ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

「クリーンな裏稼業」で思い出すこと

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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

私が追いかけているはあちゅうさんが、なんと「別れさせ屋」なる企業のPR・インタビュー記事風の広告に出ていらっしゃいました。

 

No.2 エムトーーク 頼れるプロの存在が心の負担を軽くする ブロガー・作家 はあちゅう × M&M代表取締役 吉野颯海| 別れさせ屋M&M/24時間365日無料相談対応

 

それを読んで、「ああ、こういう裏稼業の広告まで出ちゃうようになったのねぇ」としみじみしたのですが、これを読んで思い出した、私が仕事の中で考えたことを書いていこうと思います。

 

 

クリーンな裏稼業?

このPR記事と会社概要を読んでいると、「うちはクリーンですよぉ」と一生懸命書いているんですよね。

 

M&Mの企業理念、それは「Mind&Mind-心と心を繋ぐ-」です。
この「Mind」すなわち「心」には、「思い」という意味を込めています。

たとえば、恋愛工作によってご依頼者様の「思い」を。
別れさせ工作であれば、「あの人と別れてほしい」「あなたと別れたい」という「思い」を。
復縁工作、出会わせ工作であれば、「あなたともっと一緒にいたい」「あなたと仲良くしたい」という「思い」をお相手に伝え、心と心の架け橋になるのが私たちの仕事です。

しかし、M&Mにはそれ以外にも繋ぎたい「思い」があります。
それは、ご依頼者様の「思い」とM&Mの「思い」です。

ご依頼者様のお悩みが解決するよう、親身になってお手伝いしたい。
悲しみ、苦しみ、喜び。ご依頼者様が抱いているすべての「思い」を分かち合いたい。
それが、私たちM&Mの願いです。

 

おお、感動的だな・・・

 

しかし、この文章を読んで、私の「ヤバい会社センサー」がピンと立ちました。

 

裏稼業なのにクリーンですとアピールするその姿勢に。

 

「あの人と別れてほしい」という「思い」を・・・なんて、いやいやそれは呪いの間違いでは・・・と身震いしてしまう。

そして、それをキラキラした眼で書いている(であろう)、社長のことを想像すると、さらに身体がガクガクと震えてくる。

 

 

マインドセットの恐ろしさ

私は人材系の営業をしているのですが、しばしば、こういう会社に出会いました。

「こういう」というのは、綺麗な言葉で会社の存在意義を語り、社会に対してプラスになっているとアピールする会社です。

社員に対しても、「我々の仕事は、人の役に立つ、やりがいのある仕事だ!」と事あるごとに伝えて、その意義を浸透・・・いや洗脳させていくような会社です。

 

1つ例を挙げましょう。

 

ある勉強会で、パチンコ店の社長がスピーチをしていました。

彼は、幼少期から家業が嫌でたまらず、お父様から会社を継いだ時、とても悩んだそうです。

しかし、常連さんの高齢男性から、「この店が好きだ。この店があるから毎日楽しく生きていられる」と笑顔で言われて、ハッと気づいたのです。

「そうか、自分の仕事は、地域の人を笑顔にさせているのだ!」と。

そこから彼は、パチンコ業という仕事に誇りを持ち、より一層、地域になくてはならない店になるために、努力をし続けようと誓ったのでした。

めでたしめでたし・・・

 

こういう「やりがい」って、どんな業種でも作り出すことができるんですよ。

別れさせ屋やパチンコ店じゃなくて、転売ヤーでも、ぼったくり健康食品の販売でも、違法薬物の売人でも、オレオレ詐欺集団でも、新興宗教でもマルチ商法でも。

自分が何かをすることで、「誰か」を幸せにすることができる。

たとえ、その仕事の結果また別の「誰か」が不幸になっていても、それには目をつぶってしまえばいいのです。

 

「自分の仕事には意味がある」とアピールすること、そして自分自身にそれを信じて止まないようにする暗示をかけることで、たとえ裏稼業でも違法でもなんでも、「やりがい」を持ってやることができるのです。

・・・というのを、別れさせ屋の件で思い出しました。

 

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それは本当に「幸せ」なのだろうか?

かく言う私の勤めている人材系企業でも、新人は電話帳片手に営業電話をかけまくるところからスタートしているんですけれどもね。

そして、その電話掛けで心が折れそうになった時に、「この1本で誰かの人生を変えるような募集を生み出すかもしれないから」みたいなことを言って、「こんな時間に突然電話かけて迷惑かな?」とかそういう遠慮を全て吹き飛ばすんですけどね。

 

まぁ、最近はその手法もだいぶ変わってきて、Google広告やらオウンドメディアからの集客やらにシフトしていますが。

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「意味」「意義」なんて、言い方次第でどうにでもなる

「やりがい」だの「仕事の意味や意義」だのっていうのは、言い方次第でどうにでもなるんです。

そして、言い方次第で、どんな犯罪まがいの会社でも「やりがいのある会社」「人の役に立つ会社」と言えてしまう。

 

だからこそ、「本当にそれは役に立っているのか?」「誰かを不幸にしていないか?」ということは真剣に考えた方がいいと思う。

いや、渦中にいるとそういうことを考えさせないようにするから、できればその会社と関係のない周りの人に意見を聞いた方が良いと思う・・・んだけど、そういうことが出来る人は、そういう会社に引っ掛かることもないんですよね。

だから、少しでも「ヤバい」と思ったら、心の距離を取ることが大事なんですよね。

 

年末年始のお休みは、そういう意味でもいい機会。

自分の会社は、クリーンな裏稼業でないかどうか、点検してみてはいかがでしょうか?

 

 

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