ドクダミ自由帳

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【マンガ感想】さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ 魂の叫びが心を打つのだ

こんにちは、ドクダミ淑子です。

ちょっと前から気になっていた『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』を読みました。

 


 

 

タイトルは衝撃的で、少し前に話題になったと記憶していますが、内容が思った以上にハードなマンガでしたので、紹介します。

 

 

あらすじのご紹介

公式サイトでは、このように書かれています。

「心を開くって、どうするんだっけ…」
28歳、性的経験なし。生きづらい人生の転機。 


高校卒業から10年間、息苦しさを感じて生きてきた日々。
そんな自分を解き放つために選んだ手段が、「レズビアン風俗」で抱きしめられることだった──
自身を極限まで見つめ突破口を開いた、赤裸々すぎる実録マンガ。
pixiv閲覧数480万超の話題作、全頁改稿・描き下ろしで書籍化。

 

そう、ハードなのは性的描写ではなく、「自分を極限まで見つめ」の部分なのです。

 

 

鬱、摂食障害、自傷・・・とにかく苦しい記憶

このマンガの初めは、苦しい日々について、赤裸々に書かれています。

 

  • 大学を半年で退学
  • バイトに通えなくなる
  • 摂食障害
  • 自傷
  • 居場所がなくて苦しむ

 

苦しんで苦しんで、辛くて、自分には生きる資格がないようなことまで思い込んで・・・

でも、1話の最後に、彼女はこう書いています。

しかし生きるより死ぬメリットの方が明らかに多くなったのだなぁと思うと、意外にも悔しかった。

「なにくそ!!!こうなったらダメ元で立ち直るべくあがいてから死んでやる」

 

すごく間接的な言い方だけど、生きることを決意したのです。

 

この力強さが、すごくいいなと思いました。

 

 

描く(書く)ことで昇華されていく

私もストレスや日々のもやもやを吐き出す場としてこのブログを書いているようなものですが、このマンガを読むと「描く(書く)ことで昇華される」ってあるんだなと思いました。

描くことで自分の考えが整理され、自分を客観的に見つめられる。

 

苦しい経験だからこそ、描くことでただの苦しい経験が形を変え、自分の中でも「過去のこと」にできるし、同じようなことで苦しんでいる人の力になる経験ができる。

心を、というか魂を込めて描いているから、人の心を打つものができる。

創作ってそういうことができるものなのだと、改めて思いました。

 

 

「親との関係」がここまで闇を作るのか

この人の強さや分析力は本当にいいなと思う一方で、思ってしまうのです。

「なんでこんなにも悩み、苦しみ、傷つく人がこの世の中にいるのか?」と。

 

彼女がなぜここまで辛い経験をしたのか?

マンガにはこう描かれています。

 

ところで、親にとって自分の子どもが病気だというのは認めたくないものらしかった。

うちの親にそんな余裕無かっただろうなぁと思う。

(父・母・祖母の姿と「ゴゴゴゴゴ…」という文字と暗い背景)

 

はっきりとは描かれていませんが、家族全体が大分歪んでいたのだろうと思う。

 

子どもは親を選べないし、どんな親でもやっぱり好きだし愛されたい。

でも、愛されないからどんどん歪んでいく。

このマンガの著者の永田カビさんは、大人の世界にポンと放り込まれた一人の子ども。

 

「自分が毒親に育てられたから、自分が子育てするのが怖い」っていう意見、軽く否定する人いるけど、結構まともな考えだと思う。

 

それよりも、自分の育った環境が当たり前とか普通だと思っている人の方が怖いと私は思う。

 

 

自分を大切にすることを最優先にする

さて、彼女が変わったきっかけは、自分が親から求められている(と思い込んでいる)ことを優先し、自分のしたいことから目を背けてきたことに気づいたことでした。

 

「私…自分から全然大事にされてない…!!」

「自分で自分を大切にしたい」

「自分の気持ちをわかるようになりたい…!!」

 

自分を大切にする。

これに気づいたことはとても大きい。

どんな人も自分の人生を生きているし、自分が一番大事。

自分を大事にできる人が、他人を大事にできる。

どん底でぐちゃぐちゃで、死んだ方がいいって思っても、ここに気づけて、本当によかったと思う。

 

それが、レズ風俗に繋がるのがこのマンガの面白いところですね。

 

 

いまが苦しい人にはぜひ読んでほしい

正直、読む前は、タイトルを読んでこう思ってたんです。

「(話題作りのために)レズ風俗行ってみた、的な軽~い感じの体験記なのかな?」と。

 

全然違いました。

たしかに、風俗での体験を描いたシーンもあるけれども、作者が描きたいのはそんなことじゃない。

 

ここまで、苦悩や魂の叫びが赤裸々に描かれたものだと思っていなかった。

 

親との関係は多少悪いにしても、LINEしたり、一緒に食事や買い物いくような仲の私が、心をグリングリンにえぐられるようなマンガなので、実際に同じような思いで、大変な心の葛藤があるような人は、えぐられるどころじゃないかもしれない。

幼虫がサナギになるとき、これまでの身体が全部溶けて、ドロドロになってから蝶になり羽化するくらい、信じられないくらいの衝撃があるかもしれない。

 

今が苦しい。

親のことは好きだけど、普通の関係じゃない気がする。

・・・そんな人はぜひ、読んでみてほしいと思いました。

 

 

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