こんにちは、ドクダミ淑子です。
お客様と会話をしていて「選ぶ」「比べる」について考えた出来事があります。
新卒採用の話をしていて、お客様がこう言いました。
「企業がおたくらの仕掛ける学生争奪戦に巻き込まれて煽られている気がする」
比べられるのは嫌だ
今、新卒採用についてはインターンシップってやつが重視されていて、大学3年生の夏休みくらいから企業と学生の接点が生まれているケースが多くなっていて。
その辺で「早期化」「青田買いはよくない」みたいなことを言われているんですよ。
このブログでは詳しいことは書きませんが、まぁそういうインターンやりましょうみたいなのが「煽っている」とか言われているんですね。
「たくさんの企業にインターンに行きましょうとか、たくさんの企業に説明会に行ってたくさん受けましょうとか・・・煽っていますよね?それに私たちが振り回されているような気がするんですよね。」
・・・まぁ、それはずっと言われているよな。
「こっちもそうすると沢山の学生に会わなきゃいけないし、早い時期から比較対象にされるのはきついんですよ」
比べないのも不安
そしてその5分後。
「なんか、うちを受ける学生さんって、あんまり就活をしていないというか。うちが1社目です~みたいなことを言う人も多くて。」
「1社だけ受けて、1社で決めちゃう人が結構多くないですか?そうやって、安易に決めちゃっていいんですかね?」
・・・うん?
あなた、5分前に何て言ってました?
たくさんの学生がたくさんの企業と接点を取るっていうのに振り回されている!とか言ってませんでしたっけ?
「そうやって、1社だけ受けて1社に決めちゃうと、うちの説明会に来てくれる人が減るじゃないですか?」
「その1社がうちだったとしても、今度は他を見ないで就職しちゃうって怖くないですかね?」
いやわかるよ、わかるんだけど・・・
矛盾してるの、気づいてる?
適度に比べて、適度に選んでほしい?
ざっくり言うと、学生さん達の行動量って二分化していて。
たくさんの企業を見て、そこから自分の納得する就職先を見つける人と、よさげな数社ないしは1社ずつ受けて、内定出たところにパッと決める人と・・・って感じに分かれる。
前者だとインターンシップにたくさん参加したりして熱心に活動していて目が肥えているから私のクライアントを選ばなそうだし、後者だとフィーリングで選びそうだけど、それはクライアント的には「もっと比べた方がよくない?」となるらしい。
・・・うーん、難しい。
お客様的には「適度に比べて、その上でうちを選んでくれれば、納得感もあってよい」なんだろうけど、その「適度に」は学生の感覚であり、こちらが煽ろうともコントロール出来ることではない。
本人が「1社しか受けていないけど、いい感じだしここに決めよう」と思うなら、それは適度なのだから。
結局、欲しい層に選ばれない問題なんだよな
時々、Excelとかで各項目に得点をつけて、会社を比較するみたいな就職活動や転職活動をするもいるんだけど、最終的にはだいたいの人が「雰囲気」「直感」「フィーリング」で決めるわけで。
(福利厚生が充実してて働き方がブラックじゃないことは大前提)
そこで、たくさんの企業を見ている学生に決めてもらえないということは、企業側にも何か課題があると言わざるをえない。
それを「学生がたくさん企業を見すぎているからだ」もしくは「学生が企業を見ていなさすぎる」と、学生の方や人材業界の方に改善を求めても、根本的な解決にならないよなぁ・・・と思ってしまう。
「たくさん見すぎないで適度に見て欲しい。その中でうちに入社を決めて欲しい」
気持ちはわかるけど、それは無理な話だよなぁ・・・
たとえ「煽る」ことが出来たとしても、「決める」は本人だから。
マッチングは難しい
企業は「自分の会社に合う人に入って欲しい」、学生は「自分に合う会社に入りたい」なんだけど、そのマッチングがとても難しい。
お互いの自己評価と現実とのギャップもあるし、仕事内容と待遇もなかなか変えられない。
私達人材系の企業は「企業の良さを引き出す」ことはできるかもしれないけど、最終的に選ばれるかどうかは、選ぶ側に委ねられる。
でも、「それっておたくの問題ですよね~」とは言えずに、なんだかんだでフォローはしていくんだけど。
「出会う」「比べる」「選ぶ」「決断する」はコントロール出来ないから、採用の仕事は難しい。
でも、大切なのはたとえコントロールできないものにしても「誰かのせいにしない」なんだよなぁ・・・なんて思ったのでした。
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