ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

正義のヒーロー願望をこじらせていないか

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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

誹謗中傷と戦う、自称日本一稼ぐ弁護士の方が、ひとり親の支援を始めるという話を目にしました。

もらえていない養育費を元配偶者から受けとるためのサービス(成功報酬は養育費4ヶ月分)のようですね。

「困っている人を助けたい」とか、「お金があるから余裕ができて自分の好きなことができる」など熱い想いを綴っていますが、色々と疑問が残ります。

成功報酬が養育費4ヶ月分ってことは、結局受け取られるとしても5ヶ月後・・・今まで養育費を払ってなかった人が、法的な手段を経たからといって、ちゃんと半年以上払い続けるのかしら?

お金があるアピールするのに、なぜお金持ちにとっての端金、困っている人からすると大金を取ろうとするの?

そして、そもそも養育費を払わないことについての理由をどう見ているのだろうか?

単に「お金があるけど出し渋っている」だけじゃないと思うんだけどなぁ・・・個々の事情が様々あると思うんですよね。

そういう「個々の事情」をきちんと踏まえて、動けるのだろうか?

 

今までの流れをウォッチしてきた側としては、「大丈夫か?」と心配になります。

 

それにしても・・・なぜ彼が、突然サービス内容を変え、今までのツイートを全消しして、新しい事業を始めたのでしょうか?

それを考えた時に、仮説として出てきたのが、2つ。

 

「正義の味方になりたい」

「ありがとうと言われたい」

 

ここから先は、この仮説を元に妄想してみましょう。

 

 

警官受験者の志望理由は

「正義の味方になりたい」で思い出す話があります。

 

「淑子ちゃん、ちょっと相談に乗ってくれないかしら?」

以前、実家の近所に住む、同級生のお母さんから頼まれたことがありました。

彼は大学を出て就職したものの、そこを辞めて今は警察官になるべく勉強しているそうです。

去年は学科試験は通ったけれども、面接で落ちてしまったので、面接のトレーニングをしてもらえないかという話でした。

面接で落ちるってどういうことだろう?と思いながらも、彼とまた別の同級生と飲みながら、面接の内容について詳しく聞きました。

 

その中で、彼から出てきた警官の志望理由はこんなものでした。

「かっこいいから」

 

ちょっと待て・・・

それが志望理由?

せめて、どこがどうかっこいいかぐらいは具体的に言ってみてよ・・・

 

「困っている人を助けたい」

「悪い人を捕まえたい」

 

それ以上具体的なことが1つも出てこないのです。

私は愕然としました。

なぜなら、当時私たちは20代後半だったからです。

警察官の仕事をこんな風に認識しているアラサーが面接に来たら、そりゃ落とすよなと納得してしまいました。

 

「警察官の仕事って、そんな正義のヒーローみたいなことだけじゃないと思うけど」

「じゃあどういう仕事なんだよ?」

なぜ知らずに応募するのだろうか・・・?

 

その後も色々な話をしたのですが、結局彼には何一つ伝わらないまま、その会はお開きになりました。

 

そんなことを、先ほどの弁護士の路線変更を知って思い出したのです。

もしかしたら彼も、弁護士という仕事を「悪い人を懲らしめる正義のヒーロー」みたいな風に認識しているんじゃないの?

 

 

ありがとうを貰いやすい仕事、貰いにくい仕事

どこかのブラック企業の社長が、「仕事とは、ありがとうを集めるということだ」という話をしていたのは有名な話ですが、私はそれはあながち間違いではないと思います。

今まで、仕事の中で色々な人に「仕事をやっていて楽しかった瞬間、嬉しかった瞬間」を聞いていますが、圧倒的に多く出てくるのは、誰かから「ありがとう」と言われたという話なのです。

それは、お客様・取引先・社内の人と様々ですが、営業成績トップを取ったとか、昇格したとか、そういう話よりも圧倒的に語る人が多いのです。

仕事をしていて誰かの役に立てた、感謝の言葉をもらえたというのは、働く人にとって原動力になるんだなと思っています。

 

ただ、「ありがとう」を貰いたい気持ちが暴走してしまうと、それはそれで問題で。

ありがとうが貰えないとストレスに感じてしまう、ありがとうが貰えない仕事には価値がないと思ってしまう・・・となると、仕事が滞ってしまうんですね。

その昔、休みがちな営業アシスタントに「私が久しぶりに出勤したのに喜んでくれない」と言われたことがありましたが、

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また、仕事の中には「ありがとう」と言われやすい仕事と、言われづらい仕事があります。

結果が出るスパンも仕事の内容によって違います。

 

以前、外資系保険会社の営業マンと話をした時に「私たちの商品の良さは死んだ時にしか分からない。死んだ本人からはありがとうと言われない」という話を聞いたことがありました。

なかなか結果が出ない仕事は、ありがとうが言われなくても自分で自分のモチベーションを保っていかなければいけないのです。

 

私が思うに、弁護士というのもなかなか「ありがとう」とは言われにくい職業なのかなと思います。

なかなかありがとうが言われづらい、でもありがとうと言われたい・・・だから、誰かを悪者にできる、困っている人を助ける正義の味方になれるようなビジネスを始めたのではないでしょうか?

 

 

正義のヒーローになりたいのは否定しないけれども

別に、「正義のヒーローになりたい」「ありがとうと言われたい」自体は、悪いことではありません。

ただ、仕事で実現したい願望と、実際の仕事内容は分けて考えないと、その行動は「自己満足のため」で終わってしまって、クライアントのためにはならなくなってしまうのです。

 

冒頭の彼がどういう考えで、ひとり親支援を始めたのかはわかりませんが、ふわっとした「正義のヒーロー」なんて願望でこんなセンシティブな領域にズカズカと踏み込むつもりならば、私には理解できませんし、許せませんね。

 

 

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