こんにちは、ドクダミ淑子です。
ネットの世界では「経営者」がたくさんいますね。
私は人材業界の営業を10年以上続けているのですが、どうやら私の知っている経営者と、ネットで饒舌な経営者とは、少し違うようです。
今回は、「一般的には有名ではないけれども、ネット上で饒舌&経営者だと名乗って経営について語っている人(以後、ネットの世界の経営者)」について、それって本当に経営なの?ということを書いていこうと思います。
ネットの世界の経営者に抱く、違和感
ネットの世界の経営者は、大体こんな感じです。
- 基本的には、1人社長・従業員0
- 1人で完結or外注(業務委託)を使う
- 収入は「成果報酬」の場合が多い
- 「契約」が存在しない場合が多い
つまり、「1人で時期に合わせた単発の仕事を行っている人」と、私には見えるのです。
「時代のニーズを読み、スピード感を持って、事業を柔軟に方向転換していく」なんていうと聞こえがいいですが、それは1人でやっているからこそできることであって、「経営」ではないと思うのです。
ネットの世界の経営者からは、「ヒト・モノ・カネ」の「ヒト」の話なんて全く出てきません。
「カネ」の話は山のように出てくるけど。
そりゃ、1人でコツコツとやっていれば、他の人とは関わらないですから、経営をする上での「ヒト」なんて意識に上がってきませんよね。
そして、私が「経営者」として1番違和感を持つのは、その「ヒトの話が出てこない」部分なのです。
経営の9割は「ヒト」のことだと思う
じゃあ、本当の経営者は何をしているか?
経営者の仕事の9割は「ヒト」のことだと、私は思っています。
特に中小企業であればあるほど、社長は「ヒト」のことを考えています。
- 採用・面接
- 配属
- 退職
- 人事異動
- 昇給・昇格
- 減給・降格
- 人間関係のトラブル
- 家庭の事情(結婚・離婚・家族の介護看護)
- 産休・育休
こういった人事関係のことは、ある程度の社員数がいれば年中起こりますから、社長は年中「ヒト」のことで悩んでいます。
「売上が上がらない」「業績が良くない」という課題も、それは何が原因なのか?を突き詰めていくと、「ヒト」の話にぶつかります。
経営とは、「1人でできないことを、集団でやること」なのだ
そもそも、会社経営とは何か?と考えた時に、私はこうじゃないかと思います。
「1人ではできないことを、複数人でやること」だと。
ものすごく良いアイデアやビジョンがあるけれども、それを実行するには1人では足りないから、同じことを一緒にやってくれる人が欲しい。
1人で仕事をすると、苦手なところや専門知識が足りないことがある、その分野を得意な人にやってもらいたい。
だから、「会社」という形にして、複数人で事業をし、それで生まれた利益を給料として分け合う。
会社経営というのは、決して、「株式会社○○を登記すること」ではなく、何かを一緒にやってくれる人を募集し・育成し・うまく動いてもらうことなのではないかと思うのです。
社長というポジションの人はいるけれども、その人1人では会社は成り立たない。
事業のアイデアがあっても、動く人がいなかったり十分じゃなかったら、会社は成り立たない。
社員がいて、社員が動いて、初めて会社というのは経営することができるのです。
1人社長に「会社経営」を語られましても・・・
ヒトが絡まることは、何もかもが自分の思い通りになることはありません。
時には社長の気持ちと裏腹に社員が動くこともあるし、社長の思いを言葉に載せても、社員には全然伝わらない、それどころか誤解されてしまうことだってあります。
社長が社員のことを考えていても、社員は「社長は会社の利益のことしか考えていない」と言われて悲しい思いをすることもあります。
私はそんな孤独な社長の葛藤や苦しみを、社外かつ営業担当という距離ながら、何度も見て、相談に乗り、グチを聞いてきました。
時には、複数の社員から話を聞き、どうしたら双方の立場や思いを尊重しつつ、着地できるだろうか?と悩んだこともありました。
これも、ヒトがいるからこその悩みであり、やりがいでもあります。
だからこそ、1人でパソコンだけを相手に仕事をしている人に、「経営とは」を語ってほしくないと思ってしまうのです。
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