こんにちは、ドクダミ淑子です。
結局、人は「自分で探す」ということは出来ない生き物なのだろうなと思うことがありました。
お見合いがなくなったのに
たとえば、結婚。その昔は「お見合い」ってものがあって、年頃の男女を親とか親戚とかお見合いおばさんとかが、「まぁこのスペック同士なら釣り合うだろう」みたいな感じで紹介して、そのまま可もなく不可もなければ結婚するって流れがあった。
でも、それを「お見合いは時代遅れだ、今の時代は自由恋愛だ」と言ってなくしていったのに、結局マッチングアプリで紹介された男女が付き合い結婚していく(マッチングアプリでの成婚が22%くらいだというデータもどこかで見た)。
5人に1人が「マッチングアプリ」で出会って結婚 職場結婚・紹介に迫る勢いで急増中:11月22日は「いい夫婦の日」(1/2 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
結局、「あなたにはこういう人が合っていると思うよ」という第三者からの意見があった方が人は行動しやすいのだろう。
大学名=就職先が決まるがなくなったのに
就活も同じで。
その昔は、大学名=就職先が決まるみたいな時代があって、それを打破して「自由応募」にしようぜって流れになってきたけど、最近はそれも逆行している。
スカウト型の求人が増えて「企業が学生を選んでスカウトをし、学生がそのスカウトを承諾するか否かを選ぶ」みたいな時代になってきているのだ。
つまり、企業側から声をかけてもらえる学生ではないと、選考を受けるチャンスがないということじゃないか。
結局「自分で選ぶ」というのではなく、「最初にある程度脈ありだと言ってくれた人の中から決めたい」ということなのだろう。
「選ぶ」「決める」というのは、それだけ難しいことなのだ。
AIのお導きで付き合う時代
今は、マッチングアプリを使う自由も使わない自由もあるけれども、もしかしたら少子高齢化対策として、そう遠くない将来に「婚活」についても強制的にマッチングさせられる世界が来るかもしれない。
お互いのパーソナリティーとか生い立ちとかを把握されているシステムに、「この人と付き合え」と指示されたり、「こういうデートをしろ」と言われたりして、それに従っているうちに恋心が芽生えて、成婚まで行く。
本人達は、「偶然出会った」「アプリの指示に従ってるけど、自分で行動している」と思うかもしれないけど、それは全てAIが「成功率の高い組み合わせ」「成功率の高い行動」をデータベース化して、提示しているだけなのだ・・・みたいな。
でも、それで「幸せになれました」ってなったら、文句を言う人もいなくなる。
結局、「自分で選ぶ」「自分で決める」ということの重さに、人は耐えられないのかもしれない。
未来日記がシャレにならない時代になる
AIが何でも考えて、何でも決めてくれる世界で、人々はどんどん「自分で考えて、自分で決める」が出来なくなってくるのかもしれない。
はあちゅうさんなんて、ブログもChatGPTに書かせて得意気になっていたし、しかも皮肉なことにその出来上がった文章は、普段の彼女が書くものよりもずっと長文で、日本語もしっかりしていて、私はブロガーはあちゅうの終わりを感じて切なくなった。*1
「誰かに決めてもらいたい人達の時代」だと、昔流行っていたテレビ番組の『未来日記』なんかはシャレにならなくなってくるのかもしれない。
あれが流行っていたのって、「自分で決めるのではなく、日記に決めてもらうというあえて受け身な態度を取ることで、結果として人の心が動き人生が動くのが面白い」というのがウケていたと思うんだけど、もう今の時代「AIにマッチングしてもらうこと」は、当たり前になってしまっている。
指示に乗っかって、誰かに人生を「動かしてもらう」ことが特別なことではなくなっているのだ。
そう考えると、ちょっと怖くなってくる。
AIは、責任を持ってはくれないから
AIは、マッチングさせるところまではやってくれるけど、その後どうなるかなんて、わからないだろう。
恋愛の相性100%の相手と出ても、その後の状況や環境の変化でお互いが変わらないとは限らない。
就職だって転職だって、入ってみたら思っていたのと違ったというのは、お互いあり得る。
その時に、誰も責任なんて持ってくれないのだ。
「今回は上手く行かなかったけど、また次は上手く行くように紹介するから、ね?」と言われても尚、自分で選ばない人生を歩むのか?
それとも、たとえ失敗の可能性があったとしても自分で選ぶ人生に変えるのか?
・・・現代の「誰か(AI)が決めてくれる」に慣れてくると、それでも前者を選びそうだなぁ、なんて思ったりする。
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*1:余談だけど、はあちゅうさんよりもアメブロランキングが低い人でも、しっかりと文章を書こうという気持ちの人も見かける。なぜ「なぜこの人よりもはあちゅうさんの方がランキングが上なのか、わからんなぁ」と思うことがある。結局はアメブロランキングは更新頻度というポイントが大きいのだろう。