こんにちは、ドクダミ淑子です。
夫が子どもを見てくれる休日。
子ども用品の買い物のついでに、久しぶりに書店をぶらついていたら、パッと表紙が目についたので、こちらを購入しました。
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どんな内容なの?
公式サイトによると、こんな内容です。
ひとりの楽しさも、心地よさも知っている。
もう恋愛に振り回されたくない。
いや、ぶんぶん振り回されてみたい。
——行ったり来たりのわたしの心!恋愛なんてもう卒業。
花や草や虫を愛で、気の合う仲間を思い、心穏やかに暮らしていたい。
そう嘯きながらも、恋に恋する気持ちが捨てられない。
恋愛は甘く美しく、しかし時に猛毒ですらあることだってもちろん知っているというのに——
人と人との間で交わされる、恋と愛のエピソードを渉猟する日々を丹念に綴った、メレ山メレ子的恋愛フィールド雑記帳。穂村弘さんとの特別対談を収録!
メレ山メレ子さんは、平日は会社員をしながらブログを書き、本を出版している方です。
東大卒で昆虫好き。
・・・この情報だけでも、そそられる!
恋愛しないでも生きていけそうな人の恋愛ネタ
これは、あとがきにも書いてあったんだけど、私がこれを読んでいて心地良いなと思ったのは、なんだか自分に似たような雰囲気を感じたからです。
それは、「恋愛しないでも生きていけそうな人が恋愛を語っている」から。
このエッセイは、序盤は「まあ、アレ(恋愛)は過激だよね。別にそういうのも悪くないけどね」とか言いながら、遠巻きに、客観的に恋愛を語るところからスタートしていきます。
もうね、「恋愛してないと生きていけない!」って人の頭の中身に触れると、思考回路がバチッとショートしちゃうんですよ。
今の自分の心のキャパ的に。
でも、恋は止まらない
この本では、前半では恋愛から距離を置きつつ恋愛をネタにしたエッセイが綴られています。
ある時は友人知人から聞いた恋バナ、またある時は自分の過去の恋愛、そして時々虫や動物のネタ(著者は生き物大好き)が絡まるのです。
例えば、「フサヒゲサシガメがアリを誘って体液を吸う」とか、「普段は陸で無理やり生きているハゼが海で集まる」とか。
人間の営みが、生物で例えられるのがとても新鮮で、そして頭にその光景が思い浮かぶ・・・面白さ。
フサヒゲサシガメなんて、全く知らないのに。
この距離感がいいなぁと思っていたのですが、後半になるとそのスタンスがガラリと変わってくるのです。
そのきっかけも、サイチョウという鳥の話から。
それまで少しクールだった著者が、熱を帯びてくるのが、なかなか面白いのです。
さっき、「恋愛しないでも生きていけそうな人が恋愛を語っているのが心地よい」と書いたけど、「恋愛しないでも生きていけそうな人が恋愛して惑わされていく」のも、ドキドキして・・・それもまた良い。
夜道に転がる人生でありたい
もう一つ、「夜道に転がる」という話も面白かった。
女4人で飲んでいるときに、「夜って、まわりにだれもいないときに道に転がってみたりしますよね」と言いだして、その人ともう1人、計2人が夜道に転がる派だった時の話。
私も転がったことがない派なんだけど、確かに転がったことがないな・・・と考えさせられた。
いつか、チャンスを見つけて転がってみたい。
・・・って恋愛関係なくない?と思うかもしれませんが、これもちょっとしたスパイスとして、恋愛のエピソードが絡むのです。
本のジャケ買いは、思ってもいない出会いがある
私は書店をぶらぶらして、表紙でピンときたものを購入するのが、結構好きです。
今まで読んだことがない作家さんのものでも、表紙がかわいいなと思ったら、買っちゃう。
でもそれって、アリだと思うんですよね。
本の装丁(デザイン)って、その本の中身を読む前に、その本の雰囲気とかコンセプトとかを1面で伝えるものでしょ?
その1面が、自分の感性と共鳴するなら、買ってみる価値はあると思うんですよね。
・・・という今回のジャケ買い本。
私は、自分に近い雰囲気を(勝手に)感じる人を、見つけることができたのでした。
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