ドクダミ自由帳

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【マンガ感想】偽装不倫(8)マンガの中では夢を見ていたい?

こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

『偽装不倫』が3月発売の8巻で完結していたということを知り、急いで買いました。

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どんな話なの?

公式サイトによると、8巻はこんな内容です。

 

「ジョバンヒ、嘘ついてたけど 私 本当は独身なんだ」

未婚、彼氏なしなのに既婚者のふりをして、旅先で出会った年下のイケメン・ジョバンヒと〝嘘の不倫〟を続けていた鐘子。
大切に思う相手にこれ以上嘘をつき続けられなくなり、本当のことを告げたはずが、LINEで送ったメッセージは既読にならなかった。

韓国に戻っていたジョバンヒはメッセージを見ることなく手術を受け、病室で目覚めたとき、鐘子の記憶だけを失くしていて……。


嘘から始まった恋の結末は――!?

 

前回、韓流ドラマでお決まりの「深刻な病」からの「記憶喪失」という展開になっていたけれども、この後どうなるのだろうか・・・完結編です。

 

 

1巻からの感想はこちら 

www.dokudamiyoshiko.com

 

 

想像通りのラスト

もうね、6巻7巻ぐらいで「最後はこういう展開になるだろうな」という予想していたんですよ。

8巻は、その想像したような内容で終わりました。

韓流ドラマをモチーフにしているっていうし、ベタな韓流ドラマっぽいからそれでいいのかもしれない。

 

けれども、私は東村アキコさんの漫画ってどちらかというと『東京タラレバ娘』の初期の段階みたいな、独身アラサー女性のヒリヒリするような感じとか、焦りとか、色々なところで「もう自分はキャピキャピしていた20代の頃とは違うんだ」と実感するエピソードとか、そういうリアルで、心をグサグサ刺すような内容が好きだったのです。

 

だから、タラレバ娘に出ていたら思いっきりタラとレバにボッコボコにされそうな鐘子の姿を見ていてイライラしました。

 

 

マンガの中では夢を見たい?

私がめちゃくちゃ嫌いなマンガの1つに、『きょうは会社休みます』というものがあります。

34歳の誕生日に独身・彼氏なしの主人公が一人で飲んでいたら同じ職場の大学生のアルバイトに口説かれて、なぜか一夜を共にして、なぜかそこから彼氏彼女の関係になり、なぜか大学生の方が34歳にメロメロで、本人はためらいつつもピュアな彼からの愛を受け止めて・・・みたいな夢見る重度の非モテ独身女子が思い描くようなご都合主義のマンガなのです。

偽装不倫もなんだかそういう路線に見えてしまって、私はがっかりしたんですよね。

 

「マンガの中だけでも夢を見させてよ」というような気持ちも分かります。

でも、東村マンガって、タラレバ娘(初期)みたいな事実を見せつけて心をえぐるのが、私は好きだし、良さが出ていると思うのです。

タラレバ娘も途中から、どうやらKEYも倫子のことが気になってるっぽいぞ的な感じでブレブレになってきたのは、多分、描いている本人の状況だったり心の持ちようだったりかま変わってきたからではないかと邪推してしまう。

 

どんどん作風や考え方が変わる作家さんも魅力的だけど、私はブレない、悪く言えばマンネリの作家さんの方が好きかもしれない。

江國香織はずっと江國香織だし、aikoはずっとaikoだし、林真理子はずっと林真理子。

 

 

後ハッピーマニアに心躍る

ブレないという意味で言うと、私は先日、1話無料にそそのかされて、『後ハッピーマニア』を読みました。

そして45歳になったシゲタの、タカハシの、フクちゃんの変わらない姿を見て、すごくワクワクしたんですよね。

ワクワクしたついでに、有料の2巻から6巻までも1話198円のやつ買っちゃったんですけれども。

 

45歳になったシゲタが落ち着いているかっていうとら多少は落ち着いてる部分はあるんだけれども、「ああ、この人が年取ったらこうなるよね」みたいなリアルがあったし、タカハシはタカハシで、ねちっこさとか謎なポジティブさとか強引さが全然変わってなくて。

なんかそういうのを見てワクワクしたからこそ、偽装不倫のリアリティのなさにがっかりしたのかもしれない。

 

 

やるならとことんやって欲しかった

あとも1つ。

記憶喪失ネタを使うんだったら、それこそ冬のソナタみたいなコテコテのファンタジーでご都合主義な展開にして欲しかったなんて思ったりもしました。

記憶喪失の彼に 以前から彼のことを狙っていた別の女が近づいてきて、「私はあなたの恋人ですよ」みたいなことを言って思い込ませられた時に、鐘子が会いに行き、「僕の恋人はこの人です」みたいなことを言って、でも突然記憶が戻る的な、そして三角関係に苦しんで最終的に主人公を選ぶみたいな・・・ってそれ、まんま冬ソナなんですけれども。

 

ここまで書いていて、私はあまりマンガにも夢を求めていないんだなっていう風に思いました。

ご都合主義で主人公 を中心に世界が回っていくような物語を求めているのではなく、本当にありそうな展開、本当に存在していそうなキャラクター、そういうの求めているんだなと思いました。

それで言うと、ちょっと「よしお」のファンタジーが入っているけれども、タラレバ娘2は好き。

 

偽装不倫は偽装不倫で、全面カラーでキレイな画が見れたっていうところは良かったかなと思います。

 

 

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