ドクダミ自由帳

モテない精神を持ち続ける既婚アラサー女、ドクダミ淑子の毎日

バーロー、真実はいつも1つなんだよ

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連休のある日、C少年はRに連れられて、山奥の洋館に行くことになった。

「S子お嬢様に見せたいとっておきのコレクションがある」という謎の手紙が届いたS子に、どうしてもついてきてほしいと言われたからだ。

 

洋館は崖の向こう側にあるので、タクシーを降りてつり橋を渡る3人。

執事とメイドに迎え入れられたCたち3人は、その中で仮面を付けた人に出会いギョッとする。

同じ様な手紙が届いたのは全部で6人。

中には、「故・大富豪氏の莫大な遺産の一部を来た人の誰かにプレゼントする」と書かれていた人もいたのである。

一体、コレクションとは、遺産とは何なのだろうか?

 

そんな中、夕食の時間になるも、一向に部屋から出てこない中年男性を迎えに行くことになったCとR。

 

すると・・・「し、死んでる・・・」「キャー!!!!」

 

騒ぎを聞き付けて全員が駆けつける。

 

その中で明らかに動揺しているのは、気の強そうな美女と、中年男性の古くからの友人だという人。

「はじめから嫌だったのよ!こんなところに来るの。私、帰るわ!」

「わ、私も帰ります・・・急に用事が・・・」

 

バタバタと洋館を出る二人。

追いかけるC少年。

すると、向こうに見える赤い光。

 

「つり橋が・・・燃えてる!!!」

 

「クソっ、警察に電話だ!」

 

「電話、繋がりません!!」

 

「電話線が・・・切られてる!」

 

「一体誰がこんなこと・・・」

 

 

…ハイッ、せんせ~い

…はい、Aさん

…なんで、橋が焼けちゃったんですか?

…いいところに眼をつけたね。ガソリンをかけて火をつけたんだよ

…ガソリンってなんですか?

…昔のクルマはガソリンという燃えやすい液体を燃やして動いていたんだよ

…ふ~ん

 

…せんせい

…どうした、Bくん

…デンワセンってなんですか?

…昔は遠くの人と話をするときに「電話」という機械を使っていたんだ。それはヒモみたいなものに電気信号を流していたんだよ。

 

…ねぇ、せんせい

…質問をするときは「はい」ですよ、Cさん

…「イサン」って何?

…昔のお金は「お札」って言って、紙っていう薄くて重ねて持ち運べるマテリアルだったんだ。人が死ぬと、今みたいにその人の所持金データがゼロになるんじゃなくて、その家族に引き継がれていった。だから、お金が蓄積されて「お金持ち」という集団が存在していて、「遺産相続争い」なんていうものもあったんだ。

 

…せ、せんせい

…おっ、珍しいねDくん

…そもそも、そもそもなぜ人を殺す事件が起きたのですか?

…ほう、なぜだろうね?君の意見が聞きたいな

…わかりません

…これまでの話を総合して、考えてごらん

…もしかして、古代の人間には感情や行動の踏み間違え防止やアシスト機能がついていないんですか?

…正解!

 

…はいは~い、あとは「ミマモリ」もないよね?あったら「一体誰が殺したんだ!?」とか言わないもん。

…Eさん、いい着眼点だ。ミマモリの元となる「防犯カメラ」っていうものはこの時代にも存在していた。しかしテープというマテリアルに書き込むもので画質は粗く、また映らない場所「死角」も多くあった。

…意味ないじゃん

…意味がないわけじゃないよ。昔はコンビニというものがいたるところにあり、そこには防犯カメラがついていた。コンビニのカメラ・道路のカメラ・駅のカメラなどを組み合わせて、犯人の移動経路を導き出したりしていたんだ。

 

 …コンビニって何?

…コンビニは食べ物や飲み物、雑誌や日用品が置いてあるところだよ。昔の人はガソリンを使った自動車でそこに行き、駐車場という自動車を外に置くスペースに停め、コンビニの中に入るんだ。コンビニで好きなものを手に取り、レジにという人間が立って機械の操作をする場所へ行き、お会計をする。お会計の時にはさっき言ったようなお札を出して、金属で出来た硬貨っていうのをおつりとしてもらう。2000年代になると、電子マネーというものが出てきて、膨大な種類の電子マネーの中から「○○で支払います」と宣言して、レジの人が電子マネーを選ぶなんていう手間も生まれた。コンビニはいろいろと問題があり、働く人の低賃金や、恵方巻やクリスマスケーキなどのイベントの時に莫大に食べ物が余ったりと大きな話題になったんだよ。

…なんかムダだらけ。昔の人って不便でクソみたいな生活だ

…そうだね。でももう少し丁寧に話しましょう、Fくん。

 

…せんせ、せんせ

…Gさん、どうぞ

…昔の人は、その・・・ジドウシャっていうのを外に置いて、コンビニっていうところに入ったりしていたの?

…そうですよ

…帰る時にも、そのジドウシャはなくなっていないの?

…そうですね、ほとんどの場合は。

…すごくない?

…昔は大きなモノを盗むのは、盗むための技術が必要だったんだ。今のように遠隔操作で物体を移動させることもできないし、縮小することもできない。

 

…昔の人は、ミマモリがなくても、悪いことをしなかったってこと?

…そうだよ。ミマモリがなくても、ほとんどの人は人を殺したりしないし、お店に置いてあるものに追跡タグが付いていなくても、勝手に持っていくということはほぼなく、ちゃんとレジに持っていきお金を払っていたんだ。でも中には盗む人もいたから、そういうひとを見つけるための「万引きGメン」なんていう職業の人もいたんだよ。

…何それ?

…モノを勝手に取っていくことを「万引き」と言ったんだけれども、それをする人を見つけて、警察に連れていく人だよ。その人の仕事ぶりを撮影して、テレビというメディアで日本全国一斉に放送していたんだ。

…追跡タグ付けておけばそんな仕事いらないのにね。

…そうだね。でもそんなこと言ったら、この殺人事件の話だって、今だと起こりえないよね。ミマモリがあるし、人を殺したいという気持ちは感情抑制システムや踏み間違え防止システムで抑えられるし、何かあったら電話なんてなくても緊急テレパシーを発信すればこんな風に隔離されることもないし・・・

 

…先生!この話これからどうなるの?

…どうなると思う?

…ハイハ~イ!1人1人の記憶をスキャンして、犯人を見つける!

…残念ながらそれは不正解だね。当時は記憶や感情のスキャンはできない。

…え?じゃあどうすれば・・・

…そうなんだ、ここから身体は子ども、頭脳は大人の名探偵C少年が、色々な人から話を聞いて、証拠となるようなマテリアルを集め、一人一人がどこで何をしていたかを把握して、その結果犯人を導き出すんだ。でも子どもがそういうことをすると、大人に怪しまれるから、今回だとS子を麻酔銃で眠らせて、蝶ネクタイ型変声機でS子のフリして謎を解くんだ。

 

…昔の人は色々と不便だけど、記憶スキャンや検索システムなしで何でもわかっちゃうんだね

…そうだね。今は、システムがなんでもやってくれるから、人間は何もできなくても生きていける。そのせいで人間は昔よりも脳の容積が小さくなり、パフォーマンスが落ちたと言われている。ところでみんな、C少年は何歳だと思う?

…少年だから・・・60歳くらい?

…頭いいから100歳はいってるんじゃない?

…残念ながら不正解だ。彼は見た目は7歳、頭脳は17歳だ。

…ええええええええっ!?

 

…君たちみたいに200歳を越えても、何も知らない人たちがたくさんいる今と、昔は全然違うんだ。私みたいなセンセイという制度が出来たのも、古文書が見つかり、古代の人間の方が現代よりはるかに能力が高かったことに危機感を覚えたからなんだ。マザーシステムが、過去の文献を元に「先生」というものを作って、授業をやって・・・少しずつ思考力や記憶力をつけていこうとしているが・・・

 

「この調子だとこの子達はあと100年はないと、古文書に書かれていた高校卒業レベルまでは行かなそうである。報告終わり(スリープ)」

 

 

こちらは#3000文字チャレンジのお題「橋」で書いてみました。

 

 

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