ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

美容のために土に埋められた


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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

突然ですが、あなたは大人になってから埋められたことはありますか?

私はあります、しかも2回。

 

 

埋める美容法が存在する

「埋める」と聞いたときに、海水浴に行って、砂浜でウェーイと騒ぎながらふざけて誰かを埋めた話だと思った方もいるでしょう。

 

残念ながら、その話ではありません。

私はそう言ったパリピ勢とはあまり縁がない生き方をしてきましたし、あったとしても埋めている&埋められているパリピを眺める立場でした。

 

私が大人になってから2回埋められたのは、両方とも美容のためです。

「美容のために埋める」ということが、ありうるのです。

 

 

砂風呂という地獄

まず1回目に埋められたのは砂風呂を経験した時でした。

 

「砂風呂っていうのがあるみたい。やってみようよ!」

大学生の夏休み、女子4人レンタカー旅の計画を立てている時に、友人が探してきました。

 

「面白そうじゃん」

「すごい汗出るって書いてある!」

「痩せるかな?」

 

私達はわくわくしながら、現地へ向かいました。

 

「え?・・・ここ?」

「〇〇温泉ホテルって書いてあるから、ここだね・・・」

 

そこは寂れた温泉旅館。

そして、砂風呂はその脇にあるビニールハウスのようです。

 

「砂風呂の予約をした、〇〇です」

「ああ、砂風呂ね~。じゃあこの浴衣に着替えてくださいね~。下着はつけないでね~」

更衣室の様なところで、ノーブラでペラペラの浴衣に着替えました。

 

「胸、スースーするね」

「うん・・・」

そんな会話をしながら猫背で更衣室の脇で待つ私達。

 

「ご予約の4名様~、こちらです~」

推定70代のおじいさんに呼ばれて私達は更衣室の脇の通路から続くビニールハウスに入りました。

 

そこには・・・身体がすっぽり入るような長方形の穴が4つ!!

 

「じゃあここに頭をあっち側にして寝てください」

戸惑いながら、身を穴に沈める私達。

 

「砂かけますね~」

老人の身体からは想像がつかない、熟練したスコップさばき。

 

ザッ、バシャ、ザッ、バシャ、ザッ、バシャ・・・

 

手際よく私達は右から順に埋められていぎした。

 

「じゃあ、この時計で30分経ったら、砂から出てくださいね~シャワー室はここと更衣室の間にありますから。」

そう言って、スコップ職人はビニールハウスを出ていきました。

 

「なんか・・・思っていたのと全然違うね」

「そうだね」

 

~15分後~

「結構温まってきた」

「私も」

砂風呂は、海辺×温泉地の地熱を使った天然の蒸し風呂です。

ポカポカとしていて、結構気持ちいいのです。

 

~25分後~

「汗やばい」

「ね、結構汗かいてるね」

「でもさ・・・これ出られるかな?」

「私もそれ思ってた」

「結構重いよね、砂」

「出られる気がしない」

 

そう、砂は結構な重さがあり、ずっしりとのしかかり、私の身の自由を奪っているのです。

 

~30分後~

「出ようか・・・」

「どうやって出るんだ?」

「とりあえず手と脚を動かして、少しずつ砂をどけよう」

 

これがなかなか難しいのです。

手を動かすことは難しく、動いたとしても砂が空いたスペースを埋めてきます。

 

「もしかして、これって脱出できないんじゃない?」

「諦めちゃ駄目だ!脚をバタバタさせて、ちょっとずつ浮上していこう」

 

そうやってもがくこと数分。

「あ、出られそう」

1番背が高く運動神経もいい子が最初に脱出できました。

 

そこから私達は助け合いました。

1番最後まで出られなかった子は、脱出済みの3人で手で掻いて砂を掘り起こし、浴衣が見えたところで引っ張り上げるという方法で救出しました。

 

「なんか・・・こんなに大変だと思わなかったね」

「おじいさんに殺されるかと思った」

「犯罪ってこういう形でも出来るんだと思った」

「美容法のフリして埋めるとか?」

「そうそう」

 

女子大生達はゲラゲラと笑って、その後もドライブを楽しみました。

 

 

砂は思った以上に重い

この経験で思ったのは、砂というものは思っている以上に重いということでした。

 

もしも、砂風呂に入った4人が全員最後まで自力で脱出できないくらいの筋力の子だったら、私達は悪いジイさん(妄想)に騙されて、埋められたまま死んでいたかもしれません。

 

※ちなみに他の砂風呂は出るのもやってくれるところが多いようです。

 

 

美容のためならなんでもする・・・というのは恐ろしいなと思ったのでした。

 

といっても、この後に私は埋められて棺桶に入れられる美容法に行くことになるのですが・・・それはまたの機会に。

 

 

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