こんにちは、ドクダミ淑子です。
「その会社でしか使えないスキルばかり磨いても仕方がない」って、よく脱社畜とかの話題で出てきますよね。
私は、疑問に思うのです。
「その会社でしか使えないスキル」って、本当にあるの?って。
どういう「スキル」を指すのか?
こういうことを言う人は、だいたい下記のようなことを「その会社でしか使えないスキル」と言います。
- A課長のコーヒーには砂糖が2つで、B部長はブラック派
- 忙しくてイライラしているCさんへの声のかけ方
- Dさんに仕事をやってもらうためのおだて方
- ある業務を進めるときの手順と確認事項
- 経費の申請方法とフロー
- 会議室の席順、挨拶の順番
- 社内用語の使い方
- 自社商品の型番・価格・仕様などカタログの内容
確かに、これ単体で見ると、「こんなことができるようになっても、どうしようもないよね」と思うかもしれません。
でも、これって、考え方によっては、他の会社でも役立つこともあると思うのです。
スキルを狭くとらえ過ぎじゃない?
私がこんな風な話を聞いていて思うことは、上記の「スキル」というのを狭く捉えているなぁというところです。
確かに、いくら社員がコーヒーに入れる砂糖の数を覚えても、他社に行ったら使えないと思います。
Aさんは転職先の会社にはいないから。
でも、もう少し広くとらえて、「相手の好みを知ろうとする」「1回知ったことはメモっておいて次回に生かす」とか、そういう広い意味での「スキル」と考えてみると、どうでしょうか。
他社の人であっても、「覚えていてくれたんだ」って喜んでもらえるし、あなたは「出来る人」「気遣いの出来る人」「気が利く人」という良い印象になるし、ひいては色々なシーンで仕事に生かすことができると思うのです。
仕事を「作業」だけでとらえているヤバさ
だから、「その会社でしか使えないスキル」って言うことをドヤ顔で言っちゃう人を、逆に私はヤバい人だと思っています。
仕事を「手順のある作業」「マニュアル通りに行動すればいいもの」としてとらえていて、その仕事の意味とか抑えるべきポイントとか、どうしたらもっと良くなるかとか、そういうことを考えないでただ作業をしていることの現れだから。
そういう低い目線で仕事をし続けて、「仕事=作業をすること」としてしかとらえていない人の方が、将来「使い物にならない」人になってしまうのではないかと思うのです。
優秀な人は、どこに行っても活躍できる
私は人材業界で色々な人に会ってきましたが、「優秀な人」というのは、異業界への転職をしても活躍できるということをひしひしと感じています。
優秀なサービス業経験者やホステスさんが営業になっても、優秀だし、優秀なエンジニアが営業になっても、やっぱり優秀。
彼ら・彼女らはそれぞれが「仕事のツボ」を抑え、「前職で培ったこと」を生かしているのです。
逆に「こんな仕事、意味がない」「早く本当の意味での仕事がしたい」とか言っている人の方が、結局「仕事の出来ない人だった」というケースが多い。
仕事の「目的」をちゃんと考えれば、「質」は変わってくる
有名なイソップ寓話の『3人のレンガ職人』という話があります。
レンガを積んでいる人に「何をしているんですか?」と聞いたところ、3人がそれぞれ違った答えをしたという話です。
- 1人目は、「レンガを積んでいる」と言った
- 2人目は、「家族を養うために壁を作っている」と言った
- 3人目は、「歴史に残る大聖堂を作っている」と言った
入社したての頃、この話を上司から聞き、「だから、仕事の目的をしっかり見よう」と教わりました。
・・・もうお分かりですね?
「その会社でしか使えないスキル」と言って、仕事を軽く見る人は、「私はレンガを積んでいます」と言っているようなものなのです。
そして、そういう人は「どこに行っても活躍できるスキル」を求めて転職しますが、大体そういう人には、そんなスキルが身につかない。
だって、既にやっているのに気づいてないんですもの。
だから、「その会社でしか使えないスキルは危険だ」なんて言っている人がいたら、疑う方が良いし、自分が「今の会社ではここでしか使えないスキルが・・・」みたいな風に思ったら、自分の仕事へのスタンスに危機感を持ったほうがいいと思います。
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