ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

【本感想】彼女のこんだて帖 2度読んでも泣ける物語たち

こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

書店をぶらついていて、この本のポップに目が惹かれました。

 


 

 

 

どんな本なの?

公式サイトによると、こんな内容です。

 

長く付き合った男と別れた。だから私は作る。私だけのために、肉汁たっぷりのラムステーキを! 仕事で多忙の母親特製かぼちゃの宝蒸し、特効薬になった驚きのピザ、離婚回避のミートボールシチュウ――舌にも胃袋にも美味しい料理は、幸せを生み、人をつなぐ。レシピつき連作短編小説集。


「美味しい」は、心も体も恋(しあわせ)も育てる。
オリジナルレシピ付き! 角田光代が贈る、脳も舌も喜ぶ連作小説

 

15の短編と、そこで出てきた料理の写真&レシピが載っています。

1作が8ページと、割と短めなのでサクサク読めるのですが・・・

 

 

泣ける小説なのだ

困ったことに、サクサク・短時間で読めるくせに、「泣ける」小説なのです。

たったの8ページの中に、ギュッと誰かの「思い」が詰まっているんですよ。

 

たとえば、仕事で多忙の母親の話だと、その中でも「せめて○○の日くらい」と作った料理を覚えてもらえていたという喜びだったり、誰かを元気づけるために何かを作ろうと思うその心遣いだったり、長年積み重ねてきたコンプレックスが料理をして食べることで、ぶわっと洗い流される瞬間だったり・・・そういう「誰かを思い、作り、食べる」っていうことに、私の気持ちが突然ガーっと連れていかれて、涙が出てくるのです。

 

私は電車移動中や、飲食店で料理が出てくるまで待っている時間とかで本を開いてしまうんだけど(夫はだいたいスマホゲームをしている)、そういうのがね・・・危険な1冊でした。

 

私がまずホロリとしたのが、仕事が多忙な母の「かぼちゃの中の金色の時間」の話。

そして、高校生で摂食障害の気のある妹を思っての「ピザという特効薬」。

そのほかも沢山あるんだけど、ぜひ未読の方は読んでほしい。

 

そして、講談社文庫オリジナルのあとがきもすごく良い。

著者の角田光代さんが、どうして料理をするようになったか・・・その思いも、また、泣ける。

 

 

2回目読書の感想は

実は、私はこの本を読むのは、2回目でした。

最初の「泣きたい夜はラム」を読んでいて、「あれ・・・これって・・・」と思ったんですね。

 

最初の刊行が2006年、そして講談社文庫の初版が2011年。

だから、おそらくどちらかで読んでいるのです(おそらく2006年)。

私は、普段、あまり小説の読み直しってしない派なのですが、せっかく買ったしもったいない、という気持ちで読んでみたところ、「話の流れは知っている、でも染みるし、きっと考えることは当時と違う」という現象が起きました。

 

良い本は、何回読んでも、いいんだな・・・

 

最近は、自宅にあまり収納スペースがないということもあり、本は読み終わったらだいたい手放してしまうんだけど、でも、また読みたいタイミングで読んでみようと思いました。

(一旦手放すことは手放すんだけど・・・)

 

 

料理を作ることに興味がわく本

料理って「家事」の一つとして、どちらかというと「やらなきゃいけないこと」「義務」と捉えがちだと思います。

毎日のことだし、好きな人/嫌いな人がいるから、なんとなく面倒だったり、嫌々・渋々みたいな感覚もあるんじゃないかな。

 

でも、こうやって少し時間を取って、手間をかけて、気持ちを込めて、料理をすること。

決して難しいものじゃなくてもいい。

「作る」そして「食べる」という行為が特別になることがあるというのを、この本を読んで改めて感じました。

 

産休中のテーマで、料理の幅を広げたいって気持ちがあるので、このタイミングで、この本に出会えてよかったな・・・と思いました。

 

 

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