました。
「よくばり」っていうと、イメージがすごく悪いよね。
「必要以上のものを欲しがる」とか、「がめつい」とか、そういう意味合いに聞こえるし。
「ビックマックも食べたいけれども、てりやきマックもトリチも食べたいしポテトはLがいいしナゲットも欲しい。ついでにナゲットはバーベキューソースとマスタードどちらも2個ずつ欲しい」みたいな。
本来なら「どっちかにしなさい!」って言われるものを、「両方欲しい!」っていったらそりゃ、「よくばり」だけど、仕事と家庭はどっちかにしなければいけないものじゃないからね、そりゃ引っ掛かる人もいるでしょう。
私は、そこまでカーっとならなかったけどね。
「仕事と介護の両立を”よくばり”っていう人達なんだから、私と違う感覚の人なんだろうな」と思ってしまった。
私にはどこからどう考えても、介護をしながら仕事をすることを「よくばり」とは言えないから。
話は戻って。
この騒動で、私の友人の言葉が出てきたのです。
「なんで、働きたいという素晴らしい気持ちを持っている人をけなすような言い方をしてしまうんだろう」と。
そりゃ、「働きたい」だって色々な動機があると思いますよ。
多くの人は「生活のため」だと思うけど、中には「自己実現」みたいな人もいるだろうし、「社会とのつながり」を持ちたい人もいるかもしれない。
でも、動機はどうにしても「働きたい」という気持ちがあるだけで、会社にとって、社会にとっては素晴らしいことなんですよね。
そこを忘れてはいけない。
「働きたい」って気持ちは削いじゃいけないよね
そんなことを考えていたら、よく炎上している、男女平等ではない世の中について嘆きまくるキャリアカウンセラーの女性のことも、ちょっと「すごいな」という気持ちで見られるようになりました。
ただ、そのアプローチが「男性社会への怨嗟」みたいな感じになっているのが残念なだけで。
だから、そういう人に対して「子どものことをもっと見てあげた方がいい」とか、遠回しに「欲張るんじゃない、子育てに専念しろ」みたいなことを言っちゃうのは、よろしくないなと思った。
働きたい人は、ネグレクトとか虐待にならない範囲で、バンバン保育園でも活用して、働きたいだけ働けばいいじゃないか。
そして社会はそれを応援すべきだ。
・・・と、あまり働きたくない側の人間が思ったのでした*1。
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*1:だからといって、専業主婦がダメとかそういう話じゃないですよ、念のため