こんにちは、ドクダミ淑子です。
結婚を間近に控えた友人とカフェでお喋りしていた時のことです。
「彼氏(32歳)、将来起業したいんだって~」
その時飲んでいた豆乳ラテをブフォーッと吹きそうに・・・なりませんでしたが、私はうろたえました。
「な、な、な、なんで?」
「なんかね~、『俺は一生雇われの身で終わりたくないし、俺はそういうタイプじゃない』んだって。だから起業したいんだって~」
お、oh・・・
「それで、何か準備してるの?」
「特に何をしているようには見えないかな。でも、ビジネスを学ぶって言って、アンケートサイトに登録して、モニターとか会場調査とか座談会行ってる。あと、在庫を抱えるビジネスは古いとか、ネットでビジネスとか、最先端のものを売りたいとか言っている~」
こんな身近に、「そういうヤツ」がいたのか・・・。
「ネットで起業とか言ってよくわからん活動している人って、Twitterとかでよく見るけど・・・」
「そういう人いるの?私Twitterもインスタもやっているけど、見たことないよ?」
私がウォッチしている方向が特殊なのか・・・?
「とりあえずさ、本気でやるなら事業計画書くらい書かせた方がいいよ。それで彼氏親とあなたへプレゼンしてもらうとか。可能なら私が同席してもいいし、相談できそうな経営者も紹介することもできるよ。」
「うん、わかった。やっぱりちょっと不安だったから、これからも淑子に相談するかも」
相談されましても、お力になれるかどうかは分かりませんが、「ネットでビジネス」系の記事リンクなら大量に送り付けられると思うよ。
雇われるということは、格好悪いのか?
私は衝撃を受けていました。
こんな身近に、そんな「フワっとした動機で、フワっと独立を考えている、大して貯金もなく、計画性もなく、特にスキルもない人」がいるとは・・・。
先日、私のTwitterのタイムラインで、ネットでちょっとした有名人になってブイブイ言わせている人たちが立て続けにPolcaだのCAMPFIREだの・・・つまりは「ネット上の街頭募金」的なものを募っていることが取り上げられてました。
私はこの人たちと、友人の彼氏(もうすぐ旦那)を思い、とても切ない気持ちになりました。
「あの子をこんな界隈に引きずり込もうとしているなんて・・・あの男、許さん!」と。
あの男は「一生雇われの身でいたくない」と言っていました。
まぁ前から「月給20万円ぽっちしかもらえないなんて、この会社はおかしい」とかずっと言ってたもんな。
遅刻しても、書類無くしても、クレームばっかりでも、2社の納品物を逆にしても、怒られたら3日くらい会社を休んだりしてもクビにならないのもおかしいよなと思いながら聞いてたけど。
なぜ、こういう「俺はデキるぜ!」とか言いながらフワフワしている人たちって、会社勤めを否定しようとするのでしょうか?
こういう人たちこそ、会社勤めで会社に守ってもらってぬくぬく生きていたほうがいいのに。
どこかで、「特別な存在」になりたいのか?
書いていて思ったのですが、きっとこういう人たちは「平凡」で、「ちょっとデキない」自分とサヨナラしたいのではないか?
「起業」「独立」という、普通の人ではしないようなことをすることで、特別な自分になりたいとか。
しかし、そんなに甘くはないと思うのです。
フリーランスこそ、仕事が何でもできないと、キツイからです。
以前そんな話を書きました。
だいたい、単なる雇用形態だけで「特別な存在」にはなれないですよね。
特別な存在になりたいから、異世界に転生するのか?
そんなことを書いていたら、更に違うことをひらめきました。
「最近、異世界転生モノのアニメ多いよな」
異世界転生モノ。
それは、なんの変哲もない主人公が、ある日突然異世界(RPGゲームの世界)に転生させられるというジャンルのライトノベル・マンガ・アニメなどなど。
主人公はあらかじめ特殊能力を持っているか、ゲームの知識があるので、他の人よりも強かったり、尊敬されたりするし、たまに「伝説の勇者様」とか言われたりする。
ついでに、主人公以外の味方キャラは、大体女の子っていうパターンが多くて、ハーレム状態が多い。
これって、なんか現代人の「願望」の塊みたいだなって思ったのです。
「なんの変哲もない、ダメ会社員の俺が、ある日突然経営者に転生して大成功!○○の神とか呼ばれちゃって、かつての冴えない俺からサヨナラするのさ」みたいな。
甘い!甘すぎる!
現世で冴えないヤツは、異世界に転生しても、最初のステージでザコにやられて終わりだぞ!
そんなにサバイバル能力があったら、現世でも活躍しているはずでしょ。
現世にいたほうがいいぞ!転生ダメ―!!
迫りくる火の粉と戦うしかないのか
しかし、そんなことを私が言っても、きっと全く響かないでしょう。
だから、「私にだけは火の粉がかからないように」と祈るしかないと思っていました。
でも、今回の火の粉は、ちょっと近すぎるし、友人のことは守りたい。
「でも、いつもそんなこと言って、全然動かないから、きっと口だけだと思うけどね~」
口だけであることを、激しく願ってやみません。
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