こんにちは、ドクダミ淑子です。
本というのは出会いだなと思っています。
次にいつ出会えるかわからない。
ネットで買おうにも自分がタイトルを覚えていることができるかわからない。
というか「読みたい本」リストを作っていても、そこから探す機会がない。
ですので、パッと見て「いいな」と思うものはなるべく買うようにしています。
・・・というわけで、子どもの絵本(『でんにゃ』という蛍光ピンクの表紙の本を買いました)と一緒にこちらを購入しました。
蛍光ピンクと蛍光グリーンの本を買う。
どんな内容なの?
公式サイトによると、こんな内容です。
過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇。
自分の機嫌を自分でとれない方にたのしんでいただけたらありがたいです。
めんや 評論家おことわり→ラーメンを実際に作ってみて気づいたことを全てかきました。
BAKESHOP MIREY’S→若い方に相談をもちかけられると、ついつい力技で一瞬で解決してしまいたくなる、私の悪いところから生まれた話です。
トリアージ2020→これは実際に私の身の回りで起きたことがもとになっていて、私の鎖骨の間にも抜糸の跡があります。
パティオ8→これも私の友達から聞いた話がもとになっています。zoomで吐いたのは私の話です。
商店街マダムショップは何故潰れないのか?→昔から商店街マダムショップがきになっていて、ようやく最近、中に入ったり、購入することができるようになりました。その度に、女主人たちがなぜか驚いた顔をすることから、生まれた話です。
スター誕生→どうして、この話を書こうと思ったか、理由は伏せますが、強いて言うならば、MCワンオペがうっかり言ったことは、私が本当にたまたま口にしたことです
柚木麻子『あいにくあんたのためじゃない』特設サイト | 新潮社
スッキリ爽快?
帯には特設サイトにも載ってる各著名人からのコメントが掲載されていました。
スッキリ爽快!強炭酸!みたいなワードが並んでいました。
たしかに、女性蔑視がちなラーメン評論家とか、コロナ禍のリモートワーク中の子供の声が気になって怒鳴り込むモラハラ気味なオッサンとかが散々な目に遭うというのは、スッキリ爽快な面もある。
私もそういう気持ちで読んでいたストーリーもある。
あるんだけど、でも、その中でなんとなく「オジサンの悲哀」「ネット社会の負の側面」みたいなのを見てしまう。
ラーメン評論家なんかは、自分の感覚(女性の外見を馬鹿にしたりセクシュアリティに触れたりする)を文章にして載せなければ、ただの近所の差別的ジジイでおさまっていたと思うのだ。
それがネットのせいで外に出てしまい、結果的には叩かれることになる。
最後の話に出てきたオジサン達もそんな感じだ。
最後の話なんて、最終的に「世間」に迎合する道を選んだけど、私はそれでいいのか?と思ってしまった。
迷惑ジジイなら迷惑ジジイらしく、最後まで迷惑ジジイを貫けよ!と。
(貫かれたら周りは困ると思うけど)
なんか、ネットの力で迷惑ジジイを撃退してやろうぜ!みたいなのに、私は少し考えさせられてしまった。
MCワンオペみたいな目にあったら、ジジイが叩かれてザマアミロかもしれないけど。
おじさんに思いを寄せる
ここで「おじさんはいるだけでなんかマイナスになる」という話を書いたんだけれども、この本を読んでいても同じことを思った。
オジサンは存在しているだけで罪な世の中。
「子どもは母親が見るもんだろ」「女のくせに出しゃばって」「男なら家族を養え」なんて言おうものなら袋叩き。
それもまた、「自分にとって不快なものは徹底的に排除したい」という極論なのではないだろうか?
・・・とオバサンになっている私は思うのです。
ネット炎上が好きな方に
この本で描かれてされているのは、迷惑オジサンだけではない。
口だけで行動しない若い女の子、コロナ禍でSNSに浸る妊婦、謎のマダムショップなどなど・・・
私のように、ネットの炎上が大好きなゲスな人間にはワクワクする内容だと思います。
柚木さんの小説はわりと好きなものが多い気がするので、またコツコツ読んでいこうと思います。
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