こんにちは、ドクダミ淑子です。
人事担当や経営者から、こんな要望をいただくことがあります。
「この仕事が好きで、やる気と熱意を持って働いてくれて、将来管理職を目指してくれる人が欲しい」
そんな話を聞いたら、私は一旦受け止めてから、こう答えます。
「入社当初からそこまで考えている人、ほぼいないですよ!?」
はじめから「この仕事が好き」ではなかった私
私は、人材系の営業をずっと続けていますが、元々なりたかったのは「編集者」。
『働きマン』を読んでは、こういう編集者になりたいと憧れ、編集会議のスクールに通い、編集プロダクションで校正のアルバイトをして、編集者への夢を膨らませました。
それは今の会社に入ってからも止まずに、さまざまな面で話題を呼ぶ幻冬舎に履歴書を複数回送ったこともあります(落ちた)。
学生の頃は、自分が営業職をするなんて、考えたこともありませんでしたし、人材系の企業が一体何をしていて、何で儲けているかなんて、知りませんでした。
でも、やっていくうちに楽しい面もわかってきたし、続けるモチベーションも出来てきました。
会社の居心地も、最初は最悪でしたが、今では自分の立ち位置とかが作れているので、居心地もよくなりました。
仕事が好きになってから、社内での出世を考え始める
仕事の楽しさがわかって、自分の「居場所」的なものができてきたら、長く働くイメージがわいてくる。
そこで初めて出てくるのが、社内でのキャリアパス・キャリアアップです。
「この会社での昇格をどうとらえるか」って、この段階まで来てから考えるようになりますよね。
そこまでは「続けるor辞める」の二択です。
だから、冒頭の「入社時から管理職を目指して頑張る人に入ってほしい」っていうのに、私も同席していたマネージャーも違和感を感じたのです。
それは社員に多くを求めすぎで、会社としても、入社した人が「この会社で管理職になりたい」と思ってもらえるような、キャリアパス(キャリアアップの道筋)を作ってあげるべきだと思うのです。
まぁ、だいたいそういう会社は、「育てる」「道筋を作る」とかが考えられないから、「管理職候補」が育たたず、外部から管理職候補を入れざるを得ないんですけどね。
「一目惚れ」じゃない仕事だって、アリだ
よく「好きなものを仕事に」「好きじゃないと続かない」と言って、人々の心を惑わすような人がいます。
最近だと、「好きなことを仕事にしないと底辺になる」とか言っている、サラリーマン歴計2年の中年男性が目につきます。
その人は2年で2社ですので、仕事をしていくうちに好きになるという経験はしたことがないのでしょう。
私には、気の毒に感じられます。
好きな仕事じゃない=経営陣に文句を言う?
- 好きな仕事なら、寝食を忘れて24時間仕事のことを考えられて、だから伸びる
- 好きでない(嫌いな)仕事をすると、底辺になる
まぁ言いたいことはわかるのですが、でもこれは、極論づくしで混乱させる作戦としか思えません。
好きでない仕事がだんだん好きになって、稼げるようにもなるのに。
対称的な例として、「経営者に文句いいながら働くモチベーションの低い従業員」という例を出していますが、それは好きな仕事とかに関係なく、組織体制や社風や人間関係の話ですよね?
話題をすり替えています。
初めから「好きな仕事」じゃなくていい
だから、「好きな仕事を見ていないと底辺になるから、初めから好きなことを仕事にしましょう」なんて言葉に騙されないでほしい。
はじめは「嫌いじゃない」程度でいいんです。
やってるうちに、だんだん好きになればいいのです。
学生の時に「好き」っていうのは、まだまだ世界が狭い。
国語・算数・理科・社会・美術・音楽・体育・情報・技術・家庭科くらいしか選択肢がない中で、好きなことを仕事にしなくてもいいと思う。
仕事をしていて「底辺になる」なんてことはないから、安心してまずは、とりあえずピンときた仕事についてみてもいいと思うのです。
こちらもどうぞ