こんにちは、ドクダミ淑子です。
「東京と大阪って天気同じなんですね!」
最近面倒を見ている後輩ちゃんからそう言われました。
同じか違うかの二元論
彼女は大阪の勤務、私は東京の勤務です。
つまり毎回Webでミーティングをしているのですが、最近天気の話題をよく言われます。
「暑いですね」「雨降ってますか?」「寒いですよね」と。
ある日、「こっちは晴れてますけれども、ドクダミさんのところは晴れてますか?」と聞かれたので、「晴れてるよ」と言うと彼女はこう言いました。
「あ、そうなんですね!やっぱり東京と大阪の天気って同じなんですね!」と。
どうやら、私とのやり取りで「同じか違うか」のデータを取っていたようです。
私は返事に困って、「んー、まぁ同じこともあるかな」と濁しました。
「あのさぁ・・・テレビで天気予報見たことある?雲の動きとかさ、そういうやつ。」
「ないです。テレビ見ないんで」と。
そうかそうか。
「でも東京と大阪って新幹線で2時間半ぐらいかかるのよ。すごい距離があるんだよ」
「そうなんです。それも知ってます!でも天気が同じなんでなんか不思議だなと思ったんです。遠いけど天気一緒ですよね?」
「台風の時とか進路とか見ているとまだ大阪は嵐になってるけれども、関東はまだだな、とか、そういう時があるのは知ってる?」
「知ってます。でも台風じゃないときはだいたい一緒ですよね」
ああ、この子はもう、「東京と大阪は天気が一緒」だという法則にとらわれている。
まぁ確かに、東京も大阪も太平洋側だということで言うと、大体同じ天気になるというのはわかるんだけれども、それをどうやって説明したらいいのだろうか。
「沖縄のお客さんは違う天気だったりするんですよね。あと東北とか北海道とか。なんかすごい不思議だなと思って」
そうかそうか、不思議だなと思う中で、「なぜ違うのか」「なぜ同じなのか」ということを考えないのかな?と思ってしまったんだけれども、彼女の中では「東京と大阪は天気が同じ」という仮説を立てて、それが私の日々の会話で強固なものになってしまったのだろう。
なぜここまで浅くなれるのか
私は彼女の教育というところに、めちゃくちゃ苦労している。
何が苦労しているか、というと、こういう「浅いところ」に。
「浅い」というのか、「すぐに答えを求める」なのか、「単純化したがる」なのか・・・
とにかく、彼女の中では「東京と大阪の天気は同じか違うか?」みたいな感じで、白黒ハッキリつけて、その法則に従って動きたいみたいな感じなのだ。
そしてその「背景」みたいなものを全然考えない。
日本列島には山脈があってね、とか、海流っていうのがあってね、とか、偏西風が吹いていてね、とか、色々説明の仕方はあるんだろうけれども、そういう説明をしだすとすぐに「???」となってしまう。
どうしたらいいんだろう、この浅さと、少しでも深いところに入ってしまうと理解できなくなる現象は・・・
試しに色々語ってみたこともあった。
でも、最後に聞かれるのだ。
「・・・っていうことは、結局それは良いことなんですか?悪いことなんですか?」と。
それか「じゃあ私は何をすればいいんですか?」もあったし、「そうなんですね〜」もあったかな。
とにかく、ちょっと色々な方面と繋げる話をすると、途端に頭がファアアアア・・・(フリーズ)っとなってしまう。
物事の背景とかつながりを考えずに、答えだけを暗記しようとする、ということがこういうことになるのか、と実感してしまった。
答えだけでも生きていけるけれども
まぁ、そんな感じの人でも、今はAIやら何やらに質問すれば、答えだけ知って生きていける。
・・・んだけれども、この答えで納得せずに、「空気の流れ」「風の向き」「雲のでき方」をもっと調べてみようと思うとか、じゃあ同じだと言っている「台風」「梅雨」ってどうして広く出来るのか、とか、そういうことをどんどん疑問に思う気持ちは持ったほうがいいんじゃないかな?と私は思ってしまう。
それを、「AIがこう言っているから」とだけで終わらせてしまう人もいるんだな、と面倒くさい思考回路の私はいつも驚くし、こういう子が世の中に溢れたら日本はどうなってしまうのだろうか?いやもうそういう世界が始まっているのだろうか・・・とこの先の日本が、世界が心配になってくる。
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