こんにちは、ドクダミ淑子です。
先日、仕事である企業の営業課長と打ち合わせをしました。
その時、こういうフレーズが出てきたのです。
「営業なんて、誰でも出来る仕事だからさ」
営業は誰でもできる?
私は人材系の仕事をして10年以上。
このセリフは幾度となく耳にしてきました。
大体、私が「どういう人が欲しいんですか?」と質問するときに、このワードで返ってくるのです。
「どういう人って言われても・・・営業なんて、誰でもできるんだよ!」と、ちょいギレで返ってくるんですね。
この「誰でも出来る」を文字通り、“everybady”だと思うと、痛い目にあいます。
実際、「営業は誰でもできる」と主張する営業課長と話をしていたら、こんなセリフが飛び出してきたのです。
「なんで募集するか? 営業成績が上がらない人が多くてさ。自分が今年の春に課長になったタイミングで大量に辞めさせたんだよね。」
・・・誰でも出来る仕事なのに、出来ない人がいるってどういうことと??
本当に、誰でも出来る仕事なら、辞めてもらうほど出来ない人なんて存在しないのではないでしょうか?
「誰でも出来る」の意味が違う
ですので、この営業課長の「誰でも出来る」というのは“everybady”という意味ではありません。
では、どういう意味なのでしょうか?
学歴・経験などは関係ない
高卒でも大卒でも関係ないし、前職で営業だったかどうかも関係ないのが営業の仕事です。
これは、私も職場で見ていて感じることが多々あります。
特別なスキルは必要ない
技術職とは違って、専門分野を学んでからでないと仕事につけないわけではなく、資格も(だいたいの場合は)必要ありません。
必要なのは、「普通(全体の6割と同じ)」であること
会話のキャッチボールができ、相手の言っていることを理解でき、それにきちんと応えられる・・・このへんを、「普通の人」という言葉で表現していると感じます。
つまりは、営業という職種に就くのは、特別なスペック(プロフィール・スキルなど)が必要ではなく、どちらかというとタイプ(性格・志向・行動など)が大事で、「普通(100点満点中20~80点くらいのコミュニケーションを取れる人)」であればよいという話なのではないでしょうか?
「普通」だと思っていることは、案外普通ではなかったりする
ちなみに、こういう「普通でいいんだよ」と言うおじさん達も、最近は戸惑いを見せています。
「普通の人、いないんだよねぇ・・・」
オッサン世代の「普通」と、若者世代の「普通」、そして私達くらいのもう若くないけれどもジジババでもない世代(いわゆる中堅)の「普通」に、少しずつズレがあることに、誰もが気づいてきています。
だからこそ、私たち人材系の営業は、「普通で良いんだよ」「誰でもいいからさぁ」という言葉についても、どれだけ面倒臭がられても「それってどういうことですか?」と細かく聞き続け、言語化しなければいけないのです。
活躍できる人が一言で言えない
ただ、難しいのが、営業ができる人=こういうタイプの人、とワンパターンでは表現できないことがあることです。
同じ会社のトップ営業と言っても、人当たりがめっちゃ良くていつもゲラゲラ笑っている人もいれば、静かに資料を作りこんでいる人もいます。
行動面でも、外出してばかりの人もいれば、ずっと社内にいる人もいます。
こういう「優秀な営業の像がうやむや」というのも、「どういう人っていうのはない、誰でもできる」という風になってしまっている原因なのかもしれないですね。
営業は誰でも出来るわけではない
結論としては、こんな話です。
- 「営業は誰でもできる」という言葉はあるが、実際には向き・不向きがある
- ただし、向き・不向きを一言で表現できないし、色々な人がいる
- なので、結果として「誰でもできる」という言葉になりがち
ですので、こういう言葉に騙されずに、うっかりと営業の世界に足を踏み込まないことをオススメします。
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