こんにちは、ドクダミ淑子です。
私は人材系の営業をしています。
ある日、求人票を出して、応募者が100名、ドドドっと集まったとします。
この採用難と言われているご時世に、とても喜ばしいことですね。
・・・ですが営業担当である私は、ヒヤヒヤします。
「ヤバい・・・ヤバいぞ・・・」
なぜ焦るのか?
それは、「選べなくなる」からです。
「選ぶ」のは難しい
選ぶという行為は、思っている以上に難しいのです。
10人を1度に面接して、1人を選ぶとなると、それなりにできます。
それは、10人をずらっと1列に並べて、比べることができるからです。
でも、1日に1人ずつ、10日間合計10名を面接するとなると、これでも選べなくなってしまいます。
日数が経ってしまうと、1日目に会った人と10日目に会った人とどっちが良かったかなんて覚えていないからです。
途中、5日目でめちゃくちゃ良い人が出てきたりすると、1~4日目の印象がぼやけてしまったりします。
たった10人でも日数が経つとわからなくなってしまうのに、100人応募があったら、もう何がなんだかわかりません。
なので、一旦、100人の中から10人に絞ろうとしてしまうのです。
どんなにちゃんと審査しようとしても、100人いれば少しは甘くなります。
今までだったら、しっかり読み込んで理解して書類選考合格を出していたような人も、もしかしたら不採用にしてしまうかもしれません。
そしてもう一つ、大きな落とし穴があるのです。
ハードルが上がってしまう
応募数が想定以上に多くなってしまうと、「これだけ応募があるのだから、こっちが選べる立場だ」と、採用基準がムダに上がってしまうのです。
だから、営業担当の私は焦るのです。
「いやいや、もともと30代までの一般社員クラスで、実務未経験でも人物重視で採る、面接たくさんしたい、って言っていましたよね?」
「そうなんだけどさ、できれば有資格者で実務経験者の方がいいと思うんだよね。だから資格者のみ合格させることにした」
「えええー!?」
「だって、書類見る時間が取れないもん。100名なんて」
もうこうなると、嫌な未来しか見えません。
上から目線の面接をしてしまう
そして、この「ウチの会社は人気だ」という意識は、面接の場でも出てしまうことがあります。
もともと「ウチの会社はそんなに人気がないから、応募なんてないんじゃないの?」なんて言っていた会社ほど、応募が想定以上に多くなると、調子に乗ります。
「やっぱり採用するなら、それなりの人じゃないとね」
・・・って、あなた、打ち合わせでなんて言ってたよ?
全然違うんですけどー!?
まるで、今までモテなかった人が、ある日突然モテキが到来して女の子がわらわらと来てくれて、「俺はモテる男なんだ」と勘違いしちゃって、カッコつけちゃうみたいな。
もともと、控えめで謙虚な男に惹かれてきたのに調子に乗って暴走した姿にドン引きされて、結局だれともくっつかずに終わるみたいなね。
そう、応募が殺到してしまうと、不思議と採用できない確率も上がってしまうのです。
1番優秀な人に辞退されてしまう
よくある失敗パターンにハマると、最終的に「内定辞退」されてしまうことがあります。
というか、今や承諾率は50%くらいですね。
特に、上記みたいに応募が想定外に多くて、選びに選んで・・・ってやってしまうと、辞退されてしまう確率がググっと上がってしまいます。
100名から応募があった会社が、選びに選んで、普段だったら応募してこなそうな超優秀な人に内定を出し・・・「他社からも内定をもらったので辞退します」とされてしまう。
色々原因はありますが、こんな可能性が高いです。
- 上から目線で高圧的な面接をしてしまう
- 辞退の可能性を考えない、必ず来てくれると信じてしまう
- そもそも任せたい仕事と給与と応募者の希望(仕事内容・待遇)があっていない
営業担当として出来ること
だから、「応募が殺到!」なんていうのは、できるだけ起こらないようにしなければなりません。
そのために人材営業としてやることは、「調整」です。
どのくらい応募がくるか想定する
難しい採用か、簡単な採用かを見極め、どのくらい応募がきそうかを予想します。
めちゃくちゃ集まりそうなら、「100件くらい応募来ますよ」と伝え、その上でハードルを上げるか、多数の応募者に対応できるフローや体制を作ります。
採用失敗事例を伝える
先程のように、急にハードルを上げて失敗した例や、その他もろもろの「よくある失敗例」を伝えて、.あらかじめそうならないように準備をしておきます。
人は器用に選べない
人は、そんなに万能ではないので、過去に会った人の印象をずっと正確に覚えることも、たくさんの選択肢の中から正解を選ぶことも、なかなかできません。
だからこそ、選べる数にすること、そしてできるだけ悩む隙間をなくすことが大事なのだと思います。
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