こんにちは、ドクダミ淑子です。
ある時期、私立の女子小学校の登校風景をよく見ていました。
学校指定の制服とコートを着て、帽子をかぶり、ロゴ入りのランドセルも背負い、おでこを出した長い髪はきっちりと三つ編みをされて・・・という少女たち。
みんな、キャッキャとお喋りをしながら歩いていて、とても楽しそう。
そしてそこからエスカレーターで入る女子中学校の子たちは、さらに大声で語らいながら歩いています。
小・中・高と公立&共学の私は、彼女たちがどんな学校生活を送っているのか、全く想像がつきませんでした。
私にとっては未知の世界の、女子校。
「ナプキンを投げ合う」「先輩(もちろん女子)に憧れる」「学校の玄関にグランドピアノが置かれている」「挨拶はごきげんよう」「腐女子率が高い」なんていう噂を耳にしたことがあるレベル。
実際のところはどうなんだろう?
・・・ということが心のどこかで引っかかっていたんでしょうね、書店でこの表紙を見た時に思わず買ってしまいました。
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どんな内容なの?
公式サイトによると、こんな内容。
辛酸なめ子が、女子校の謎とその魅力にせまる!女子校育ちは「あるある」と頷き、受験生とその親はモチベーションがアップする、ポジティブな一冊。卒業生・在校生へのインタビューや、文化祭等への潜入記も充実。
メインは読売新聞オンラインでの連載コラムで、それに加えてan・anや別冊太陽のコラムも追加されています。
登場する女子校は、こんな感じ。
- 女子学院
- 広島女学院
- 聖心女子学院
- 東京女学館
- 慶應義塾女子
- 日本女子大学附属
- 雙葉
- 神戸女学院
- 学習院女子
- 東洋英和女子学院
- 豊島岡女子学園
- 十文字
- 横浜雙葉
- 聖霊
- 桜蔭
- 普連土学園
- 吉祥女子
- 玉川聖学院
- 同志社女子
- 白百合学園 …and more!
辛酸なめ子さん自身の女子校ライフと、女子校出身者のインタビューで「女子校とは?」と考えつつ、後半では女子校潜入記として色々な学校に取材に行き、先生や生徒さんから色々な話を聞いた話が収録されています。
女子だけの世界、それは
女子だけの世界というと、共学育ちかつ今まで女性ばかりの職場で働いたこともない私は、「人間関係が大変そう」「女子だけってなんか怖い」というイメージがありました。
でも、第一章の「女子校、その光と影」を読んで、そんな私のぼんやりとした偏見は一蹴されました。
そうか、男子の目がないからこそ、自由に自分らしさを全開にでき、好きなことに没頭できるのか・・・
女子だけだから、男子に良いところを見せるために闘う必要がないし、スクールカースト的な上下もない(私の高校も進学校だったからか、そういうのはなかったけど)・・・
なんだか楽しそうじゃないか!
この本に出てくるのは、主に中学校~高校の話なので、多感な時代に女子だけで生活することのメリットとデメリットが書かれていました。
「女子校育ちの方が、同性に対して敵対心がない」というのは、なんとなくわかる。
大学に入ってから、サークルの中に女子校出身者が何人かいたけれども、モテそうなキラキラ系女子のオタク女子に向ける目が優しい・・・というか、すごくフラットだな、何も思わず普通に接触しているなと思っていました。
女子校出身者の方が色々な女子の趣味嗜好に対しての許容範囲が広くて、逆に共学出身の方が、「オタク女子」に対して少し偏見がある気がしたのです。
それは、私自身も。
高校生の時って、オタクって「隠すもの」「オタク同士でしか秘密を共有しないもの」だったんですね、私の中では。
ラルクへの愛も、なぜか封印していたし(今もリアル友達で、知らない人も多い)。
外の世界に出る瞬間が気になる
ただ、ちょっと気になるのが、外の世界に出る時。
今まで「女子だから」「女らしく」「男女のバランス」なんて気にせず、女子の園で生きていた人がいたとして、いきなり社会に出てどうなってしまうんだろう?というのはちょっと気になりました。
冒頭の女子小学校を出て、中学・高校も女子校で、女子大に進んだら・・・なんと16年間も女子校育ちになるわけで。
そこから、建前では「男女平等」と言いつつ、本音では「女性だから○○」と言われてしまうような職場に入ったらどうなってしまうんだろう?
オタク趣味全開にすると気持ち悪がられるような現場を経験してしまったら?
「場を盛り上げるイジリ」と言う、悪しき慣習を初めて喰らったら?
・・・でも、まぁ、きっと女子校の友人たちが、そういう時も力になるんだろうな。
女子校ネタ満載の一冊
その他、上記の女子校については卒業生の声などが掲載されていて、それぞれの「校風」がよくわかる内容でした。
女子校志望の受験生の保護者の方が読むのがメインだと思いますが、卒業生が出身校を懐かしむのもよさそう。
そういえば女子校の話って、あまり聞いたことがなかったので、今後ちょっと色々な人に話を聞いてみたいなと思ったのでした。
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