こんにちは、ドクダミ淑子です。
「フリーランス」という言葉をご存知でしょうか?
会社に所属せずに仕事している人、つまり個人事業主ってことですね。
ただこの言葉が、近年謎の一人歩きをしているのです。
「フリーランスです」って言いたがり
特にネットでだけ饒舌な若者の話になりますが、「フリーランスですって言いたいだけの人」が増えている気がします。
「ん~、今はちょっと・・・フリーランスやってるんだ(ドヤァ)」
ここで相手がポカーンとしているor明らかに「???」ってなっているのは、「相手がフリーランスという新しい働き方を理解できていない旧時代の人だから」ではありません。
「何言ってんだコイツ?」です。
フリーランスの意味わかってる?
そもそも、「職業:フリーランス」というところからおかしいのです。
私も、海外旅行で入国する書類に「office worker(会社員)」って書きますよ?
でも、友達との会話で「今何やってるの?」と聞かれたとき、「ん~、今はちょっと・・・会社員やってるんだ(ドヤァ)」とは言いません。
それと同じです。
フリーランスとして活躍している人は、自分の職業を「フリーランスです」とは言いません。
「フリーでカメラマンやってる」
「フリーのライターしている」
など、具体的な職業が入ります。
私が「人材業界で営業やっている」と同じですね。
具体的な仕事内容も、今手掛けている仕事も、ちゃんと言います。
そうではなくて、「ん~、今フリーランスで~、いろいろ書いたり~、企画やったり~、依頼受けたり~、プロデュースしたりしてる~」という人は、話が長いだけで「何を」が全く入っていないのです。
「事業を立ち上げ経営者としてビジネスをして2億円規模の事業にgrow」とかね。
「何をしているのか?」がよくわからないけれども、こんなヤツがカッコいいと思う人もどうかしていると思います。
1人で仕事をするということは、得意も苦手も伸ばさないといけない
そもそも、「フリーランス=すごい」がおかしいと思うのですが、確かに1人で仕事をしている人がすごいなと思うこともあります。
それは、1人で仕事をすると、全部のことに責任を持っていかないといけないということです。
営業も、交渉も、製造・制作も、進捗管理も、請求周り、支払い遅延が起こったら、経理、資金管理・・・これらがすべて「自分の仕事」になります。
他の人に任せようとすると、お金を払う「外注」「システムやサービスの利用」になります。
そうすると外注先を探したりサービスを比較したりと、別の仕事が増えます。
フリーランスというのは、そういった細々した仕事もすべて「自分で管理」なのです。
私はそういう面では、フリーランスにはカッコいいというか、泥臭いイメージがあります。
そして、会社員のように「苦手だから」という理由で他の人にお願いをすることはできません。
してもいいけれども、「責任」は自分に残ったまま。
人には得意不得意がありますが、フリーランスでやっていくためには、得意なことを生かすだけではなく、苦手なこともある程度克服しなければいけないと思うのです。
だから私は会社員をやっているし、「響きがカッコいいから」「朝起きられないから」「集団行動が苦手だから」という理由でフリーランスを選ぶのは危険だと思っています。
日本人が全員フリーランスになったら?
たまにネットで「日本人の全員がフリーランスになる世界が来る」なんてことを言っている人がいますが、私はそれは難しいと思います。
仮に、全員がフリーランスになったとしたら、どうなるのかを想像してみましょう。
仕事がデキる人
仕事がデキる人はどうなるかというと、フリーランスで活躍し続ける人もいると思います。
しかし、仕事量が増えれば増えるほど、本業に集中したいと考える人も出てくるでしょう。
外注に出してもいいけれども、そうすると毎回の交渉も面倒だし、優秀な人は頼もうにも予定がいっぱいだし、違う人にいちいち教えるのも面倒だし・・・となると、思うんですよね。
「自分の会社を作って、同じスタッフに常駐してもらってサポートしてもらった方がよくない?」と。
そうすると、「会社を作る」という人も出てくるでしょう。
有名なクリエイターが事務所を構えているように。
仕事がデキるけれども、仕事以外のことができない人
フリーランスはすべて自分でやらなければいけないので、本業の仕事以外のことが苦手な人は、そもそもフリーランスになることにリスクがあります。
私も、事務作業が苦手なので、フリーランスには向かない人間です。
そういう人は、フリーよりも会社に所属して、管理面をすべてやってもらったほうが本来の業務に集中できます。
仕事がデキない人
全員がフリーランスになったら、こういう人たちが一番苦労するでしょう。
まず、仕事が取れない。
仕事が取れても、単価が低い。
仕事が取れても、満足度が低いからリピートしてもらえない。
満足度が低いと、評判も落ちるので、更に仕事が取れない。
・・・こうなったら、生きていくのが難しくなるかもしれません。
スキルを磨こうにも、学ぶお金もなく、目の前の小さな仕事をどうにかこなすことでいっぱいになってしまいます。
それだったら、組織に属して、先輩に教えてもらいながら小さな仕事をして、成功体験を積み、少しずつ仕事の難易度を上げていくほうが、生活も安定するし、長期的に見てスキルアップができると思います。
私は世の中全員がフリーランスにならない理由は、この層のためになっていると思うのです。
そしてなぜかこの層が積極的に「職業:フリーランス」と名乗ってドヤっているような気がするのです。
フリーランス=格好いい、会社員=格好悪い?
個人で仕事をしたいなら、そうすればいい。
でも、会社という形式は、何も人を型通りにはめこむだけの仕組みではなく、仕事を分担し効率化していく合理的な仕組みだと思います。
その合理的な仕組みがいきなり崩れて、全員が個人で戦う世の中にはなりにくいし、なったとしても誰かが「会社作った方がよくない?」って考えると思う。
フリーランスってカッコいいからやってみたいと考えている人は、このへんをきちんと理解した上で、フリーランスという選択をし、自分の仕事をする技術を磨きこんで、「何をしているか」を伝えられるようになればいいと思います。
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