ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

「未経験からエンジニアに」にエンジニアの嫁がもの申す

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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

ネットの世界を見渡すと、「未経験からエンジニアに!」っていう記事と、プログラミングスクールなんかの広告がバンバンと出ていますよね。

中には、「こんな底辺だったオレが、未経験でエンジニアになって年収5000万円!?独立して今は在宅でワーク出来てハッピー♪」「働く場所を選ばないからバンコクに移住しました。毎日筋トレしています」みたいな極端なやつも。

そもそも、その時点で「おかしくない?」と思わず、「すげえ!」と申し込んじゃう人がいるのが問題で、そういう人はどこにでも引っかかりそうな気もしますが・・・

だって、おかしくない?

 

今回はそんな「未経験からエンジニアになろうぜ」的な広告へ、夫がエンジニアで、かつ人材系企業でSE募集なんかもバンバンやっている私が、思っていることを書いていきましょう。

 

 

エンジニアには「適性」「才能」がある

まずお伝えしたいこと。

エンジニアには「適性」があります。

分かりやすく言うと、向き・不向きです。

 

私の夫なんかはエンジニアに向いていると思うんですね。

その夫と私が、オセロ・将棋・モノポリー・ダイヤモンドゲーム・桃鉄などをやったらどうなるか?

・・・私のボロ負けです。

 

オセロなんかは、64対0で負けます(置く場所がないとスキップされるルール)。

桃鉄は、最初はトントンなのに、最終的には私が借金まみれ・夫がボロ儲けです。

ほかのゲームも大体そんな感じです。

 

なぜそうなるかというと、AならばB、BならばCかD、CだったらEかFになり、FだったらBに戻るかGに進み・・・みたいなことが、一瞬で考えられるんですね。

だから、オセロなんかは、私が手を出せないような環境をいかに作るか、私が出してくるだろう手の中でどれを選ばせたいか、などを考えているのです。

 

もはや、私の夫は天才なんじゃないかと(手前味噌)。

 

普段の生活でも、そういうシーンは多々あります。

夫は常に行動と、それに伴うリスクとリターンを考えています。

あれをしたら、これができない、だったらどちらを取るか?みたいなことを。

それは夕飯を選ぶときも、買い物のルートでも、電車の乗り換えでも。

 

そういう夫を見ているから、論理的思考力が低い人は、そもそもエンジニアに向いていないんじゃないかと思うのです。

だから、「普通の仕事」を手順に沿ってできないような人が、エンジニアになったら大活躍できる!なんて夢物語には、私は懐疑的です。

エンジニアって「手順を作る人」だからね。

 

そして、私はエンジニアには向いていないなと思います。

ヌケモレだらけで仕事が成り立たないと思う。

 

 

エンジニアには「種類」がある

さてもう1つ。

エンジニアには、「種類」があります。

 

IT業界は建築業界同様、ピラミッド型の構造と言われています。

ピラミッドというのは、少数の頂点プレイヤーと、多数の底辺プレイヤーのいる三角形。

少数の発注元があり、1次請け・2次請け・・5次請け・・・と続いていく世界。

 

給料も上に行けば行くほど上がり、仕事内容の中でも「考える」というのは上に行くほど上がります。

 

そして、「未経験からエンジニアに!」とワクワクしながらそのピラミッドに入ってくる人は、どこに入るか?というと・・・

 

・・・おわかりですね?

大半が、底辺から入ります。

 

たまに、「独立して雇われない生活を!頂点になろうぜ!」という話もありますが、ピラミッドの中に属していなくなるかもしれませんが、結局独立して立っているその場所は、ピラミッドの外の底辺近くです。

 

ごくまれに、未経験から入社して、ピラミッドを駆け上り、頂点に立つような人もいるかもしれません。

でも、それはピラミッド内の戦いで勝利しただけであって、あなたがそうなれるとは限りません。

「適性」「才能」と、積んだ経験と、そして所属する会社のジャンルと人事制度の掛け合わせの結果です。

 

 

今の仕事は全然できないけど、優秀なエンジニアになれる?

だから、「今の仕事は全然できない落ちこぼれだけど、エンジニアになったら優秀な人になれて、めっちゃ稼げる!」というストーリーには、「ちょっと待て!」と言いたくなります。

 

もちろん、「異業種・異職種だけどエンジニア適性がある」という人はいます。

そういう人は、活躍できるかもしれません。

 

でも、「数学苦手・パズル苦手・考えるの苦手」「仕事は覚えられません」「ミスって怒られてばかりです」なんて人がエンジニアになってみてごらんなさい。

完成するのは「言われたことだけやる、自分では考えられないエンジニアもどき」です。

結局、今まで活躍できなかった仕事と同じようなことを、業界をちょっと移してやっているだけじゃありませんか? 

 

 

「未経験から楽勝で専門職に!」をよく考えてみよう

仕事で、よく「未経験から楽勝で○○になれるってアピールしてよー」と言われるのですが、そういう時には、私は確認します。

「本当に未経験から楽勝でなれるのか?」を。

そうすると、大体条件が見えてきます。

 

「偏差値○○以上の高校を出るくらい基礎学力がある人なら」とか、「3つの料理を1度に並行して作れる手際の良さがあれば」とか、「怒鳴られても心折れずに続けられる人なら」とか。

たしかに、 「職種経験は必要ない=誰でもOK」なんだけれども、それって結構難しくない?みたいな条件がある。

でも、とりあえずで「誰でも簡単に」って言っちゃうんですよね。

 

よく考えてみてごらんなさい。

「未経験で誰でも始められる」かつ、「給料高い」「ホワイト企業」だったら、それってやりたい人が殺到しませんか?

このネット時代に応募が殺到していない、人気が出ていないってことは、上記3点のどこか、または全部にウソがあるわけですよ。 

 

「エンジニアは夢のような職種」なんてボケたことを言っている人が、スクールなんかに入って、「使えないエンジニア」として社会に出て、結果的に私の夫を困らせるようなことがないように、ちゃんと自分の適性を見極めたほうがいいと思うのです。

 

 

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