ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

中2にかける言葉

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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

私は、大学4年生のこの位の時期、母校である片田舎の公立中学校に教育実習をしに行っていました。

 

結果として、教員は自分に向かないということを実感した・・・いい経験でした。 

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教室に入った途端、妙な雰囲気を感じた

私が配属されたのは、中学2年生のクラスでした。

クラス替えが終わり、少しだけ落ち着いた5月下旬。

 

ですが、クラスの雰囲気は「妙」でした。

全員が、身構えているというか、クラスの安心感っていうのがなかったんですね。

誰もが警戒していて、よそよそしく、様子を見ていて、何かあったらすぐに臨戦態勢をとるか逃げるかができるような・・・そんな安心できない雰囲気。

 

「クラス替え直後だからかな?」「私が入ってきたからかな?」「中2だし、思春期だからかな」

・・・その時は、そのくらいに軽く考えていました。

 

でも、少しずつ気づいてきたんですね。

「あ、この担任の先生の『事なかれ主義』が生徒に伝わっているのではないか?」と。

そう思ったのは、担任の先生のことを「あの人」と言っている生徒がいる、っていうか多いということに気づいた時です。

 

担任の先生。

私が中学生の時、こっそり陰で呼ぶ時って、ニックネームを付けていたことはありました。

下の名前を呼び捨てたり、ちょっと悪意のあるあだ名をつけたり・・・

でも、それは良くも悪くも、「関心」があるからだったと思うんですよ。

 

それを、「あの人」かぁ・・・

そこで感じたのは、無関心だったんですね。

 

確かに、当たり障りのない接し方しかしない、その先生に私も違和感を持っていました。

「事件は、起こっても私の目に入らなければ、存在しない」

「余計なものは見ないふりするのが一番」

日々のアドバイスで、そういうことを感じていました。

 

 

爪痕を残したいと思ってしまった

毎日の帰りの会で、実習生からのコメントコーナーをいただいていたのですが、私はいつも先生のアドバイス通り、当たり障りのない話をしていました。

でも、つまらないんですね。

話している私もつまらないし、聞いている生徒もつまらなそうな顔をしている。

褒めてくれるのは、担任の先生だけ。

 

・・・私のひねくれ精神が、そこで満足するわけはありません。

何かしら、生徒の心に爪痕を残るような言葉を、1つくらい届けたい。

 

なので、教育実習も後半になった時、こんな話をしました。

 

  • 半年前に、成人式に行った
  • 成人式・その後の中学校の同窓会に「みんなに顔向けできない」という理由で欠席をした人がいた
  • 私はそれが悲しかった、同級生に会いたかった
  • 今、みんなは6年後のことなんて考えられないかもしれない
  • でも、今の積み重ねが6年後に続くんだ
  • だから、これからどういう大人になっていくのか、少しだけ考えてほしい

 

いつもヘラヘラしている生徒たちが、この時だけはシーンとなり、真剣に聞いてくれました。

私は、手ごたえを感じました。

 

 

あの時の言葉は正しかったのか?

担任の先生からは、こう言われました。

「もっと、みんなが元気になる言葉を言ってほしい」

 

今まで「元気になる言葉」を言ってきたから、今日くらいいいじゃないか・・・と思いましたね、その時は。

 

今となっても、あの時の私の話が中2に対して適切だったのか、なんてわかりません。

不安をあおるようなことを言っていたかもしれない。

でも、あれが一番、「先生」ではなく一人の人生の先輩として言った言葉だったんですよね。

だから、それが先生らしくないと言われても、仕方ない。

 

私が中2の時の担任に言われた言葉で、唯一覚えているものがあります。

「どんなに技術が発展しても、障がい者は100人に1人の割合で産まれてくることは変わりがない。自分の子どもが障害を持って生まれてくるかもしれないし、それは止められえないのだ」

 

この言葉の説が、合っているのか間違っているのかは、よく分かりません。

どの文脈で言われたのかも、覚えていません(恐らく特別支援学級の子の話だと思うけど)。

でも、この言葉は私の中でずっとずっと残って、考え続けているのです。

 

中2の時、若い時に、誰かからかけられた言葉が、残っている。

それは担任がすべきことかもしれないけど、出しゃばりかもしれないけど、そうしたい!と思ったことを、14年後のある日に、ふと思い出しました。

 

 

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