ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

【本感想】 一流になりたければ2駅前で降りなさい 余裕のあるおじさんの言葉が染みる

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こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

先日、ブログが書けなかった言い訳の中で、「でもでもー色々やっていたんだよ?」と書きつつ、これを買ったという報告をしました。

 


 

 

スラスラと1冊読んでしまったので、感想を書いていこうと思います。 

 

 

どんな内容なの?

公式サイトによると、こんな内容です。

 

一流はなぜ、無駄に見える道をあえて進むのかーー。

その答えは、寄り道の先にこそ、いつもの道では見つけられない多くの発見があるからだ!

今から新しいことをはじめるのは抵抗がある……。
何かをはじめてもどうせ長続きしない……。
でも、単調な人生を少しでも変えたい……。

いくらか歳をとると、今さら人生を大きく変える選択をするのは難しいだろう。

しかし、日常を少しだけ変える”小さな寄り道”ならできるはずだ!

なんとなく過ごしている日常を、寄り道で変えていかないか?

人生を楽しみながら、さらなる成功に導くための「寄り道メソッド」を、一流のビジネスマン・成毛眞が伝授。

 

ざっくり言うと「寄り道しようぜ」って内容です。

 

 

最初の1章は丸々「リアル寄り道レポート」

まず最初に度肝を抜かれるのが、第一章が丸々、著者のある日の寄り道レポートから始まることです。 

水曜の午後、吉祥寺駅。

ジャズバーに行こうかなと思いつつ、デパ地下に行って古本屋×2軒に行き、井の頭公園に行き・・・とずーっと寄り道ばかりしているんですね。

その間、「うんうん、これ旨いんだよな」とか、「今日は休みかぁ・・・でもこのシャッターもいいよな」とか、「そういえば昔娘が・・・」とか、色々なことを考えている。

・・・というだけで第一章は終わります。

 

新書というとちょっと身構えてしまう私ですが(大学教授とか学者が書いていることが多いから)、そんな気持ちをガラガラと崩し、へなへなにする脱力系の文章。

しかし、その中にも、キラッと知性が光るのです。

さすがやぁ・・・と思いながらページを繰る。

 

 

とにかく「散漫」な文章 

 この本は「寄り道をしよう」と言っているだけあって、とにかく寄り道が多い。

しかも、色々なことに興味を持っていることがよくわかる。

突然「東大王っていいよね」とか、「翔んで埼玉が・・・」とか、「YouTuberの開封の儀の意味とは・・・」とか、「サイゼのワインって美味しいよね」とか、あまり64歳・会社社長から出てこないようなセリフがバンバン出てきて、その前に言っていたことから、どんどん離れていく。

でも、その「脱線」も悪い気がしないのだ。

不思議。

 

 

「人」との会話を大切にする

 そしてこの人は、人との出会いをとても大事にしています。

誰からでも、何かしら吸収しようと、新聞や雑誌の記者・タクシーの運転手・飲食店の店員・販売職の人・・・誰にも話しかけ、「ネタ」を収集しようとするのです。

本の中でこんな話もしています。

 

たしかに、今は人と関わらなくても生きていける時代だ。

選べば、在宅でも仕事はできる。買い物はすべてアマゾンをはじめとしたネット通販にすることもできる。誰とも会わず、誰とも話さず、寄り道という寄り道をすべて避け、合理性を突き詰めて生きていこうと思えば、それは不可能ではない。

そういった人たちから見ると、雑談や飲み会や、わざわざ人に会いに行くことは無駄中の無駄に見えるだろう

1+1が2にはならないかもしれないが、1.5くらいにはなるだろう。多様性が求められる時代、こうした組み合わせはたった一人の天才にせまり、それをしのぐ可能性がある。

 

その後、ソニーの盛田昭夫氏と井深大氏、ホンダの本田宗一郎氏と藤沢武夫氏など、技術と経営という違う観点で強みのある、全く性格の違う二人が後の大企業を興した話などが続きます。

「人と関わらずに生きていける」と書いておきながら、でも彼は「寄り道」をし、人と会うことを選んでいるのです。

私もどちらかというと、そういう人でありたいと思っている。

 

 

「遊ばないで一体何をするのか?」

彼はその後、「あえて横浜に一泊してみる」とか、ジャズバーに月1行くのは5000円位だとか、お金を使う寄り道について提案した後で、でもお金がないという人を一蹴します。

 

「限りある人生、そんなに急いでどうするの」

 

月に7000円、趣味に使ったら30年で252万円。

もしもこれを節約したとしても、何になるのか?と訴えるのです。

たしかに、私もそう思う派だわ。

 

働き方改革によって時間ができたのに、そこに副業・兼業を詰め込んで、以前よりも趣味に割く時間がなくなった、などという人がいたら、無能以外の何ものでもない。 

 

おお、グサっといくねぇ。

 

 

誰もが「頂点」を目指さなくていい 

この本の冒頭では、「誰もがイチローになるのは無理」という話から始まります。

プロになるまで10年以上野球をやって、「一本道」を突っ走って輝かしい実績を残したイチローみたいに、35歳からなろうなんて無理無理。

だからこそ、「寄り道」をしながら偏差値55くらいの分野を寄り道しながらどんどん作っていくほうがいい、という話なんですよね。

 

これはすごく良くわかるし、ブログ界でもそういう空気を感じることがあって、モヤっとする。

 

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心に余裕のあるおじさんの言葉だらけ

もうね、1冊丸々「好きなこと書いて、脱線しまくったけど1冊分になりましたー!」っていう感じのこの本を読んで、思ったのです。

 

「心に余裕のあるおじさんが書いた本だぁ」と。 

 

「おじさん」と書きましたが、31歳でマイクロソフトに入社し、36歳で社長になって、45歳で退任して、その後も会社を経営しながら、HONZという書評サイトを運営しつつ、執筆活動を行う・・・という、スーパービジネスマンなのです。

その人がこんなに「寄り道」しまくっているというのが、また面白いのです。

お金も沢山持っていると思うけど、それよりも心の柔軟性の高さが、この「余裕」を生んでいるのだと思いました。

 

 

ネットで稼ぐ系の若者に読んでほしい

ちょっと小難しい文体ではありますが、全体的に読みやすく、色々な発見があるこの本。

「自分には何も知識も経験もないけど、ネットで稼ぐぜ、インフルエンサーだ!」という若者たちに、読んでほしいなぁと思います。

 

この方も、サラリーマンとして、経営者として、仕事に没頭した時期もあるし、趣味に生きている今もあります。

その結果、こんなに余裕があって、いつも新しい発見を求めて寄り道してワクワクしているような人生があるのです。

 

こんなカッコいい60代のおじさんになるには、どういう考え方・生き方をすればいいのだろう?

今の生き方が本当に正しいのだろうか?

・・・そういうことを考えるきっかけになる本だと思います。

 

 

ちなみに、こんなことも書かれています。

日記や書籍、映画などの感想文を書くくらいなら、詩を書いたほうがいい。

 

し、失礼しましたぁ~。

 

 

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