こんにちは、ドクダミ淑子です。
仕事中、ある日の夕方に、とある後輩が相談に来ました。
「○○県○○市で従業員数○○人くらいの会社で、○○職を募集したときの応募数と面接実施数と内定出し数と採用数を知りたいです」
ほう・・・いつまでに?
「今日までです!」
ほう・・・
今日と言っても、私は残業しないので、残り2時間もないのだが。
突然の依頼に、応えられない問題
こういう子、結構いるんですよね。
私を魔法使いだか、データベースだかと勘違いしている子が。
まぁ、人の入れ替わりが激しい人材業界で入社13年目って言ったら、もはや仙人のような存在ですからね。
何でも出てくると思ってしまうのも無理もないかもしれない。
実際出てくることも多いしな(自慢)。
特に、この子が所属しているチームのリーダー(私よりも先輩)が、「ドクダミ~資料くれ~」「いつまでですか?」「あと30分後に出る、ハハハハ」「フフフ・・・(時間なさ過ぎる)」みたいな人だからその影響もあるのかもしれない。
あの・・・私、あなたとは別チームの営業なんですけど! あなたの専属アシスタントじゃないんですけど!・・・ってなるけど、できるだけ用意しちゃうんですよね。
私、優しいから(自画自賛)。
ただ今回は、なかなかそれに応えられる手段がなかったのです。
○○市っていうのもなかなかその業界の企業が少ないエリアだし、職種自体も少々ニッチ、さらに応募数はわかっても、その先は記録に残っていないケースも多く・・・
「ごめん、その要望に今から100%の回答を用意することはできないわ」
その子は、明らかにがっかりしていました。
近いもので説明するのも、テクニックよね
「もう少し言うとね、今日中じゃなければ、○○に問い合わせたら出てくるかもしれないし、○○市じゃなくてもう少し近隣の区市町村まで広げたら出てくるかもしれないし、応募数だけの一覧だったら出てくるかもしれないの。全部はないけど、どれが大事なのかで、出せる情報を組み合わせて提供するしかないと思うのよね」
「はい・・・」
「そのへん、お客様がどこを重視しそうか、わかる?」
「・・・わかりません」
「そっか・・・今から聞ける?」
「無理です・・・どうにか全部出せませんかね?」
あくまでも100%の回答を求めるのか・・・困ったな。
なぜかその子は、私の前に居座りそうになったので、席に戻って直属の上司に相談するように、と言って帰しました。
だって、居座っても、出てこないものは出てこないんだもん。
そして、すぐに上司にチャットで報告。
営業が上手い人は、すり合わせ上手
「私の先輩だったら、こういう時にどうするかな?」
100%の回答が出ない時に、他の人はどうするか?
過去の尊敬する営業マンの先輩を思い浮かべました。
思い浮かべた営業マンの先輩たち。
1人は、「難しかったけれども、ここまで調べました!」と大変だった感をアピールして、足りない情報でも納得してもらえるような情報を組み合わせて話していました。
もう1人は、この情報を出すには、あと○日かかると交渉して、待ってもらうか不足があっても期限内に出すかをお客様に選んでもらっていました。
もう1人は、「そもそもこの情報はいらない」と、条件をいくつか切り落として(その説明もして)、ある情報で十分だと言って納得してもらっていました。
さらにもう1人は、ある情報を元に、足りない情報についてはハッタリをかまして、経験に基づいてそれっぽい数字を出していました。
それぞれが、色々な方法で足りない情報を補って、お客様に満足してもらうことを目指しているんですね。
そういう「交渉」がちゃんとできる人が、できる人なんだよなぁ・・・と改めて思ったのです。
言いにくいことも言えるようになるのも成長よね
さて、冒頭で話していた後輩がどうなったかというと・・・
「お客様に説明して、○○市の近隣まで広げることにしました」
なんだか晴れやかな顔をしています。
「調べられませんでしたって言ったら、使えない奴って思われるのかなと思ったんですけど、ちゃんと説明したら『そこまでちゃんと考えて調べてくれているんだ』と喜ばれたし、一緒に条件を考え直してくれたので、良かったです」
そう、お客様に「できません」と言うのは、言いにくいよね。
でも、それを言って、すり合わせることも大事。
小さな出来事ですが、その後輩ちゃんも営業として1歩前に進んだような気がしました。
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