こんにちは、ドクダミ淑子です。
「不登校YouTuber」が話題になっていますね。
まだ私の中ではモヤモヤしている状態。
ちゃんと言葉になってから、書こうと思います。
今回書いていくのは、不登校関連で出てくる、こちら。
「AIが発達しているから、パソコン1台あれば勉強できる」は本当なのか?という話です。
タイトルについているように、実際はパソコン1台あっても、勉強できない子が多いのです。
ということを、私は仕事の中で感じたことがありました。
講師ゼロの学習塾を作った
「ドクダミちゃん、画期的な学習塾を作ったよ」
数年前のある日、個別指導塾を経営している社長が、私に嬉しそうに計画を話してくださいました。
- 膨大な問題を作り、それをデータ化した
- まずは動画を見て、その後に練習問題
- 生徒の正解/不正解によって、次に出す問題を変える
- 分からなかったら解説動画が出る
- 授業は動画、問題を出すのはプログラムがやってくれるので、講師がいらない
- 募集するのは、教室長(管理人)だけ
- 教室長は勉強が出来なくていい、いるだけでいい
「講師不足に悩む塾が多い中、その課題をパソコンで解決したんだ」
「生徒はパソコンと一緒に勉強するから、講師ゼロでも、教えなくても平気なんだよ」
「成功するかどうかの要素は、立地だけ!」
「だから立地だけ間違えなければ、必ず成功する」
その後、この塾を普及させるべく、教室長探しのお手伝いをしました。
10名くらいの人が教室長になってくれて、まずは第1期としてこの塾はスタートしました。
講師ゼロだとうまく行かなかった
少ししてから、社長に「最近どうですか?」と聞いたところ、こんな回答が返ってきました。
「すごく上手くいっていてすでに黒字の塾と、全く生徒が増えない塾があるんだよね・・・」
「上手く行っているところと、行っていないところは、何が違うんですか?」
「やっぱり、教室長の人柄かな。ちゃんと教えられる教室長のところは、結構いい感じだよ」
あれ?
確か、講師の質は関係ないって言っていましたよね?
「やっぱりさー、全然教えないって無理だよね。動画見てもわからなかったら、生徒だって質問してくるし」
「ちゃんと教えられない教室長のところは、成績上がらないから、評判も良くないよね」
あれれ?
最初と言っていることが違うんですけれども・・・
なぜ、AIの塾が流行らないのか?
なぜ、この塾は結局のところ従来型の学習塾と同じような、強みにもなれば課題にもなる「講師の質」に左右されるようになってしまったのでしょうか?
私が思う仮説を挙げていきましょう。
子どものやる気を引き出すことが必要だから
そもそも、お金を払って塾に通う子は、成績が伸び悩んでいる子が半数でしょう。
成績が伸び悩んでいる原因は様々ですが、その中で「勉強に対して苦手意識がある」というものがあると思います。
苦手意識がある子にいきなりパソコンの前に座らせても、なかなかすんなり授業が入ってくるとは思えない。
特に成績中位~下位の子が塾に通って勉強するためには、何らかのやる気を引き出すインセンティブが必要です。
- 同じ学校や、他の学校の友達がいる
- 塾の先生が好きだ
塾に行くとなんだか楽しい!行ったらいいことある!と思う状態にしないと、頭に入ってこないでしょう。
「友達がいるから」は講師はあまり関係がありませんが、「塾の先生が好きだ」は思いっきり講師の質ってやつになります。
動画だけで理解できたら、授業でも理解できる
動画だけ見てわかる子だったら、そもそも授業でつまずくことが無いので、塾に入る必要ってあまりないのです。
だから結局、「動画の説明」が必要になり、講師の質が問われるようになります。
ターゲットが狭い
個別指導塾で手取り足取り教えてほしい子は、そもそも動画を見ただけでは理解できない。
集団塾で補習or予習すれば理解できる子は、集団授業の方がコストが安いからそちらに行ってしまう。
一人でコツコツ勉強できる子は、通信教育や自宅学習をする。
・・・そう考えると、パソコン学習で教えてもらいたい層っていうのは限られてきます。
「ある程度は授業で理解はできる理解力があり、誰かの目が合ったほうが勉強しやすいけれども、集団授業が苦手」
なかなか狭くなりますね。
AIは「勉強の仕方がわからない」「やる気がでない」を解決してくれない
以上、ダラダラと、パソコン学習塾が流行らない理由を挙げてみました。
結局、AIが発達しても、システムでできることは限られていて、教育には「人の力」というのがある程度必要なのだと、私は思います。
さて、こんな状況で、あなたは「AIが発達したら、学校なんて必要ない」「PC1台あれば、勉強なんて簡単にできる」なんて言い切れるのでしょうか?
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