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転職エージェントは魔法使いではないのだ

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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

少し前に、転職エージェントについて、こんなツイートを見かけました。

 

 

人材業界で長年働く私としては、「まぁそういう人もいるよなぁ」という内容です。

でも、世間一般の方々はご存知ないのかもしれないことなのかもしれません。

 

そこで今回は、転職エージェントって何?を私の目線で書いていこうと思います。

 

 

転職エージェントのビジネスモデル

そもそも、転職エージェント(人材紹介)とはどういう商売なのでしょうか?

ざっくり書くと、採用活動はこんな流れになります。

 

企業側
  1. 求人票を出す
  2. 面接する
  3. 採用する

 

求職者側
  1. 転職相談をする
  2. 面接する
  3. 採用される

 

この、企業と求職者の間に立って、マッチングをするサービスになります。

 

1・2・3と、めちゃくちゃ雑に書きましたが、この間には色々なことを行っています。

企業側に対しては、打ち合わせをし、どういう人を求めるのか話をしたり、「この人どうですか?」と求職者を紹介したり、求人票の内容について提案したり、面接日程の調整をしたり、合否の確認をしたりします。

求職者に対して、面談をして登録をしてもらったり、企業を紹介したり、履歴書をチェックして相談に乗ったり、合否を伝えたり、内定承諾をするかどうかを確認したりします。

間に立つと、色々な板挟みがあるでしょうが、そこは商売なので頑張っていただくとして。

 

この流れでいつお金が発生するのか?というと、ただ1点、3.の「入社した時」だけなのです。

 

着手金0円、採用活動時0円、内定を出す時も0円・・・入社した時点で成功報酬が発生します。

逆に言うと、そこまでは1.2.をいくら頑張っても、売上が発生しないのです。

さらに、入社したとしても、半年以内に退職したときには、返金制度もあります。

だから、入社して、半年以上働いてもらって、初めて「売上が上がった」なのです。

 

 

転職エージェントの成功報酬(紹介料)の相場

着手金0円でいろいろやって、入社したら、大体「理論年収(想定年収)の30~35%」が紹介フィーとして支払われます。

つまり、 年収400万円の人を採用すると、紹介料として120~140万円くらいかかるのです。

つまり、10名紹介できたら、売上は1000万円超え!ですね。

しかし、1人も紹介できなかったら、売上は0円です。

 

そして、もう1つ。

この紹介フィーをどうやって高くするかというと、同じAさんに対して、「ウチは300万円かな」という会社と、「ウチは500万円出そう」という2社があったとしたら、Aさんには後者(年収500万円)をオススメして入社してもらうということになります。

同じ人でも、紹介する会社によってフィーが異なるんですね。

 

この要領でさらに。

「ウチは年収300万円だけど、5人採用するよ」という会社と、「ウチは500万円で1人」という会社があったら、今度は前者を沢山の人にオススメすると、売上が上がります。

 

 

転職エージェントで生きていくためには

転職エージェントとして生き抜いていくためには、「どんなに頑張ってもマッチングせず、売上0円」がないようにしなければいけません。

さらに、売上を上げていこうとなると、どの求職者にどの会社を紹介したら、マッチングするのだろうか?を考えつつ、企業のオーダー金額・想定される売上の大小・そして求職者の納得感を考えるのです。

難しい・・・けど、バランス感が大事なのです。

(バランス感を保つためにも、業務分担のためにも、企業担当と求職者担当を分けているところもありますね)

 

そのバランス感がないと、こういう人になります。

  • 求職者目線になりすぎて、いつまでも売上が立たない
  • 売上にならない仕事ばかりしてしまう
  • 求職者の望んでいない企業ばかり紹介する
  • 数字にならない求職者を邪険にする

 

 

企業側も転職エージェントについて誤解をしている

企業側も、エージェントに対してのイメージが少しずれているケースもあります。

 

エージェントは魔法使いだと思っている 

高額な紹介料を支払うので、転職エージェントというのはすごいサービスで、ピッタリの人を瞬時に探してくれる魔法使いだと思っている企業もいるのですが、そんなことはありません。

あくまでも登録者の中から探しますし、登録しに来る人は色々な人がいます。

登録者外から探してくるのは、ヘッドハンティングですが、この辺の差がわかっていない人が多い。

だから・・・魔法使いじゃないっつーの!

 

 

「高額な紹介料を出す価値」なんて考えてしまう

また、高額な紹介料を支払うので、なんとなく採用のハードルも上がっていることも多いです。

内定を出すタイミングで「この人に100万円以上払うのか・・・」と考え込んでしまう企業もいます。

だったら、最初から転職エージェントなんて使わなきゃいいのに・・・と思ってムカつきます。

 

 

転職エージェントは商売だけど・・・

転職エージェントは商売ではありますので、売上が無ければ事業としてやっていけないのはわかっています。

でも、人の人生を左右する仕事をしているからには、数字を追いかけるだけであってはいけないと思うのです。

 

 

数字のため、お金のために仕事をするとしても、人の心を忘れたらいけないよね。

転職エージェントの楽しさって、本当の意味で「マッチング」した瞬間にあるのだから。

 

 

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