ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚30代女、ドクダミ淑子の毎日

「書くこと」を仕事にすると出てくること

f:id:dokudamiyoshiko:20190304203938j:plain

こんにちは、ドクダミ淑子です。

 

ある日、仕事中に同行していたライターさんに、相談を受けました。

ざっくり言うと、こんな話です。

 

「仕事だからって、妄想で嘘ばかり書くのが辛い」

 

 

ライターに転身した、書くことが大好きな青年のぼやき

私は彼とはたまに仕事をする関係なので、もともとはライターではなく、営業をしていた時代も見ていました。

ライターになりたいと強く思い、営業をしながらもライティングの練習をしたり、休みの日はスクール的なものに通って、有名なコピーライターに付いて勉強したりしていた話も少しだけ聞いていました。

 

そして念願のライターになって、半年。

彼は「仕事の95%が辛い仕事だ」と言って、嘆いていたのです。

 

「別に、書くことが辛いんじゃなくて、時間に追われながら書かなきゃいけないことと、情報が少ない中、自分の頭の中の妄想だけで書いてしまい、それが世に出てしまうことが辛いんです。」

「それがライターの仕事だから、と自分に言い聞かせているんですけれども、その中でも葛藤があるんです。本当にこれでいいのか?自分が書くことで間接的に人を傷つけることに加担しているんじゃないか?って、怖くなるんです。」

 

「ボクが経験が浅いから、営業さんに舐められているのもわかります。でも、もっとちゃんと情報をくれたりしてくれてもいいじゃないですか?」

「取材には行きたいですよ。行きたいですが、取材に行った時間があったら、その時間で今日のノルマ分が書けちゃうんですよ。そう考えると取材にも行けない。」

 

彼はクオリティとスピードの間で、こんな感じで板挟みになっていました。

 

  • ノルマを達成しなければいけない
  • 時間に追われながら書かなければいけない
  • 少ない情報から妄想して書かなければいけない
  • 情報を得るために外出したいが、ノルマを達成できなくなる
  • 早くできて、クオリティはそこそこであれば営業は喜ぶ

 

うん、それは辛いよね・・・

 

 

書くことを仕事にする=クライアントと読者がいる

私は完全に趣味でブログを書いていますが、ライターとしてお金をもらって文章を書くと、必ず出てくる存在があります。

 

それは、クライアントと読者。

 

読者は、クライアントが狙っている属性を持つ層です。

最終的には「アクション」をしてもらうことを、クライアントは「目的」にしています。

そのための「手段」として、ライターに書いてもらい、クライアントはライターに「対価(お金)」を支払います。

 

お金を払う→受け取るという関係が出来るので、下手をするとライターはクライアントから「下」に見られることもあります。

本来は、お金を介して対等な交換をしている、フェアな立場なのにも関わらず、です。

 

それは、クライアントとライター双方の「頼む」「頼まれる」スキルのレベルにもよります。

 

クライアントのレベルが低いと、上に書いたような無茶ぶりがどんどん出てきます。

しかし、クライアントのレベルが低いということは、それを相手にしているライターのレベルも低いことが、往々にしてあるのです。

 

自分のライティングのレベルが低いから、ろくなクライアントに出会えない・・・それは私が自分がライターになると想像した時に、一番恐れていることなのです。

 

そう、この話のように。 

www.dokudamiyoshiko.com

 

 

ライターになりたての人にありがちなこと

私は彼の相談を一通り聞いて、彼の仕事が少しでもスムーズに行くようにと、対クライアントについての多少のアドバイスをしました。

 

しかし一方で、こんなアドバイスもしました。

「ライターとしてのレベルを上げれば、もっと楽しい仕事もたくさん頼まれるようになるよ。」

 

私は彼を応援する一方で、「もう少し、読み手を意識した文章を作ってほしいなぁ」とも思っていたのです。

 

ライターになりたての人にありがちなことがあります。

それは、「文章に自分の色を出して、爪痕を残そうとする」ということです。

 

彼はたとえば、こんな文章を書くライターでした。

「目の前がまるで漆黒のように真っ暗闇になり視界を失っていた私に、一縷の光のような希望(のぞみ)が差し込み、それは私の中でみるみるうちに膨らみ、太陽のような輝きとなって、私を照らしました。そしてそれはまるで、長い間先の見えないトンネルにいた中で突然外に出たような感覚でした」

 

いやいやいやいや・・・

「漆黒」「真っ暗」「闇」、「光」「太陽」「輝き」って同じような表現多くない?

「まるで」「ような」って、比喩しすぎじゃない?

「それは」ってどれの話?

「一縷」って、漢字で読めても書けなくない?

「希望(のぞみ)」って何?

 

・・・これって、「どん底だった私に希望の光が差しました」で良くない?

 

こんな感じで、彼はなぜか、プレーンな文章の中に、自分らしい(中二病な)表現をてんこ盛りにしてくるのです。

 

もしかしたら「妄想で書かなければいけないから、文字数を稼がなければいけない」と思って、こういう表現をてんこ盛りにしているのかもしれません。

・・・にしても、変な表現には変わりないけどな。

 

彼には、もう少しプレーンな文章を書くスキルを身に着けてもらって、もっといいクライアントに出会ってもらいたいなぁと思ったのでした。

 

 

こちらもどうぞ 

www.dokudamiyoshiko.com