ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

その1件だけで、「経験を生かす」って言われましても

f:id:dokudamiyoshiko:20210401142120j:plain


こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

トイアンナさんのこのツイートを読んで、ズキューンと来たので、今回はその話をしたいと思います。 

 

 

 

n=1で知った気になることの危うさ

その前に、私がイラっとしたツイートの話もしておきましょう。

「なんでネントレしないんだろ?」の女医さんのツイートです。

 

 

「ネントレ」とは「ねんねトレーニング」のことで、ざっくり言うと子どもを時間割通りに生活させることで夜は寝かしつけなしでぐっすり寝るようにする手法です。

 

この方は純粋に「困っているママに伝えたい」というところからこのツイートをしたとのことですが、それにしても言い方があまりにも上から過ぎないか?・・・ということは置いておいて。

このツイートって、自分の子どもがたまたま寝る子だったって話じゃない?

ネントレの成果で寝るようになったかどうかなんて、わからなくない?

3ヶ月でしょ?

しかも、子ども1人だけでしょ?

 

1人だけ成功したからといって、それがどんな赤ちゃんにも当てはまると思っちゃっているのが、もうアカンと思うんですよね。

 

n=1(自分の子、しかも1人)で育児を語ることが、どれだけ危ういことなのか。

これはその良い例ですね。

 

 

「経験を生かして働く」の難しさ

また別の例を出しましょう。

私は仕事でしばしば、障害者支援施設の職員(支援員)さんにインタビューをしていました。

 

なぜこの仕事を志望したのかを聞くと、8割はこの答えでした。

「身近な人(きょうだいや親戚)に障害者がいて興味を持ったから」

まず、障害者支援という仕事を知っている人じゃないとたどり着けないことを考えると、まぁこれは変な話ではないですね。

 

毎回、インタビューの後に、施設長さんに報告するのですが、そこで聞いたのは、こんな話でした。

「身近な人に障害者がいる人は、仕事としての支援とのギャップにつまずく」

 

やっぱりここでも、n=1の壁にぶち当たるんですね。

「自分のきょうだい(または親戚や友人知人)はこうだった」が、他の利用者さんには当てはまらないことが多いのです。

一言で「障害者」といっても、本当に色々だから。

それを、「自分のきょうだいはこうだった」とゴリ押しする人は、仕事としての障害者支援には向かない。

だから、施設長はその志望理由で来たら、特に柔軟な考え方が出来るかをよく見るとのことでした。

たしかに、そこは重要だなと思ったのを覚えています。

 

 

1件だけで知った気になってはいけない

トイアンナさんは、「同じ経験をしたからといって助けられるわけじゃない」と書いていますが、助けられると思っている人は、「自分の経験と相手の経験は一緒だから、自分の経験を生かせる」と思っているということなのではないでしょうか?

でも、それはただの「1つの例」なだけであって、全員にそれが当てはまるわけではない。

 

だから、どんなことでも「自分の経験した1件」だけで語ることはできなくて、それ以外の膨大な事例を元に学び、自分の経験はそこそこにして、その人に合ったサポートなりケアなりをしなければいけなのです。

 

これがなかなか、難しいんだけどね。

 

 

こちらもどうぞ 

www.dokudamiyoshiko.com