こんにちは、ドクダミ淑子です。
義実家に帰省中の今日この頃なのですが、夜の子どもたちの寝かしつけをした後に、大人の時間が時々あります(寝落ちしてしまう場合もあり)。
ある夜、「発達に課題のある子と、通常級に入れたがるその親」が話題になりました。
通常級にこだわる親
親戚の一人が小学校で働いているんだけど、今所属している学校の高学年のクラスの子に、どう考えても通常の学級じゃないだろうって子がいるそうです。
親御さんの強い希望で小学校は通常級に入れたけれども、椅子に座っていられず、教室の中を奇声を発しながら飛び回っているらしい。
でも、やる気がある時はすごいスピードで問題を解くこともできる。
ただし、そのやる気を出すために、職員がつきっきりでいて、声をかけてあげないといけないそうです。
担任の先生がとても熱心なので、その子はいつもテストはいい点数で、親御さんはもちろんそのまま中学校の通常級に進学させる気らしく心配だ、と。
「ちゃんと問題が解けるってことは、ええんちゃう?文字や数字もわかるわけやし」と義母。
おいおい・・・
集団生活が出来るかどうか
「お義母さん、文字や数字がわかって問題が解けるってことと、チャイムがなったら席について授業が終わるまで座り続けたり、みんなと同じことができるかっていうのは、別問題で、どっちも学校生活には必要なことなんですよ」
クソ嫁(私)がたしなめます。
「・・・そやんなぁ」
そのリアクションなんやねん、義母よ。
「でも、勉強はできるねんなぁ?」
・・・さっきの話、聞いてた?ってか義母こそ頭大丈夫?
どこまで支援できるのか
まぁいまいち理解できていない義母は放っておきましょう、いつものことですし。
話題の子の心配をし出す、義母以外のメンバー。
この話題の問題点として出てきたのは、以下。
ケアできる人員が減ったらどうするか?
小学校なら、まだサブとかサポートとかフリーとかの職員がいたりするかもしれませんが、中学校になったらそういう職員は減るでしょう。
つきっきりで1人だけの面倒を見る先生が配置できるかというと、それも難しいのではなかろうか。
そうすると、「今までマンツーマンで見ていたからテストの点数が良かったけれども、中学校に入ったら細かく見ていられず白紙の答案用紙になる」なんて可能性もある。
・・・というか、ケアがなければ0点だろう。
中学を出たら進路はどうするのか
もしも、サポート人員を揃えたとしても、中学校を卒業したらどうなるのか?
高校受験しても合格できるところはあるのか?
たとえ定員割れとか推薦とかで合格したとしても、卒業後の進路はどうするのか?
障がい者手帳もない、奇声を発して暴れることが10年以上も(結果的に)許されてきた人がどこでどんな仕事ができるのだろうか?
親御さんはそこまで考えて、通常級に入れているのだろうか?
「その小中学校の9年間、特別支援学校や支援級で見てもらっていた子との差がついているんだよね」
「彼らはちゃんと自分の身支度をすることや持ち物の準備やじっと座っていることや集団生活の練習を9年やってきているし、特性を考えた上での就職先や就職するために必要な技術の練習だってさせてもらえる」
社会の厳しさを味わうのは、子供本人
「そういうハシゴが全部外されちゃっているんだよ、その子は」
そうなんだよね。
支援級じゃなくてなぜ通常級にこだわるのか?
・・・それは親側には色々な考えがあると思う。
でも、その選択が子にとって正しくなかった時、被害を被るのは子供本人なのだ。
学校を出て、「健常者が大多数の社会」にポーンと放り込まれた瞬間に、その子は「近寄ってはいけないヤバい奴」になる。
障がい者手帳があれば、貰える手当もあるかもしれないが、それもない。
つまり、お金を自分で稼がなければ収入はゼロなのだ。
でも、稼ぐためのスキルがどこにあるのだろうか?
考えれば考えるほど、その子が気の毒になる。
親の方は今まで「子供の無限の可能性を信じて」だの、「支援級に入れることで芽を摘みたくない」だの、「周りの子にもいい影響があるだろう」だの、「多様性社会」だの言ってゴネてきたのだろうけど、社会に出て就職先にまで親が「うちの子はやればできる子です」としゃしゃり出たところで、「じゃあやってください」ってなるだけだ。
「近所のなー、校長先生やってはった人がいんねん。その人がな、今時の親はワガママやねんて言うてはったわ」
・・・わかっているのかわからないのか不明だけど義母がついてきたぞ(と思ったらズレた話をし出したのでまたスルー)。
発達の遅れを見逃さないで適切なケアを
発達に遅れがあると気づくのはいつからだろうか?
早い子だと、発語がないとかの時点でわかるけど、「勉強は出来る」アスペルガー症候群みたいな場合はわかりにくいのかもしれない。
2歳児クラスでダンスやお芝居ができない子が後々診断おりたという話は聞いたことがあるけど、集団行動ができないというのは、「うちの子、自由すぎる~」だけで見逃してはならない一種のサインだと思う。
普通の子が出来ることが出来ないならば、「ハードモードの子育て」ではなく、別モードの子育てになるのかもしれない。
どんなに教えてトレーニングしたとしても、4歳近くで親と手を繋いで歩くことや一緒にスーパーで買い物ができないなら、それは「だから子供を保育園に迎えに行く前にスーパーで買い物した方がラク!」じゃなくて、「それは大丈夫なのか?」と心配した方がいいのではないか。
いずれにしても、診断をするのはお医者さんなのだけれども、まずは相談に行ったり病院に連れていくためには、親の「あれ?」という感覚を研ぎ澄ませておいた方がいいと思う。
親の無駄なプライドや、療育・支援級・特別支援学校などへの知識と関心のなさで、将来が超ハードモードになってしまう子供が一人でも減るようにと私は願ってならない。
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