こんにちは、ドクダミ淑子です。
私らしく働く。
・・・なんだかモヤモヤするワードじゃないですか?
私らしく働くとはどういうことなのだろうか?
逆に、私らしく働かないとはどういうことなのか?
「私らしさ」とは何か?
「私らしさ」というのは、職場で必要なものなのか?
・・・今回はそんなモヤモヤについて、考えていきたいと思います。
「私らしく働く」の例
「モヤモヤする」と書いたのですが、私も仕事で使ったことがあります。
某有名企業の販売系職種の募集で、正社員・契約社員・パート/アルバイト募集を同時に出していた時の求人広告で。
条件は、こんな感じ。
- 学生・主婦(主夫)・フリーター誰でもOK
- 配属部門は希望に応じる
- 勤務時間・曜日選択可
- 髪型・ヒゲ・ネイル等が自由
- 託児所あり
雇用形態に応じて月の勤務時間上限が決まっていて、シフトは希望を出してもらうスタイルで、見た目の決まりなし・・・って感じの内容ですね。
なので、「私らしく」というのは、働き方的に「私の希望に沿って」なのか、外見など「私のしたい恰好を」なのか・・・という意味で使っていた、のだろうと思う。
広告を作っている私は、「いやいや、『私らしく』ってなんやねん!」と心の中でツッコミを入れながらも、その企業の募集は瞬時に応募が殺到するし、そのキャッチコピーに満足していただいていたので、そのままずっと使っていました。
「私のしたいように(条件や外見を)する」というのが、「私らしく」なのだろうか?
育児で「私らしさ」が失われる?
さて、話は変わって、最近の私の話を。
育児で忙しいことのたとえで、「私らしさが失われる」といった言葉を目にすることがあります。
たとえば、はあちゅうさんなんかは、「息子=私」という謎方程式で育児のことを語っています。
おそらく、これは「息子のことでいっぱいいっぱいで、私の意識の100%が息子のことで占める」ということなのだろうと思います。
彼女のふるまいを見ていると、とてもそんな状態には見えないけれども・・・
そして、「私らしさ」を取り戻すために、髪の毛を緑色や金髪にするという行動をとっています。
私からすると「それが『あなたらしさ』なのですか?」と、さらに「私らしさ」がわからなくなります。
「私らしさ」とは何なのか?
そして「私らしさ」は、どうしたら失われ、どうやって補給されるのか?
・・・と悩んでしまったのですが、改めて育児をしている自分の「私らしさ」というメーターがどうなっているのか?と考えてみると、たいして減っていない気がするんですよね。
子どもと接して、「母親らしい」言葉遣いをしたり動作をするけれども、それが「私らしくない」かというと、別にそんなこともない。
子どもにツッコむ姿勢も、話す内容も、別に「非・私らしさ」を感じることはない。
たしかに、「友達と接する私」とも「仕事をする私」とも違うかもしれないけれども、「子どもと接する私」も私だ。
育児をすることで、失われる「私らしさ」というのは、具体的に言うと、「自分の買い物をする時間が減る」「自分の美容にかける時間が減る」「趣味にかける時間が減る(or無くなる)」「仕事していない」とかなんだけど、だからといって「私らしさ」は減ったりするわけではないなと思うんだよな。
育児でいっぱいいっぱいになる、というのは、私にとっては「仕事がめちゃくちゃ忙しくて残業しまくりで、家に帰って寝るだけの生活が続く」という状態と同じ感覚なんだけど、そういう時に「ああ、私らしさがすり減っていく・・・」とは思わない。
仕事をしている時も、私は私だから。
私は、そういうタイプなのだけれども、もしかしたら、そうじゃない考え方の人もいるのかもしれないな。
仕事や育児は仮の姿の私、プライベートが真の姿の私、みたいな。
プライベート=私?
そう考えると、「私らしく働く」という言葉の正体は、「プライベートの時間の私」のような感覚で、なんの制約もなく、好きなことを・好きなようにしながらお金を稼ぐ・・・ということなのかもしれない。
プライベート=私で、仕事したり育児したりとプライベート以外の時間を「私らしくない」と定義しているってことなのだろうか?
「私らしく働く」なんて言葉を使うからややこしいことになる
自分でも仕事で使っておきながら・・・ですが、「私らしく」なんて曖昧なワードを使うから、事態がややこしいことになると思うのです。
「勤務時間は週20時間未満です」「服装・髪型自由です」「希望に合わせて休みが取れます」と書けば、それを希望する人が来るわけで。
「私らしく働く」なんて書いても、何も伝わらない。
伝わらないどころか、変な誤解を招くことにもなる。
人によって定義があいまいなワード、それが「私らしさ」。
私の場合は、「私らしさ」なんて、何をしていても簡単に減るものではないようだし、どこで働こうと「私らしく働く」なので、そんな風に書かれた求人票に惹かれることもない。
復帰して、もしもまたあの企業の営業担当になったら、もう一度あのキャッチコピーを考えなおそうと思う。
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