こんにちは、ドクダミ淑子です。
今回は、小説的なものをお送りしましょう・・・
※この話はフィクションです。実際の人物・団体とは一切関係ありません。
私のお父さんは、インフルエンサーです。
インフルエンサーというのはよくわかりませんが、iPhoneやパソコンを使って、動画を作ったりするお仕事みたいです。
1日中iPhoneとパソコンを触っています。
お父さんはいつも家にいますが、時々お父さんの友達みたいな人が家に来ます。
そして、「みきちゃんのお父さんはすごい人だよ」と褒めてくれます。
お父さんはすごいインフルエンサーみたいです。
私は、4月から小学生になりました。
小学校でお友達ができました。
ゆいちゃんと、もあちゃんです。
二人とも、とっても明るくて楽しい子です。
ある日、ゆいちゃんが言いました。
「明日、学校早く終わるから、うちに遊びに来ない?ママがお友達つれてきていいって!」
家に帰ってお母さんに相談したら、いいよって言ってくれたから、ゆいちゃんのお家に遊びに行くことになりました。
ゆいちゃんのお家はとても大きくて、お花がたくさん咲いていました。
玄関には家族みんなの写真が飾ってあって、2階にはゆいちゃんのお部屋がありました。
自分のお部屋があるっていいな。
ゆいちゃんのお母さんはニコニコしながら、ケーキと麦茶を持ってきてくれました。
「ゆいちゃんのお母さん、すごく優しそうだね」と私が言うと、ゆいちゃんはヒソヒソ声でこう言いました。
「本当は優しくないよ。ママはいつも勉強しなさいってうるさいもん」
「お父さんは?」
「パパはねぇ、銀行で働いてていつも夜遅いの。早く帰ってきても『宿題やったか?』って話ばっかり」
「そうなんだ・・・もあちゃんのお父さんは?」
「うちの父ちゃんはトラックの運転手さんだよ。家にいないことが多いけど、いる時はみんなでご飯食べて、みんなでお風呂入るんだ」
「いいなぁ・・・」
「でも、怒るとすごく怖い。弟とケンカして怒られた時、すっごく怖くて泣いちゃった」
「みきちゃんのお父さんは?」
「うちのお父さんはインフルエンサーだよ」
「なにそれ?」
「YouTubeしたりする人」
「それってHIKAKINみたいな人?すごくない!?」
「すごいのかな?でも、動画撮っている時に喋ったりすると、すごい怒られたりするし・・・」
すると急に、ゆいちゃんのママがお部屋に入ってきました。
「みきちゃん、お母さんが迎えに来たわよ」
私は急に帰ることになりました。
お母さんがゆいちゃんのママにお礼を言って、車に乗ると、そこには怒った顔のお父さんも乗っていました。
遊びに行ったのは、だめなことなのかな?
わからなかったけど、そのまま何も言わずに、家まで帰りました。
家についたら、お父さんはすぐに撮影部屋に入っていきました。
私はお母さんに、「なんでお父さんはいつも家にいるの?」と聞いてみました。
お母さんはちょっと考えて、笑いながらこう言いました。
「みんなと一緒にいたいからよ」
月曜日の学校で、もあちゃんが日曜日にイオンに行ったという話をしていました。
「映画見て、UFOキャッチャーをして、私と父ちゃんはアイス、弟と母ちゃんはクレープを食べたの!」
私はまだ家族でイオンには行ったことはありません。
お母さんと保育園のお友達となら行ったことがあるけど、お父さんはイオンが嫌いみたい。
「土日にあんな混んでいるところに行くやつは頭がおかしいヤツだ」
もあちゃんはすごく楽しそうだったのにな。
帰ってから、もう1回お父さんに「イオンに行ってアイス食べたい」と言ったけど、聞こえなかったみたいで何も言ってくれませんでした。
お母さんからは、「スーパーでアイス買ってあげるから」と言われました。
ある日、今度東京に行くよとお母さんから言われました。
次の日にゆいちゃんともあちゃんに「東京に行くんだ」というと、いいねってたくさん言われました。
「東京ってランドに行くの?」
ゆいちゃんは、春休みにランドに行ったみたいです。
「飛行機に乗って、電車に乗ってランドに行ったの!いいなぁ。私もまた行きたい」
「お土産買ってきてね!」
そんなにいいところなら、私も行けるかなと思って、お母さんに聞いてみました。
お母さんは、こう言いました。
「いい子にしてたら行けるかもね」
ランドってどんなところなんだろう?
私はワクワクしました。
帰ってきて、東京には行ったけど、ランドは行けなかったし、お土産も買わなかったから、ゆいちゃんともあちゃんには「ごめん」って言いました。
二人は「気にしないで」って優しく言ってくれました。
ランドに行けなかったのは残念だけど、東京ではお父さんとお母さんとずっと一緒にいられたから、楽しかったです。
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