こんにちは、ドクダミ淑子です。
Twitterを開くと、時々こんな感じの意見が流れてくることがあります。
「人間のオスは本来～である」
「人間のメスはこういう理由で～に向かない」
そういう考えを持った方をフォローしているから、流れてくるんですけどね。
今まで、「私はなぜこの人の意見にモヤモヤするのだろうか？」と考えて答えが出ないからそのままにしておいて、また流れてきてモヤモヤして・・・を繰り返していたのですが、やっとモヤモヤの理由がわかってきたので、今回はそれをまとめてみようと思います。
オスは狩りをしメスは子を育てる？
「動物的には本来～」っていう説を唱える人って、だいたいこんな感じのことを言います。
- 人ヒトという動物は、オスが狩りをしてメスが子どもを育てるものである
- 現代の男性の育児参加や女性が働くことはヒトの動物的な特性から逸脱している
- ヒトは生殖機能がなくなっても死なないから、祖母が子育て参加する生き物である
- 親と同居して一緒に子どもを育てることが生物的観点から合理的である
ヒトの生態やら、原始時代の生活スタイルなどから、現代の日本の生活スタイルがヒトにとって不自然なものである、という言説。
あとは、女性はリーダーシップを取るのに向かない生き物だから、今の女性管理職を増やす取り組みは上手く行かない、とか。
なぜ「野生」に戻したがるのだろうか
まぁ、わかるんですよ。
「なぜ、この世の中は上手く回っていないのか？」とか、もっと身近な問題で「なぜ、私はパートナーと上手くいかないのか？」とか、そういう問題を考えていく1つの手法として、「人間の本能とは」みたいな話を持ち出して考えてみると、1つのヒントがあるだろうってことは。
でも、だからといって「大昔、野生で生活していた時の（もしくは江戸時代くらいの）スタイルに戻すことで、生きやすくなるのではないか？」というのは賛成しかねる。
たとえば、長屋で祖父母や成人した兄弟など含めてごちゃっと暮らしていた時代に戻したとして、女性は専業主婦で子供を育てることに専念し、男性は仕事に精を出し子育てはノータッチにして、本当に生きやすくなるか？
私は答えはNOだと思う。
生活のためにやむなく同居していた家族、仕事に向かないのに生活の為に踏ん張らなければいけない男性、外で働きたいのに家庭に入らざるを得ない女性・・・
生き方の選択ができない時代に戻すことに、何の意味があるのだろうか？
なんだけど、多分そういうことを考えている人たちは「日本の発展のため」とか「日本の未来のために」とか、そういう広い思考で考えているのだろうと思う。
自分の人生を犠牲にして生きることに何の価値があるのだろうか？
でも、そうやって、自分の人生を犠牲にして、日本の発展とか日本の未来のために人生を捻じ曲げることに、何の価値があるのだろうか？と私は思う。
その結果が「日本の衰退」であっても、もうそれは仕方がないのではないだろうか？
子どもを産み育てたくない人がいることも、生活スタイルをキープしたいから少数の子どもしか産まない家庭も、一生結婚しない人も、同性カップルの人も、自分自身の幸せを追求して死んでいけばそれでいいじゃないか。
高齢者世代は自分たちのことしか考えていない？も謎
ただ、その中で、きっと「日本の未来のために」ということを考える人もいると思う。
私だって、子どもが生まれてからは、「この子が生きやすい世界にするためには」ということを前よりも考えるようになった。
そうやって、自分の幸せを追求する人と、それプラス未来のことを考える人とがいて、世界がちょっとずつ良い方向に向かって行けば、それでいいじゃないか、と思う。
そんな中、不思議なのが「高齢者は自分たちのことしか考えていない」と言う意見。
たしかにそういう人もいるかもしれないけれども、高齢者だって、自分の子や孫や、もしくは血がつながっていなくても次世代のことを考えてくれている人だっていると思う。
考えた上で、「やっぱり長期間政権を担っている自民党が安心だ」と思っている、そういうケースも多いだろう。
野生に戻りたいなら野宿から始めてみては？
話は戻って、野生に戻す、旧来の形に戻すことで、私たち一人一人が幸せになれるなら、それでいいと思うけれども、こんなに考え方や生活スタイルが多様化している中で、一律に「この制度でよろしく」なんていうのは無理があるのだ。
「あなたが」生きにくい、「あなたが」オスメスの区別をつける生活をする、ならそれでいい。
でも、一人一人の選択を奪い、「これが王道」というのは、なんだかおかしいなと思ってしまう。
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