ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

人は都合のよいシナリオを作りがちなのだ

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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

新型コロナウイルス関連の話でコメンテーターが言ってる内容が気になっています。

「看護師資格を持っているのに看護師として働いていない人を、職場に復帰させたらどうか?」とか、「コロナ対応してない病院で働いている看護師の希望者を、コロナ対応している病院に派遣したらどうか?」とか。

 

私は医療従事者でも何でもありませんが、こういうコメントを聞くとイラっときます。

都合のいいシナリオ書いちゃって、その通りになるって思ってるの?と思うからです。

 

 

働くのにも働かないのにも理由がある

よく考えてみてください。

看護師資格を持っているのに看護師として働いていない人は、なぜそうなっているのだろうか?と。

 

看護師としての仕事に疲れてしまった、夜勤のある働き方はできない、ハード過ぎて体調を崩してしまった、人間関係でトラウマがある、他の仕事の方が魅力的・・・などなど 色々な事情があって、今は看護師として働いていないはずです。

それなのに冒頭のような理論を述べる人というのは、「看護師として働きたいのに働けない人が沢山いるはずだ」と考えています。

「資格を持っていても看護師として働きたくない人」が いるということを考えないのです。

 

 

フリーターはみな正社員になりたい?

これは私がやっている(産休中)人材サービスの仕事の中でも、しばしばクライアントから言われて困ったことでした。

 

「20代で、今はフリーターとして働いているんだけれども、正社員になりたい人!そういう意欲のある人を採用したいんだよね」

 

「俺、すごいこと思いついちゃったんだけど!」みたいなノリでこういうことを言われることがよくありました。

こういうことを言う人は多いんだけれどなぁ・・・と心の中で思いながらも、こんな返しをしていました。

 

こういう人が思い描いているような、若くて、ある程度のコミュニケーション力と思考力があって、今はフリーターとして働いている人は、フリーターという働き方が合っているから、フリーターとして働いている人が大半なのです。

もちろん中には、「本当は正社員として働きたいけれども、フリーターをしている」という人もいますが、それよりも「フリーターを選んでいる」人の方が多い気がします。

 

その理由は給料かもしれないし、勤務日数や勤務時間などかもしれないし、休みの融通がきくということかもしれません。

あとは飽きたらすぐに辞められるとか、半年後一年後にやりたいことがある、などなどもあるかもしれませんね。

とにかく、フリーターとして働いている人は、「フリーターとして働くメリット」があって働いている・・・そんな方が多いのです。

 

しかし、なぜか人材を欲している企業の採用担当者はこう勘違いしてしまうのです。

「フリーターは正社員になりたいけれどもなれないからフリーターをしている人なんだ」「だから、ウチの会社で採用してあげよう」と。

 

確かにそういう人も中にはいます。

いるのですが、そういう方は年齢が高いことや、「スキル不足」などを理由で落とされてしまう場合が多く、私はそれもモヤモヤしていました。

オーダーしていた「フリーターから正社員希望になりたい人」なんですけど? 

少子高齢化で、若手の人材が不足していると言われている中で、正社員になりたくてもなれないフリーターというのは結構少ないのではないか?と現場にいた私は思っていました。

 

でも人は自分に都合のいいシナリオを描いてしまいがちなのです。

正社員になりたいフリーター、看護の現場に復帰したい看護師資格者・・・そんな人がたくさんいて、その人たちに動いてもらえば問題は解決できる!なんていいアイデアなんだろう!すぐに実行すべきだ!と。

そういう絵にかいた餅は、食べられません。

 

 

実態に合わせてシナリオを描く 

上記のように、思い描いていた人を採用 できることはとても少ないですが、まれに採用できることもあります。

そういう時は、ターゲットの気持ちにとことん寄り添った対策をとられていることが多いですね。

 

正社員になりたいけれどもなれないフリーターを採用したいなら、「なぜ正社員になっていないのか?」、看護師の現場に復帰したいけれどもなかなか復帰出来れない資格者 なら、「なぜ復帰できないのか?」などなど、今の働き方を選んでいる理由と、別の働き方を選ばない理由があります。

そこを解消してあげないと、彼ら彼女らは動かないのです。

 

 

人を動かすためには

誰かを動かしたい――そう思った時、一番大事なのはその人の気持ち・状況・環境に寄り添って、自ら動きたくなるような仕組みを整えることです。

コロナの件もそうですが、そういった仕組みを整えることなく、ただ言葉だけでどうにかしよう!という人が多すぎる気がしませんか?

そんな勝手なことばかり言う人が描くシナリオに乗っかる人なんて、そうそういません。

 

だから私は、「医療従事者を増やそう」とか、現実を見ないくせにドヤ顔で発言するコメンテーターとか、弁護士で元府知事とかを見ていると、イラっとするのです。

 

 

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