ドクダミ自由帳

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【本感想】半径5メートルの野望 人生は黒歴史の連続なのだ

こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

SNSで何かと炎上をしている、はあちゅうさん(以下敬称略)が2014年末、28歳の頃に書いた本(出版は2015年)を読みました。

 

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タイトルにあるように、「半径5メートル(=自分の手に届くくらいの距離)」の世界について、その中での野望についてを、ひたすら語るというような内容の本でした。

この「半径5メートル」というのは、はあちゅう的「私たち世代」、つまり私も一緒ですが、ゆとり世代の走りと呼ばれるような人たちの世代の特徴だとNHKで言って話題になったらしい(知らなかった)。

自分の身の回りの日常しか興味がない私たちは、小さな世界にとらわれている。

でも、その小さな世界をネットやSNSなどを活用し、どんどん他者と交わらせていくことで、自分の世界も広がっていくよ・・・という感じ。

 

公式サイトからも引用しておきましょう。

なりたい自分と思い通りの生活を手に入れるには? 世界一周、就職、起業、そして小説家……、夢を常に叶え続ける著者・はあちゅうの答えは「自分の半径5メートルを探して見つけた小さい野望を少しずつでいいから育てるべし!」。迷えるあなたの人生をきっと変える極辛人生指南、文庫完全版で登場!

 

私が読んだのは、初版のハードカバーのものだけど、文庫版もあるのね。

 

 

とにかく、必死だった、あの頃

これを書いた時期の彼女が、とにかく必死に必死に「夢」を追いかけている姿が目に浮かびました。

 

もっと実績を上げたい!

もっと有名になりたい!

透明人間みたいな扱いはされたくない!

くだらない絡みをしてくる人が来ないくらいのレベルになりたい!ググレカス!

・・・そんな風に「もっと!もっと!」を追いかけ続けているような姿が。

 

でもその思い描く姿と現実には、壁があって、批判をする人がいて、自分の事をバカにする人がいて。

悔しくて、見返したくて、でも自分にはまだ足りないものがあって・・・というような若さと青さが溢れるような文章がありました。

 

それは、34歳の私が今読むと、身体中が痺れてかゆくなるような、 青梅みたいな、若さ。

 

 

エピソードゼロを読むのが好きなのだろう 

私はきっと、こういう「エピソードゼロ」的な本を読むのが好きなのでしょう。

今はこんな感じになっている、あの人だけど、もっと若い時はどういうことを考えていたのだろう、みたいな。

そういう、できるだけ今ついている贅肉とか鎧とかを引き剥がしたところで見えてくる「核」とか「芯」とか「軸」みたいなものを見るのが興味をそそられる。

 

とはいえ、2012年に血液クレンジングのステマ(疑惑)をやらかしていたので、ピュアな頃でもないと思うんだけど。

 

 

原点は、「ブス」へのコンプレックス

そういう目線でこの本を読みつつ、「はあちゅうという人の原点はどういうところにあるのか?」と考えてみましょう。

私が印象的だったのは、自分の容姿についての部分でした。

 

第1章が「負を燃料(エネルギー)に変える」というタイトルで、初めに自分の見た目コンプレックスについて 書いているんですね。

 

物心ついたときから、小・中・高校と人間関係がうまくいかなかった彼女。

自分の中でその理由を「自分がブスだから」と思い込んでいたそうです。

 

その後、大学生になりブログを書くようになってからも、コメントでブスと書かれ、相棒よりもブスと書かれる数が多いと凹み(こういう人とすぐ比べるところ、昔からなのね)、ブスと検索したら自分の画像が出てきて、ショックで倒れて、そこから何日も寝込んでしまったなんて話もありました。

 

ただ、その中でいろいろ考えて立ち直ることができた彼女。

その瞬間から、吹っ切れたのです。

「私を批判する人の声なんて気にしてたまるか!」と。

 

もう一つ。

彼女が偉い人と一緒に飲食店に行ったときに、ウェイターが偉い人しか見ていなくて、自分の存在が透明人間になっていると感じた瞬間、彼女は覚えてもらえる存在になろうとやる気がメラメラと湧いてきたという話や、自分の名刺を テーブルの上に置いて行かれたという悔しかった話もありました。

その時の話を、こんな風に書いています。

 

私はどこに行っても、「私」として、その場に存在したい。

 

昔も今も、私・私・私ィィィィ~って人なのだろう。

これが「今」に繋がっていると考えるとと、興味深いなぁと思いました。

 

 

人は黒歴史を更新し続ける

この本は、28歳のはあちゅうさんが書いた、今思い返すと恥ずかしくなるような本なのかもしれません。

実力も半ばで、でも思いだけは強くて、野心にあふれ、他人を見下し(もともと見下されていたから仕返し的な面もあるけれども)、何が何でも、「あっちの世界」に行ってやる!みたいな気持ちがあふれていて。

・・・もしも私が彼女だったら、この青梅みたいな文章を今読み返したら、顔から炎が出るだろうと思う。

 

でも、人間なんて、黒歴史を重ねながら生きていると思うんですよね。

私だって、28歳の頃何をしていたかと言うと、今となっては顔が真っ赤になってしまうような 文章だって書いていました。

そして、今書いている文章だって、あと5年後読んだら顔が真っ赤になってしまうかもしれません。

 

そうやって人は、黒歴史をどんどん積み重ねていって 行くのです。

「もうこれ以上黒歴史なんて刻まない」という時は、死ぬ時なのだと思う。

 

とにかく負けず嫌いで、成功したい、有名になりたいという気持ちに貪欲なはあちゅう。

今は、様々なことで炎上し、当時よりも有名になって、この時のような渇望に近い貪欲さが残っているのかはわかりません。

でも、彼女は5年前、夢や野望について確かに熱く語っていた。

 

それが活字になって残っているのが、私にはとても興味深いのです。

 

 

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