こんにちは、ドクダミ淑子です。
以前、こちらの本の感想を書きました。
その中で思っていたのが、「勉強のやり方がわからない教育ママって、タチ悪いな~」ということでした。
個別指導塾でバイトしてました
私は大学生の時に個別指導塾でアルバイトをしていたんだけど、その中には色々な子がいた。
その個別指導塾は、難関校を目指す子は少なくて、どちらかというと成績は中位~下位の子がたくさんいた。
宿題をやってこないこともザラで、「宿題やってきてよぉ~」「えへへ~」「笑ってごまかはないでよぉ~」みたいな会話をしながら、なんとか机に向かってもらう、みたいな感じ。
でも、その中でもどうやっても「ああ、この子の成績はこれ以上上がらないだろうな」って子もいた。
私の力不足があるかもしれないけど、とにかく「打てば響く」の真逆で、どう打っても何の音も出てこないのだ。
勉強が出来ない子達
部活の話や好きなゲームの話ならばするけど、授業になると突然心ここにあらずみたいな状態になる子もいた。
何をしても、どこからアプローチしても、何も返ってこない。
問題文の意味がわからない様子の子もいた。
「どういうプロセスで間違えたのか?」がわかればフォローの仕方もあるのだけれども、そもそも問題を解くプロセスが全く存在しないで、勘でしか答えられない子もいた。
なんというか、「運動神経がない」みたいな感じで、「勉強神経がない」みたいな子なのだ。
夏期講習に20万円
「広い世の中にはそういう子もいるんだろうなぁ」「私は私の出来る範囲でバイトとして頑張るしかないな」なんて気持ちでいたんだけれども、なぜかそういう子の親の方が、夏期講習やら冬期講習やらを詰め込んでくることが多くて、どうしたものか・・・と思っていた。
もしかしたら教室長が商売上手だったからかもしれないけど。
夏期講習だけで20万円以上払ってるとか噂で聞いてしまうと、どうにか成績を上げられればと思ってしまう。
でも、本人にはその気はゼロだから、いくらお金を出して授業のコマ数を増やしても、成績なんて上がらないのだ。
そしてわけのわからない中で教室に缶詰にされるから、隙間時間で居眠りしてしまう。
伸びる子も伸びない子もいるのが難しいところ
ただ、中にはそんな状態から突然勉強の楽しさとか、問題を解くための考え方みたいなのに気づいて、ガーッと成績が伸びる子もいた。
だから、一概に「やる気がない子は無理」「素質がない子は無理」ではなくて、そこが講師として嬉しくもあり、厄介でもあった。
他のやり方なら解けるようになるのか?自分の教え方が悪いから理解してもらえないのか?と悩む。
でもやっぱり、「素地」みたいなものはあるとは思う。
何をどうやっても、伸びないものは伸びないこともあるのだ。
勉強は努力だけでどうにかなるのか?
私はそういう風に思っているから、冒頭の本の「あかり」に対しての母の仕打ちがよくわからなかった。
医学部E判定で合格できると思っていたのか?
鉄パイプで叩いたら勉強する気が出てくると思うのか?
横で監視していれば、勉強が出来るようになるのか?
・・・答えは全部NOだし、彼女はきっと20浪しても医学部には入れなかっただろう。
本には書かれていなかったけど、きっと母の妙子自身はちゃんとした受験勉強をしてこなかった可能性が高いなと思った。
もしくは、勉強をしなくてもなんとなくいい点を取れるようなタイプだったとか。
テレビの受験企画を見ると怖くなる
勉強って、なぜか時間をかければかけただけ成績が上がるみたいに思っている人もいる。
でも、実際のところはどんなに時間をかけても出来ないもんは出来ないし、伸びない人は伸びない。
・・・なんだけど、なぜか運動と違ってその辺が理解できず「時間をかければ、ちゃんとしたやり方をすればいくらでも伸びる」と思っている人がいる。
そしてそれは、本人は本気で勉強と向き合ってこなかったけど、自分の子供には勉強を頑張ってもらいたいと思うタイプの親が多い。
去年の育休中に、スッキリの受験企画を見ていてもそれを思った。
受験を頑張りたいと口では言いつつも、どうにも成績が上がらず勉強に力が入らない様子の子達。
そのぼんやりとした表情を見ると、あの時の、打てば響かなかった方の生徒達を思い出してしまったのだ。
そして、お笑い芸人とかプロレスラーの親が「頑張れ」「やればできる」と応援している。
・・・こういうのが不幸に繋がるんじゃないか、と心配になってしまった。
「頑張ればドラマが起こる」と見越して取材を始め、なんとかドラマが起こるエンタテインメントにしようとする・・・そしてそれに「感動したぁ!」みたいに涙を流す視聴者がいる、というのが怖かった。
自分の子にどういう教育をするか
そんな私が、じゃあ自分の子にはどういう教育をするか?というと、基本はあまり口を出さないんじゃないかな・・・と思う。
私も夫も高校まで公立(夫は大学院まで国立)で、まぁそれなりに努力はしたけれども、2人とも勉強の素質があったことは確かで。
順当に行けば子どももその「素質」みたいなものはあるんだろうし、お互いが育った環境を再現していけば、それなりの頭脳には育つと思う。
・・・んだけど、そうならない場合も想定しておかねばならない。
「塾なんか行かなくても家庭で教えればいい」と思うかもしれないけど、親子だと噛み合わないこともあるだろう。
勉強以外に関心のあることが出来るかもしれない。
とにかく、自分の常識を押し付けない、「やれば出来る!出来ないのはやってないからだ!」と言わない、などに気をつけていかないといけないな・・・と、子どもが2歳の今、自分自身に釘を打っておこうと思う。
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