こんにちは、ドクダミ淑子です。
鬱などのメンタルヘルスでの休職者や早期離職者が増えている企業の採用担当者から、こんな相談を受けました。
「ストレス耐性とか、メンタルが弱い人とかが簡単に診断できるツールってないですかね?」
もうね、「そんな発言しているから、テメーの会社はダメなんだよ!」と怒り狂いそうになりました。
怒りをこらえつつ、丁寧にお話ししたことを今回はまとめてみます。
どんな環境にストレスを感じるのかは、人それぞれ
そもそも、心の病になってしまうのは、本人が生まれ持ってきた性質ではなく、本人のタイプ+環境であると思います。
どんな環境だとストレスを感じるかは、人それぞれ。
- いつも構っていてほしい人は、放置されることがストレス
- ある程度放っておいてほしい人は、常に絡まれることがストレス
- 高い目標を達成するのが楽しい人は、「お前のレベルだとこの(低いハードル)程度だな」がストレス
- 低い目標を達成して徐々に自信をつけたい人は、「お前ならこれ(高いハードル)もできる!」がストレス
同じ環境でも、ストレスを感じる人とそうでない人がいます。
だから、前職ではストレスを感じていたけれども、同業界・同職種で会社を変えたら全然ストレスを感じなくなったなんてことが、起こりうるのです。
ストレス耐性なんてはかれない
だから、「この人はストレス耐性が高い/低い」なんて一概にはかることはできないのです。
仮に「ストレス耐性100点!」なんて診断ができるテストがあるとすると、それは信憑性が著しく低いと思います。
会社や仕事で感じやすいストレスを考えてみる
だから、よい採用ができることをアドバイスする立場としては、「自社の仕事や職場環境、社風で感じやすいストレスを考えて、それに耐えられそうな人はどんな人かを逆算してみましょう」という話をします。
と書きましたが、大抵、そういうことを言っている会社はこんな感じです。
- ワンマン社長
- 体育会系
- 目標へのプレッシャーが高い
- 仲が良いをはき違えてムダなコミュニケーションが多い
- うまく行かないと「お客様のために」を隠れ蓑にする
- できない人をバカにする
- すぐに、「あいつはダメなやつ」とレッテルを貼る
- 教え方が下手、見て覚えろとか言っちゃう
多くの人は、ストレス感じまくりだと思うのです。
そして重要なのが、次に書かれていることです。
- その環境でストレスを感じない人しか残っていない
だから、既存の社員は、その環境に違和感を持ったり、多くの人がストレスを感じやすそうな職場だとか思ってないんですよね。
それで、辞めていく人が多い理由が理解できないでいるのです。
職場環境が現代にあっていない会社がすべきこと
最初の話に戻って。
休職者や早期離職者が多い会社がすべきことは、メンタル系の診断ではありません。
採用ターゲットを変える
つまりは、「その会社に入っても辞めない・病まない人を採る」です。
今残っている人はどんなタイプで、辞めてしまう人はどんなタイプで、だからどういう人を採るべきかをきちんと考えること。
メンタルが強い/弱い・・・とかではありません。
どういう行動をするタイプか、行動で見ます。
たとえば慎重な人なのか、考えるよりも動く人なのか、勝ち負けにこだわるのか・・・などです。
会社の業務内容、社風、教育環境などを確認し、今いる人に話を聞くと、どういうタイプが向いているのかはなんなくわかるので、それを伝えます。
「今残っているのはバカばかりだから、もう少し賢い人がほしい」と言われることがあります。
よくよく話を聞いてみると、「そんな会社なら賢い人はすぐ辞めて、バカしか残らないですね」って言いたくなる状況だったりします。
そこは、自社の現状と採用ターゲットの設定が間違っているのです。
社風や制度を変える
「今いる人と違うタイプを採りたい」と思うなら、会社を変えるべきです。
今時、仕事にやりがいをもって、最低賃金で働き、将来の出世のために残業も厭わないなんて人は少数です。
経営者意識を持つ人は、経営者になります。
だから、現代に合わせた社風や制度にアップデートをしましょう。
サービス業なら土日出勤は当たり前?
月に1回は必ず土日休みを取れる会社が増えているのを知らないんですか?
営業職なら残業するのが当たり前?
そんな会社は応募がゼロで困っていて、どんどん残業を減らしてますよ?
「当たり前」なんてありません。
ちゃんと社員の顔(表情・健康状態)を見て、会社としてすべきことを考えてみましょう。
辞める人が悪いではなく、自分達を見直してみる
採用活動をうまく行うためには、すぐ辞める人が悪いのではなく、すぐ辞める人を採用してしまったことが悪い、すぐ辞める原因を作ってしまったことが悪い・・・と、相手ではなく自分に改善ポイントを見いだすことです。
これは恋愛でも同じで、「私が付き合う人ってヤバい人ばかり」っていう女は、大体自分がヤバい人だと思うんですよね。
こちらもどうぞ