こんにちは、ドクダミ淑子です。
ある日、お客様から相談を受けました。
「中途採用の試験で小論文をやりたいんだけど」
さて、これに人材系の営業を12年やっている私は、どう答えるのでしょうか?
なぜ小論文試験をするのか?
残念ながら私は、「あーはいはい、小論文ですね。よくあるオススメの題材は・・・」なんて突然言い出すような営業ではありません。
まずは、こう聞きます。
「なぜ、小論文をやりたいんですか?」
そうすると、大体の担当者はこう言います。
「なんでって・・・やった方がいいかと思ったから」
理由になっていませんね。
でも、大体こんなもんなのです。
今時、小論文をやろうと思っていて、しかもテーマも決まっていなくて営業に相談するような担当者や企業は、特に何も考えずに「試験っぽいから」という理由で小論文をやろうとするのです。
ここでさらに「なぜ、やった方がいいと思うんですか?」と聞きたいところですが、あまりなぜなぜ言い出すと嫌な奴っぽくなるので、別の話をしましょう。
目的を決めましょう
「なぜ、小論文をするのか?」
これに明確な答えがなかった場合は、次にこんな話をします。
「企業によって、小論文で見たい観点ってバラバラなんです。だからまずは、小論文試験をすることで、何を見るのかをはっきりさせましょう」
観点というのは、例えばこんな感じ。
- 字が綺麗
- 誤字がない、漢字がちゃんと書ける
- 文章を構成して書くことができる
- 志望動機が明確である
- この業界・仕事への知識がある
- 時事問題に関心を持っている
企業によっては、1を重視することもあります。
文章の中身なんて全然見ていなくて、字だけを見ている場合とか。
今時手書き重視の会社ですね。
でも、字が汚くてもメールを打つにあたり文章の構成がきちんと出来ることを重視したい会社もありますし、面接に出られない偉い人に彼ら彼女らの志望動機を文章で渡したいなんて企業もあります。
小論文で見る観点、小論文試験を実施する目的を決めることが何よりも大切なのです。
「関心のあるニュース」というお題について
さて、小論文をする目的を決めたとしましょう。
そこから、「その目的を達成するためのお題」を考えるのです。
ここでよく出される「関心のあるニュース」「時事問題」を思い浮かべがちな方もいるかもしれません。
でも、ちょっと待ってほしい。
あなたの会社の、今回募集する社員の採用条件に「時事問題に興味がある人」というのは入っているのでしょうか?
・・・入っていない場合も多いんですよね。
でも、小論文で「関心のあるニュース」「時事問題」を上げてしまう。
なぜか?
・・・これも、「なんとなく」です。
「小論文っていったら時事問題」こんなイメージに引っ張られているだけです。
別に、時事問題を出してもいいんですけれども、そうすると求職者にこう思われる可能性もあります。
「普段から時事問題の話題が出てくる会社なのかもしれない」とか、「小論文で時事問題を出すとか、昭和の企業かよ」「○○党支持じゃないと入れない会社なの?」とか。
そう思われてもいいなら、いいんですけど。
そこまで考えて出している企業が少ないから、問題だと思うんですよね。
小論文、本当に必要?
以上のような話をしていると、「そもそも小論文って必要なのか?」という話になってきます。
突き詰めて考えると、「別に必要ないな」って答えになる会社も多いと思うんですよね。
そう、それはそれでよいと思うのです。
今時手書きで作文させて、何を見たいのか?
その手書きの作文は、入社してからの業務で役立つのか?
業務でも「手書き」がメインなの?
そんなに文章力を見たいなら、別にPCで書かせてもよくない?
この辺をちゃんと考えた上で、小論文を出すなら出す、やめるならやめるって選択をすべきだと思うのです。
何事も「目的」を先に決める
そんな感じで、お客様と会話していますが、ここで「小論文」に関わらず、大切だと思うことを1つ。
それは、何事もまずは「目的」を決める、ということです。
実現させたい事は何か?
そのために何をするか?
時々、「目的」「ゴール」を決めずに走り出す人もいるのですが、それは「行動力」ではありません。
目的地を決めずに走り出すのは、行動力ではなくただの無謀。
「なんとなく」「定番っぽいから」で決めるのは、思考停止。
まずは目的を決めて、そこから行動を決める。
小論文問題から、改めてそんなことを考えたのでした。
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