こんにちは、ドクダミ淑子です。
先日、とある社会福祉法人・高齢者施設の施設長と打ち合わせをしていました。
あれやこれやで、その会社のセールスポイントを引き出そうとしてきたのですが・・・出てこない。
「これだけ求人があふれている中で、他社よりも魅力だなと思ってもらえることをしっかり伝えることが必要だと思います」
こんな話をしたら、施設長は堰を切ったように話し出しました。
新しいことにチャレンジしようとしない人達
「みんな、昨日と同じ今日が来て、何事もなく通りすぎていければいいと思っているんですよ。だから毎日やっていることは変わらず、新しいことをしようとしなくて、セールスポイントができないんです」
「・・・」
「だから私は言っているんですよ、チャレンジしようって。一人一人がやりたいことやアイデアを出しあって実行する。そのことの繰り返しがよりよい会社を作るんです!」
「それなのに、なぜここまで自主性がない職員だらけなのか・・・」
「お言葉ですが・・・」
私は言いにくそうな雰囲気を出しつつ、こんな話をしました。
土台ができてなければ、自由にチャレンジできない
「実際にそうやって色々な新しい取り組みができている法人は、色々なアイデアを実行することに対する制約が少ないです。企画してから承認されるまでのフローが早かったり、ある程度施設長やユニットで自由に使える予算を持たせてもらえていたり・・・」
「・・・」
そう、「自由に活動できる」仕組みになっているから、自由な発想が出てくるし、それを実行することによって、さらなるアイデアが出てくるのです。
「御社の場合は、5万円の決済を取るのにも1週間くらいかかっていますよね。これが50万円だったら、さらに大変でしょう。そうするとメンバーはたとえいいアイデアがあったとしても、『面倒だし、どうせ稟議上げても却下されるなら、やらなくていいや』となりませんか?」
「・・・お恥ずかしながら、その通りですね。わが法人では、すべての決済を理事長が行わないといけない仕組みになっています。それが問題なのでしょうね」
口は出す、金は出さないで動けるものか
現場にはイキイキと、自主性を持って、日々考えて、アイデアを出しながらよりよい仕事をしてほしい・・・そう考える経営者は多いです。
でも、そんな望み通りにならなくて、「自主性がない」だの、「やる気がない」だの、「創造力が足りない」だのと文句を言う経営者も多い。
なぜか?というと、口ではイキイキとか言っているくせに、自主性を許す仕組みも風土もなかったり、アイデアを実現するためのお金を出してくれなかったりするからだと私は思うのです。
イキイキしようにも、それが出来ない環境。
あとは、「やってもいいけど失敗したら責任取れるのか?」とかいう脅しをセットで付けてくるとか。
そんなこと言われたら、「責任取れないんで、やっぱ止めます」ってなるよね。
「ほら見ろ、本気じゃなかったじゃないか」とか言われても、困っちゃうよね。
「経営者意識を持って」っていう経営者はアカン
たまに、こんなことを言う経営者がいます。
「一人一人が経営者意識を持って、仕事に取り組んでほしい」
経営者自身がが「経営者意識を持て」とかいう会社は、99%ダメな会社ですね。
なぜなら、経営者が自分がすべき仕事を他の人にさせようとしているからです。
いや、経営するのがあなたの仕事でしょ?って思う。
その中でも本気で経営者扱いする人もいますが、大抵の企業は「名ばかり経営者」。
結局、最終的なお金の使い道のジャッジがリアル経営者1人だったら、それは経営者ではないのです。
社員の自主性を育てるには
社員が自発的にあれこれやれるような環境にするためには、下記が必要だと思います。
- アイデアを考える時間的・精神的余裕
- アイデアを発表しやすい風土
- アイデアを実現できる制度
- アイデアを実行するためのお金
これがないのに、「社員の自主性がなくて困っている」と言う人が多いなぁと私は思うのです。
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