こんにちは、ドクダミ淑子です。
先日、こちらを買いました。
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『臨死!!江古田ちゃん』で有名な瀧波ユカリさんが書いた、「偏愛的育児エッセイ」です。
どんな内容なの?
公式サイトによると、こんな内容です。
2010年9月に生まれた愛娘、通称「はるまき」が、飲む出す吐くしゃぶる寝る泣くを繰り返しながら、寝たきり乳児から走り回り乳幼児になるまでを描いた育児日記には、乳児を抱える新米夫婦の大いなる妄想や現実逃避、大人のホンネが満載!
スリル満点のおむつ替え、新しい授乳法「おっパブ」の開発、乳児に向かって時には歌い踊り、時には淡々と説諭する夫……。突然やってきた宇宙人のような娘に翻弄される両親の姿に笑いながらも、行間からこぼれ落ちる隠しきれないわが子への愛情に思わずホロリ。
生後半年で東日本大震災が起こり、著者自身を取り巻く環境も日本も大きく変わった1年間の出来事を、娘の成長とともに綴ったこれまでにない育児エンタメ・ノンフィクション!
「別冊文藝春秋」に連載されていたものを再編集・加筆されたものです。
月ごとに、日記とイラストと、最終頁に「夫の小部屋」というちょっとしたコメントがついていて、とても読みやすい。
子育てはスリル、ショック、サスペンス
私がこのエッセイを読んでまず思ったのは、子育てって「なんでも楽しもう」っていう視点がきっと大事なんだなということでした。
たとえば、ウンチの話。
4ヶ月の時に、「オムツの内容物が毎回いろんな表情を見せてくれるのでけっこう楽しい」「『何が出るかな♪何が出るかな♪』的な楽しさがある」と書き、離乳食になったら便が臭くなるのを恐れたり、おまるについて語り、背中まであふれてくるウンチ爆弾に驚き、と思ったら「おとなうんち」になったことを喜びながら嘆いたり、約15センチの長さのウンチをまじまじと見つめたり・・・と、なんだかんだで楽しみを見つけているなぁと感じたのです。
そういえば、私の親も、「あなた、気持ちよくなってお風呂でウンチしちゃったのよ」なんて言ってたな。
母はニコニコしながら言っていたから、「そうなんだ」くらいで半ばスルーしていたけれども、今考えると結構大変なことになっていたのではないかと思う。
あとは、乳の話も沢山あったな。
乳首が大変なことになるとか、そういう話がもりもりと。
そういう、毎日のちょっとした、でもちょっとしていない出来事が、(江古田ちゃんを描いた)瀧波さんの視点でたっぷり書かれているんですよ。
私はそういうところも、とても面白く読めました。
子どもはあくまでも「他人」
瀧波さんのエッセイを読んでいて思ったのは、彼女にとってあくまでも子どもというのは「他人」であり、「観察対象」であるということ。
これは別に冷たいとか、そういう話ではなくて、「彼女と私は別の生物なのだ」ということを明確に線引きしているということなのです。
まだ自分には子どもがいないから、どうやったらそうなるのか分からないけれども、たまに、子ども=自分の分身みたいな扱いになってしまっているんじゃないか?と感じる人がいると感じるんですよね。
それと比べると、一歩引いて、子どもの「自我(の芽生えみたいなもの)」を大事にしているというか・・・上手く言えないけれども、そういう考え方もいいなと思ったのです。
夫婦2人でする、育児
そして、もう一つ印象的だったのが、夫さんのことでした。
夫さんも週の半分は在宅で仕事をする人ということもあってか、「育児に協力的」ではなく、「一緒に育児をしている」っていう感じの人。
はるまき(子ども)のオムツについて報告をしたり、二人の時に謎の儀式(的なもの)を行ったり、子どもには絶対に分からない説き伏せをしてみたり・・・夫さん自身の独特な向き合い方も面白い。
瀧波さんが悩んだ時に相談すると、彼女が思ってもみなかったような答えが出てきて、それもまたいいなと思いました。
私の夫が、子どもとどう接する父親になるかは分からないけれども、この二人のように、「二人で育てる」というスタンスでいてくれるといいなぁ・・・とは思う。
東日本大震災と子育て
はるまきちゃんは、2010年9月に生まれたので、2011年3月11日の東日本大震災の時に6ヶ月でした。
当時関東で暮らしていた中、原発やもろもろの不安から、札幌へ移住した話も書かれていました。
乳児を抱えての、初めての出来事。
原発や放射能への不安・・・私も感じていたはずなのに、9年半が過ぎて少しずつ薄らいているのを感じた。
読み返して、その当時のことを思い出し、新型コロナ禍で子育てをすることになる自分にも思いを馳せました。
1つ思ったのは、子どもはそんなこと関係なく、すくすくと育つものなんだな、と。
それは・・・希望なのかもしれない。
キラキラじゃない育児エッセイを読みたい方にオススメ
このエッセイは、インスタグラマーのキラキラ育児じゃ、物足りない!って人にはいいと思います。
時にはボロボロになりながら、ウンチについて熱く語り、ママ鼻水トッテやなめられ太郎(おしゃぶり)にツッコミを入れる・・・そんな日常を垣間見たい、もしくは思い出したいって人には、きっと楽しめる1冊だと思いました。
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