こんにちは、ドクダミ淑子です。
ちょこちょこ読み進めていた山本ゆりさんのエッセイ本を、読み終わりました。
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最近ちょっとヘビーな本を読んでいたのでそのお口直しに、寝る前に、新型コロナのワクチン接種の待ち時間に・・・と、「ちょっと気持ちを切り替えたいな」「短時間でサクッと読めるものを」という時に、エッセイ本って良いですよね。
どんな内容なの?
公式サイトによると、こんな内容です。
著書累計670万部の人気料理ブロガーで料理コラムニスト・山本ゆり、5年ぶり待望のエッセイ集。
「特になんの事件もない、何気ない日常の話をこれでもかと詰め込んだ1冊。でも人生は日常がすべてなんですよね。どこを切り取るか、どう捉えるかで人生は悲劇にも喜劇にも持っていけるから、どうせなら小さい幸せをいちいちクチャクチャ噛みしめ(ガムか)、できるだけ面白がって過ごしたい」(著者あとがきより) 時に一緒に笑い、時に悩みに寄り添って涙する。泣いて、笑って、大忙しの作品集。大人気料理ブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」の大反響ネタに大幅加筆。さらに書き下ろしの新作も多数掲載。エッセイにちなんだおいしいレシピも掲載した欲張りな一冊です。
最初は、料理にちなんだエッセイが多いのですが、だんだんと山本ゆりさんの「核心」「根幹」「軸」というか、考えていることの中心みたいなものが見えてくるエッセイが増えていく・・・重厚なコース料理のような本です。
気遣いの人なんだな
・・・といっても、前半が軽いかというと、別にそうでもなく。
ある表彰式に何を着ていこうか、ある人へのプレゼントに何をあげようか、お母さんを「ママ」と呼んでいることをどうやって隠そうか・・・色々なことに対して、ああでもない、こうでもないと考えている。
山本さん・・・いや、ここは「ゆりさん」と呼ばせてもらおう・・・ゆりさんは、ものすごい気遣いの人なんだなと思った。
気を遣い過ぎて、相手が考えてもいないことまで考えを張り巡らせて、その結果よくわからない行動に出てしまうし、なんだか疲れてしまう。
でも、そういう気遣いの出来るところが文章ににじみ出ていて、たくさんの人に愛されているんだなと思いました。
思っていたことが書かれているという感動
時々、私のブログを読んだ方から「思っていたけれども上手く言葉にならなかったものが書かれていてスッキリしました。ありがとうございました」といった感想をいただくことがありますが・・・まさにそれ!を感じた箇所がいくつかありました。
私の思っていたことがそのまま文章になっている!すごい!
正直なところ、今まで私は「それ」を体験したことがなかったのですが、今回「自分の思っていたことが文章になっている気がするくらい、共感する文章」って、読むとこんなにスッキリした気分になるんだな、すごいなぁ・・・と改めて思いました。
そうそう、それそれ、そうなのよ!
・・・と思ったのは、この文章。
これまでの人生、他人に怒ったり声を荒げることなどない、穏やかなほうだと思っていた。まさか自分がこんな小さな子どものやる事に本気でブチ切れてしまうなんて。子育てが嫌になるのは、子どものことが嫌になるんじゃない。自分のことが嫌になるのだ。子どもを産んでから、自分が人としてめちゃくちゃ未熟であることを毎日突きつけられるのだ。
わーかーるー!
これもまたグッときた。
早く大きくなってほしい、会話ができるようになってほしい、早く自由に仕事がしたい。子育てが終わった人は、その時間が懐かしくなる、戻りたくなるというし、そういうブログや本を読んだりしても、私はならん、忘れへんと思っていた。
これは「今を生きる」というお話で、子育てのバタバタの中でふと子どもの成長が寂しくなったり、「今を大切に」と思ったり・・・でも無理!ってなったりと行ったり来たりするんだけど、その行ったり来たりもよくわかる!ってなる。
また、「これこれ、私が思っていること!」ではないけれども、「ああ、ゆりさんはこういう考え方なんだな」と思うことも紹介したい。
それは、「人を傷つけない文章」について。
こちらが話したり、文章を書いたりする時は、相手の善フィルターはないもの、むしろ悪フィルターがかかる可能性が高いとみて、どこかに誰かを傷つける言葉、モヤっとさせる言葉がないかを気をつけなあかんと思う。<中略>すべての人が不快に思わない文章は無理やし、考えだしたら何ひとつ書けなくなる。でも自分が発した言葉で誰かが傷ついて1日を過ごすことは、避けられるなら避けたいし、できるだけ優しい気持ちになる言葉を使いたい。
よく見かけるのは、「全員を傷つけないなんて無理なんだから、自分に正直になって私は私の思うことを言うのだ」みたいな言葉。
・・・それは正しいんだけど、それが1番「簡単」なんですよね。
最終的に、気遣いを「知らん」と放棄しているから。
でも、ゆりさんはそうしない。
「全員を傷つけないなんて無理」なのは認めつつも、でも、それでも、なるべく誰も傷つかない言葉を最後の最後まで考える。
面倒臭がりで、最終的に考えるのを「面倒臭い」と放棄しがちな私は、そこは見習わなければならないなと思いました。
ちなみにこの話、「言葉のかけ方、受け取り方」っていう話の次に、「どんな言葉をかけられても悪フィルターがかかってしまう日」についても書かれているんだけど、それもとてもジンとくる。
ずっと手元に置いておきたい一冊
私は、自宅のスペースの都合上、あまり本を置いておけず、読み終わった本はブログに感想を残して、だいたいメルカリで出品して手放してしまいます。
でも、この本は、今の私と、もう少し未来の私がまた読み返したい言葉がたくさんあるなと思ったので、手元に残しておく本にしようと思います。
育児に疲れた時、ふと忙しい生活に疑問を持った時・・・これを読み返してまた考えていきたいな。
こちらもどうぞ(これも手元に取ってある本です)