こんにちは、ドクダミ淑子です。
どこかでこんな言葉を見かけたんですよ。
「裏表のある人は、怖い」
「私は、裏表のない人が好き」
私はこれに、いつものようにモヤモヤしたのです。
一見、素敵なことに思えるけど
「裏表がない人」って、一見すると素敵な人に見えますよね。
どんな時も正直で、自分の思ったことを言い、嘘は言わない。
だから、この人が言っていることはいつも本音だと信じられるし、何でも信用して話せる。
・・・そんな人は素敵ですよね。
でも、実際はなかなかそういうわけには行かないと思うのです。
色々な立場や考え方の人がいるから
なぜか?というと、人間、色々な人がいるからです。
立場も、考え方も・・・色々。
例えばだけど、AさんとBさんは仲良しで、BさんとCさんも仲良しで、でもAさんはCさんのことが密かに嫌い、とかもあるわけじゃないですか?
そういう時に、Bさんに向かって「私はCさんが嫌い」とか言えるかっていうと、言えない、というかあえて言わないですよね
というか、おおっぴらに「私はCさんが嫌い」とは発言しないかもしれない。
でも、嫌いなものは嫌いだし、ネットでもリアルでもBさんが関与しないクローズドな場所で「嫌い」って話したり愚痴ってしまうかもしれない。
それは、「Aさんの裏の顔」になるんだけど、それってダメなのか?と言われると、私は思うんですよね。
「まぁ、そういうこともあるよね」と。
関わる人が多くなればなるほど、こういう「言いたくても言えない」ことが増えるわけで、それをどうにか自分の中で折り合いをつけようとすると、「裏の顔」を作ったりするわけで、でも「表の顔」としてそれを言っちゃうよりも健全だと思うんですよ。
そう、だから私は「裏表のない人」=相手の立場を考えられない人、だと思うのです。
私はCさんが嫌い!だから正直に自分の気持ちを言うの!自分に素直に!!・・・って、あなたはスッキリするかもしれないけれども、周りの人にとっては気分悪いし、やりづらいんですけど・・・ってなる。
裏表がない人=世渡り下手だよね
あともう1つ。
裏表がない人を実現できる場所って、「全く同じ考えを持った人しかいない環境」なんですよ。
イエスマンしかいない環境か、本当に同じ志向性の人しかいない環境。
そして、それってビジネスをする上では、結構難しい。
そもそも違う会社が混じると、お互い自分の会社の利益だって考えるわけですし、多くの人が関わる大きなプロジェクトになればなるほど、色々な考えの人が出てくるのも当然。
中には「リスクを回避することが大事」と考える人もいれば、「リスクを取って大きなリターンを」と考える人もいるんですよ。
そしてお金にも限りがある。
そんな中で、「私は私のやりたいようにやる!っていうかやらせろ!!」という人がいると、不協和音が響くわけで。
ここで「本音と建前」とかを考えられる人は、上手く折り合いをつけられるのかもしれないけど、「納得できない!」って言う人だと、厳しいんですよね。
だから、「表の顔だけで、自分の考えに100%正直に」みたいな人って、なかなか大きな仕事になればなるほど、貫き通すのが難しくなる。
だから、裏の顔が全くない人=不器用で世渡り下手になってしまうと思うのです。
言葉で相手を傷つけていることに気づいていない
大体ね、「私は裏表がなく、思ったことを素直に言います!」とか言っちゃう人って、相手に気を遣われていることも、自分の言葉が相手を傷つけていることも、気付いていないだけだと思うんですよね。
自分だけが、好き勝手発言して、相手の気持ちなんて全然考えていないの。
「裏表のない人」なんてほとんど存在しなくて、それはあなたに「裏の顔」を見せていないだけなのよね。
裏表のない人が良い人、とは思えない
裏表のない人が良い人なのか?というと、私にはそうは思えない。
- 相手の立場を考えられない
- 相手の気持ちを考えられない
- 無意識に相手を傷つけていることに気づかない
- 大勢の人間との「異なる意見のすり合わせ」ができない
- 他の人に気を遣われていることに気づかない
こんな人が、「裏表ないんです、私」って言っている気がする。
だから私は、裏表のない人が良い人か?とは思えないんですよね。
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